展望台のある島
著:山川 方夫
編:坂上 弘
紙版
内容紹介
山川方夫は精緻である。
言葉を選び、構文を磨き、美しい物語を織り上げる。
自伝的な作品のなんと誠意にあふれていることか。
池澤夏樹
▼空襲の激しくなった昭和19年、14歳の時に日本画家の父が急逝し、終戦後の混乱の時代に青少年期を過ごした山川方夫。芥川賞と直木賞のふたつの賞の候補になりながら、受賞にいたらぬまま34歳で交通事故のため急逝した山川方夫。没後50年にして、山川方夫のショートショートと純文学作品は新生する。
目次
Ⅰ 夏の葬列
夏の葬列
あるドライブ
三つの声
未来の中での過去
蛇の殻
頭の大きな学生
クレヴァ・ハンスの錯誤
遅れて坐った椅子
Ⅱ 展望台のある島
ある週末
煙突
最初の秋
展望台のある島
Kの話
解説と年譜 坂上弘