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井上輝夫詩論集 詩心をつなぐ

著:井上 輝夫

紙版

内容紹介

▼詩人・井上輝夫の遺作であり、唯一となる「詩論」
▼50年を超える詩作から生み出された〝詩人による詩論″
▼生死の不条理を超えた境地を訪ねて詩人たちの門をたたく 井上輝夫の遺作

西脇順三郎とボードレールを中心に、近代詩では、透谷、有明、漱石、啄木、現代詩では、入沢康夫、大岡信、江森国友、飯島耕一を取り上げ、近代 / 現代詩の創作の真髄に迫る、渾身の一冊。

詩人としてまたフランス文学者として豊かなキャリアを持つ著者ならではの深い洞察力により明らかにされる各詩人の詩作の秘密は、そのまま著者自身の「詩法」と重なる。惜しまれつつも逝去した著者の初めて纏められる詩論集。

「現代詩手帖」「ユリイカ」「ミッドナイト・プレス」「三田文学」などに執筆した詩論を大幅に加筆修正し、編集。

目次

序にかえて   慶應義塾大学名誉教授 鷲見洋一

第一部                                    
 北村透谷の『蓬莱曲』のことなど
 漱石『草枕』と美と死をめぐって  
 蒲原有明のことに    
 啄木と対話しつつ ― 詩的故郷について

第二部 
 自由への癇癪―西脇順三郎 フランス語未刊詩集『感情的な時計』をめ
 ぐって
 西脇順三郎とボードレール ― 詩論を中心にして                 
 存在と諧謔のポエジーについて ― 西脇順三郎序章
 講演『詩想のローズ(バラ/羅針盤) ― 西脇順三郎の業績』
 ボードレールの喜劇 / 悲劇
 ポール・ヴァレリーの影を見ながら―詩集『コロナ / コロニラ』にふ
 れて

第三部                            
 至福のオリジンへ向かう詩 ― 江森國友の詩業   
 断絶と継承と ― 大岡信の近業を読んで
 入沢康夫 トラウマと方法
 追悼 飯島耕一さんの思い出        
                                 
あとがき
初  出
著者紹介

著者略歴

著:井上 輝夫
井上 輝夫
詩人、フランス文学者、慶應義塾大学名誉教授。専門はフランス文学。昭和15年兵庫県西宮市生まれ、38年慶應義塾大学文学部仏文学科卒業、ニース大学仏政府給付留学生(博士号取得)。慶應義塾大学在学中、吉増剛造氏らと同人詩誌「ドラムカン」創刊。慶應義塾大学経済学部教授を経てSFC(湘南藤沢キャンパス)の新設に参画、1990年総合政策学部教授。慶應義塾ニューヨーク学院長等を歴任。慶應退職後、中部大学教授、人文学部長を務めた。『詩想の泉をもとめて』(慶應義塾大学出版会)で日本詩人クラブ詩界賞。2015年8月25日逝去。

著書
随筆:『詩想の泉をもとめて』(慶應義塾大学出版会)。
詩集:『旅の薔薇窓』(書肆山田)、『夢と抒情と』(思潮社)、『秋に捧げる十五の盃』(書肆山田)、『冬 ふみわけて』(ミッドナイト・プレス)、『青い水の哀歌』(ミッドナイト・プレス)。
紀行:『聖シメオンの木菟』(国書刊行会)。
評論:『ボードレールにおける陶酔の詩学』(フランス図書)。
共著:『ユトリロと古い…

ISBN:9784766423020
出版社:慶應義塾大学出版会
判型:4-6
ページ数:360ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2016年02月
発売日:2016年02月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DS