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太陽活動と気候変動

フランス天文学黎明期からの成果に基づいて

著:エリザベート・ネム=リブ
著:ジェラール・チュイリエ
訳:北井 礼三郎

紙版

内容紹介

2008年12月に始まった太陽活動サイクル24は、黒点数の少ない異常なサイクルだった。
17世紀の最初の光学的観測から現在まで、太陽の役割がどのように明らかにされてきたのか、太陽活動と地球気候の関係はどのようなものなのか、そして混沌たる地球気候の将来はどうなるのか…? フランスの太陽物理学者と気象学者がタッグを組んで、これまでの観測を詳しく検討した結果をもとに解説する。

目次

はじめに
訳者まえがき
序論
第1章 近代天文学の夜明け
 17世紀初頭の天文学の知見
 黒点と極東での天文学
 ガリレオ式望遠鏡とそれを用いた観測
 17世紀の政治状況
 フランス王立科学アカデミーと17世紀におけるパリ天文台のヨーロッパ学派
 天文学部門
 パリ天文台

第2章 フランス天文学
 科学目的
 フランス天文学の装置開発
 ジャン・ピカールと精密天文学
 ジャン・ピカールのウラニボリ訪問
 ジャン・ピカールと天体直径の測定
 王立科学アカデミーの大きな業績

第3章 太陽
 太陽は1つの恒星である
 太陽の物理的構造
 太陽の自転
 太陽は変動する恒星である
 太陽変動の源としての磁場
 太陽から放出されるエネルギー
 太陽直径は太陽活動の指標であるのか

第4章 太陽定数の変動
 太陽黒点磁場による熱的効果
 17世紀の観測
 1610年以降の太陽定数の復元
 周期的な変動をもち、時には活動の休止期間がある恒星は太陽だけであろうか
 太陽の周期的変動
 数万年の周期
 長期の進化
 超長期進化と太陽光度の永年変化

第5章 地球の気候
 気候の概念
 過去の気候をいかにして知るか
 地球の気候は変動したのであろうか
 フィードバック効果と非線形効果
 地球気候に関わる諸要素
 地球気候の歴史上の主な周期
 気候システムのフィードバック作用
 太陽と地球気候
 太陽が地球気候に及ぼす影響への疑念
 太陽活動変動の増幅作用
 気候モデル

第6章 将来の気候
 決定論とカオス
 中長期の気候変化
 19世紀初頭からの気候状況
 地球温暖化が導くもの
 短期気候変化の原因
 仮説A:太陽独自の原因による21世紀の気候変動
 仮説B:人為生成物質による21世紀の気候変動
 現在の気候変化とそのモデル化
 様々なモデルとそれらの正当性
 どうすべきか
 具体的な行動
 気候の研究
結論
おわりに
用語解説
参考文献
訳者あとがき
事項索引/人名索引

著者略歴

著:エリザベート・ネム=リブ
理学博士。CNRS(フランス国立科学研究センター)主任研究者、ムードン天文台天文学者。太陽物理学の研究が主たる科学的業績である。
著:ジェラール・チュイリエ
理学博士。CNRS(フランス国立科学研究センター)研究技師、CNRS航空局地球物理学者。PICARD(ピカール)ミッション主任研究員。科学的活動分野は、太陽と地球大気の関係である。
訳:北井 礼三郎
1948年生まれ。1970年京都大学理学部卒業。1983年理学博士(京都大学大学院理学研究科)。
専門は太陽物理学。2013年京都大学理学研究科附属天文台を定年退職。
現在、認定NPO法人花山星空ネットワーク監事、立命館大学非常勤講師。
著書に、日本天文学会編『現代の天文学10 太陽』(日本評論社、2009年、共著)、『太陽活動
1992-2003/ Solar Activity in 1992-2003』(京都大学学術出版会、2011年、共著)がある。平
成25年度文部科学大臣表彰科学技術賞理解増進部門受賞。

ISBN:9784769916345
出版社:恒星社厚生閣
判型:A5
ページ数:268ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年05月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:RBP