出版社を探す

結婚の自由

「最小結婚」から考える

他著:植村 恒一郎
他著:横田 祐美子
他著:深海菊絵

紙版

内容紹介

婚姻制度は、国が法的・経済的・社会的手当を配分する制度である。米国のフェミニスト哲学者エリザベス・ブレイクはその著書『最小の結婚』で、「結婚」によってもたらされる公的支援は全ての人にアクセス可能でなければならないとして、ケア関係を柱とする「最小結婚」を提唱した。
本書は、この「最小結婚」をもとに、7人の執筆者(植村恒一郎、横田祐美子、深海菊絵、岡野八代、志田哲之、阪井裕一郎、久保田裕之)が「結婚」について哲学的・政治学的・社会学的に考察した刺激的な論集である。
「結婚」とは何か。婚姻制度は必要か否か、改革は可能か。家族のあり方は特定の宗教や伝統といわれるものによる理想型から自由になれるか。「結婚」について考える全ての人のための一冊。

目次

第1章 「結婚」に求めるものは「人それぞれ」──『最小の結婚』の主要論点(植村恒一郎)
第2章 結婚式のデモクラシー──限りあるなかでの平等を求めて(横田祐美子)
第3章 一夫一婦制を超えて/のなかで生きる──米国ポリアモリーの現在(深海菊絵)
第4章 「結婚」はどこまでも必要なのか?──ケア関係からの照射(岡野八代)
第5章 結婚よ、さようなら(志田哲之)
第6章 婚姻制度の廃止か、改革か?──パートナー関係への国家介入について(阪井裕一郎)
第7章 性愛規範を超えて──最小結婚と非性愛的ケア(親密性)関係(久保田裕之)

著者略歴

他著:植村 恒一郎
1951年生れ、群馬県立女子大学名誉教授、西洋近代哲学、時間論、ジェンダー論。
著書に『時間の本性』(2002年、勁草書房、和辻哲郎文化賞受賞)、訳書にカント『視霊者の夢』(岩波版・カント全集・第3巻)、論文に「〈永遠の今〉としてのエロス──キルケゴールと西田幾多郎の愛の理論」(『哲学雑誌』808号所収)、など。
他著:横田 祐美子
1987年生まれ。立命館大学衣笠総合研究機構助教。専門は現代フランス哲学、エクリチュール・フェミニン、表象文化論。
単著に『脱ぎ去りの思考──バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院)、共著に『レヴィナス読本』(担当章「レヴィナスとフェミニズム」、レヴィナス協会編、法政大学出版局)、共訳書にカトリーヌ・マラブー『抹消された快楽──クリトリスと思考』(法政大学出版局)など。
他著:深海菊絵
1980年生まれ。日本学術振興会特別研究員(RPD)。専攻は文化人類学。
著書に『ポリアモリー 複数の愛を生きる』(平凡社新書)、論文に「性愛:他者と向き合う」『文化人類学のエッセンス──世界をみる/変える』(春日直樹・竹沢尚一郎 編、有斐閣アルマ)など。

ISBN:9784768479919
出版社:白澤社
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB