翻訳がつくる日本語
ヒロインは「女ことば」を話し続ける
著:中村 桃子
紙版
内容紹介
女らしい「女ことば」を話し続けているのは、日本人女性ではなく洋画のヒロインたちだった!? ハーマイオニーも、スカーレット・オハラも、戦う女リプリーも、「〜わ、〜だわ、〜のよ」と、コテコテの「女ことば」で話す。洋画のヒーローたちは、日本人男性が使わない「男ことば」をキザに、気さくに話し、名作の黒人たちは「方言」で話している。翻訳ことばが気になってしかたがなくなる、新しい視点の日本語論。
目次
第Ⅰ部 翻訳の不思議 1 西洋ヒロインは「女ことば」を話し続ける 2 西洋の若者は「気さくな男ことば」で語る 3 黒人が話す「方言」
第Ⅱ部 翻訳を考える 4 言葉づかいとアイデンティティ 5 翻訳が支える日本語らしさ──「女ことば」 6 翻訳がつくりだす他者のことば──「男ことば」 7 翻訳が再生産する差別──「方言」の場合
第Ⅲ部 翻訳から変わる日本語 8 親疎で使い分ける「女ことば」と「標準語」 9 女性らしさだけじゃない「女ことば」 10 一九七〇年代洋画字幕に見る強い女の「女ことば」 11 翻訳を楽しむ