現代に甦る陽明学
『伝習録』(巻の上)を読む――桜下塾講義録
著:吉田 和男
内容紹介
現代日本人最大の忘れ物「心」を取り戻すために
陽明学の古典『伝習録』を現代に通じる「警世・実践の書」と位置付けた画期的な陽明学入門。本書では『伝習録』巻の上を平易な口語訳とともに読解し、21世紀の日本人の精神のあり方を考える。社会科学者が読み解く「現代に生かす陽明学」!
目次
第1章 陽明学とは
1 今なぜ陽明学か
2 朱子学批判と心学の継承
3 王陽明の人となり
4 王陽明の思想のポイント
5 『伝習録』成立の経緯
第2章 格 物
1 大学のプログラム
2 二つの「格物」
3 朱子学の格物と至善
4 どちらの読み方が正しいか
5 格物は修養
6 親 民
7 現代における格物とは
8 科学も「格物の学」
第3章 良 知
1 良知とは
2 簡単明瞭な良知
3 良知の学
4 良知はどう磨けるか
5 「操存舎亡」と「無出無入」
第4章 心 即 理
1 心と理
2 心即理と性即理とはどう違うのか
3 誠意は正心を導く
4 心は道なり天なり
5 正 名――人情論
第5章 天理人欲
1 人欲と天理
2 仏教や道教との違い
3 人欲と出世
4 現代社会と人欲
第6章 知行合一
1 知とは何か
2 道徳は未発か已発か
3 知 と 行
4 学問の方法
5 学問の役割
6 学問と知
7 知行合一は楽しみ
第7章 事上磨錬
1 修養のあり方
2 偏見を持たずに勉強を
3 事上磨錬と修養
4 主一の功
5 立 志
6 修養の方法
7 明白簡易
8 動 と 静
9 固執を排す
10 古典を素直に読む
11 己私難克
12 志を持って修養を
13 王陽明の教育法
14 自在の学問
15 学者のあり方
第8章 万物一体の仁
1 「仁」の根源
2 厚薄のある仁
3 簡にしてかつ易なるもの
4 意のないのが「万物一体の仁」
第9章 現代に甦る陽明学
1 日本人と陽明学
2 社会と一体の個人
3 複雑系の行動学
4 時代は変化しつつある
5 好きなことをしょう
6 現代に甦る陽明学