歩く江戸の旅人たち
スポーツ史から見た「お伊勢参り」
著:谷釜 尋徳
紙版
内容紹介
もはや、アスリート?!
知られざる長距離徒歩旅行の世界
総歩行距離2000キロ以上にもおよぶ、老若男女が毎日歩き続ける伊勢神宮への旅は、どのようにして可能となったのでしょうか。
旅のルートと歩行距離を割り出し、徒歩での旅を可能とした旅人の身体技法や装い、健脚を支えた街道の交通インフラやマナー、旅の家計簿などから、江戸の庶民に愛された「お伊勢参り」の旅をひも解きます。
目次
第1章 旅のルートと歩行距離
1 伊勢参宮ルートの類型
2 伊勢参宮の旅の歩行距離
3 道中の歩行と自然環境との関連性
第2章 幕末〜明治初期の日本人の歩き方
1 日本人の歩行に関するこれまでの研究
2 幕末〜明治初期の日本人の歩き方
3 歩行の規制
第3章 街道の必須アイテム「棒」
使い道と身体技法
1 杖
2 肩運搬での棒使い
3 棒を使った休息方法
第4章 旅の履物
1 旅装としての草鞋の機能と重要性
2 旅人の草鞋着用の割合と街道筋の草鞋の販売
3 草鞋の値段と耐久性
第5章 旅の家計簿
1 江戸の人々の経済事情
2 農民の伊勢参宮にみる旅の家計簿
3 江戸の豪商の旅費
4 旅費の調達手段
講と御師
第6章 旅人の健脚を支えたもの
1 交通インフラの整備
2 身軽な旅を可能にした条件
3 歩行者の交通マナー
第7章 近代化による旅の変化
1 明治二九年の岩手県からの伊勢参宮
2 道中の移動手段
3 道中の楽しみ方
4 近世と近代の過渡期の旅
何が変わり、何が残ったのか