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貴重書の挿絵とパラテクスト

編著:松田 隆美

紙版

内容紹介

書物の「仕掛け」を読み解く。
テクストを取り囲む視覚的な要素は、
いかに私たちの読書行為に影響を与えるのか?

挿絵やブックデザインから、古今東西の貴重書を分析する
11篇の論考を収録。
▼書物が「もの」として持つ物理的形態をめぐり、基本的な形状の決定から、表紙のデザイン、ページのレイアウト、前書きや注釈の挿入、挿絵の利用など、様々なパラテクスチュアルな仕掛けは、書物を文化的産物ととらえる書誌学の重要な研究領域であることを提示する。

目次

前言     松田隆美

繪抄、繪字引の世界     関場 武

『卜養狂歌絵巻』における挿絵と本文     佐々木孝浩

ベアトゥス写本の「開かれた天の神殿と深淵を上る獣」をめぐって     宮内ふじ乃

中世医学の図像
 ――心身の相関関係を読む     久木田直江

聖書に見る本文の構造の視覚的な提示方法     安形麻理

時禱書の物語性と教訓性
 ――『ローマ式典礼の時禱書』(パリ、1525年)をめぐって     松田隆美

近代初期における珍品蒐集
――イギリス王立協会のコレクションカタログを中心に     髙橋三和子

カフカ研究の憂鬱
 ――高度複製技術時代の文学作品     明星聖子

挿絵の中のイギリス・ルネサンス演劇     井出 新

奈良絵本・絵巻『尭舜』をめぐって     石川 透

絵巻の錯簡
 ――『年中行事絵巻』内宴の場合     佐藤道生

執筆者紹介

著者略歴

編著:松田 隆美
慶應義塾大学文学部教授(中世英文学、思想史)。ヨーク大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。
主要業績:『ヴィジュアル・リーディング――西洋中世におけるテクストとパラテクスト』(ありな書房、2010年)、『ロンドン物語――メトロポリスを巡るイギリス文学の700年』(共編著、慶應義塾大学出版会、2011年)。

ISBN:9784766419719
出版社:慶應義塾大学出版会
判型:A5変
ページ数:276ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2012年09月
発売日:2012年09月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AKHM