韓国知識人との対話 Ⅱ
米中の狭間を生きる
著:添谷 芳秀
内容紹介
東アジアの安定に向け
日韓連携の時代へ!
東アジアにおける中国の台頭とアメリカの衰退、北朝鮮の核問題……
韓国の苦悩は日本にとって他人事と言えるだろうか?
韓国知識人へのインタビューを通して見えてきた現代韓国の外交・安全保障における課題と戦略を、日本との比較を交えながら浮き彫りにする。
目次
知的に、笑顔で、語り合おう ―― 「韓国知識人との対話」シリーズ刊行にあたって
はじめに
<b>1 冷戦後日韓関係の浮き沈み</b>
一九九〇年代の「和解」 / 変わる風向きと空気
民主党政権下の試みの挫折 / 日韓新政権の確執
<b>2 本書のねらい</b>
第1章 アジアの中心に戻る中国
<b>1 薄い脅威認識</b>
アジアの複合的秩序形成を / 「強い中国」を含めた柔軟な地域秩序
へ
覇権主義にはならない / 経済格差と政治的自由化
<b>2 中国の台頭には二面性がある</b>
中国との歴史問題と北朝鮮問題 / 経済力は政治力に転化する
元の場所に戻ってきた中国
<b>3 中国中心のアジアは「正常」なアジア</b>
明治維新以降の一五〇年間は歴史的例外 / 中国「再台頭」と米中二
極システム
韓国保守派の覇権主義への懸念
<b>4 中国台頭の時代の韓国と日本</b>
日本が地域主義のリーダーシップを / 米中の狭間に立つ日韓
第2章 岐路に立つ東アジアとアメリカ
<b>1 アメリカの経済問題がカギ</b>
多極システムの下で相互に関与とヘッジ / 経済問題ゆえにアジア太
平洋に戦略的照準
アメリカの外交は国内政治の延長
<b>2 米中間の対立と協調</b>
米中間の安全保障ジレンマ / アメリカの対中政策は複合的
アメリカは中国の影響力を認めざるを得ない
<b>3 多国間地域協力の中のアメリカ</b>
岐路に立つアメリカ / 多国間協力は不可避の趨勢
<b>4 米中関係と韓国</b>
韓米同盟は米中関係とは無関係 / 米中間の競争と共存
複雑な韓国のポジション / 韓国政府と国民の認識には差がある
第3章 北朝鮮政策をめぐる論争
<b>1 太陽政策の狙いと挫折</b>
安全保障を優先するアメリカが障害に / かみ合わない韓国とアメリ
カ / 三つの「失われた五年」
<b>2 李明博政権の北朝鮮政策とその後</b>
中庸の政策を継続すべき / 「非核・開放・三〇〇〇」の問題点
韓国には北朝鮮との関係改善が重要 / 太陽政策は信頼構築に失敗
目的は核の放棄と平和共存
<b>3 北朝鮮の今後と統一問題</b>
市場化は後戻り不能 / プロセスとしての統一 / 注意深く悲観的
もし北朝鮮が崩壊したら / 体制崩壊後は国際社会が介入
<b>4 中国の思惑と役割</b>
北朝鮮の非核化よりも安定重視の中国 / 北朝鮮は中国の核心的利益
ではない
朝鮮半島の地政学的「再発見」 / 重い通りにはならない北朝鮮
<b>5 日本の役割と日韓関係</b>
日朝国交正常化は北東アジアの安定に寄与 / 日本と韓国が一番の当
事者 / 日韓協力の障害
第4章 東アジアのなかの韓国と日本
<b>1 米中の狭間に立つ韓国と日本</b>
グローバリゼーションのなかの中国 / 本来の姿ではない日本
日韓は自然なパートナー / 米中両国にソフトな均衡を
<b>2 東アジア多国間協力と日韓関係</b>
日中韓協力がコア / 大きな絵のなかの日韓関係 / 周辺から未来を
構築
対米依存は対立への近道 / 多国間協力に中国を誘う
現在は同盟から多国間協力への過渡期
<b>3 市民社会と若者の役割</b>
若者はコスモポリタン / 若い世代に夢を / 日韓共通の戦略を
<b>4 日韓「ミドルパワー協力」の可能性</b>
韓国のミドルパワー戦略 / 日韓では認識が障害 / 米中に挟まれた
日本と朝鮮半島
歴史問題に変化も / 朝鮮半島統一と日本の役割 / 歴史問題は未来
の問題
日本と韓国は同じ立場に立てるか
おわりに
<b>1 知識人と一般世論</b>
気になる日本 / 若者がリードする対日世論
<b>2 日本外交への教訓とヒント</b>
韓国の悩みは日本の悩み / 多国間協力がカギ / 米中の狭間からア
メリカを見る
改めて日韓「ミドルパワー協力」を考える
参考文献
インタビューリスト
ISBN:9784766422276
。出版社:慶應義塾大学出版会
。判型:4-6
。ページ数:232ページ
。定価:2500円(本体)
。発行年月日:2015年05月
。発売日:2015年05月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS。