出版社を探す

慶應経営学叢書 6

生産システムの史的展開と比較研究

著:前田 淳

紙版

内容紹介

自動車工場を軸に論じる生産システムの発展。
▼資本主義経済における生産システムのイノベーションを、アダム・スミスの「ピン工場」、テイラーシステム、フォードシステム、そしてトヨタシステムを考察対象としながら、各生産システムの本質、特質、意義を比較分析により解明する。
▼それぞれの時代の社会的経済的条件の中で、効率的な生産システムと合理的な賃金体系の模索の歴史を検討し、その意義と限界を明確にする論考。

目次

序文
序章

第1章 マニュファクチュア段階における「生産システム」の特質
      ——アダム・スミスの「分業論」の考察を踏まえて——
   1.問題の所在
   2.「分業」の派生効果
   3.「分業」を惹起する原理(by Adam Smith)
   4.「工場内分業」を惹起する原理とは?
   5.「工場内分業」の特質と革新点
 
第2章 テイラーシステムとフォードシステム出現前のアメリカにおける経営経済的・社会的条件
    ——内部請負制度の形成と崩壊——
   1.問題の所在
   2.内部請負制度とその特質
   3.内部請負制度の解体とその後の新たな動向

第3章 テイラーシステム出現前の先行研究
   1.タウンの「分益制」
   2.ハルセーの「割増賃金制度」

第4章 テイラーシステムの構築とその意義
   1.問題の所在
   2.「労働問題の部分的解決へ向けての第一歩となる出来高給制度」(1895年)の論点とその意義
   3.『工場管理法』(1903年)の論点とその意義
   4.『科学的管理法の原理』(1911年)の論点とその意義
   5.「テイラーシステム」の三本柱
   6.「テイラーシステム」の本質とその意義

第5章 フォードシステムの構築とその意義
   1.問題の所在
   2.ヘンリー・フォードの経営理念,事業原則,そして単一製品の原則
   3.フォードシステムにおける革新性
     ——労働対象・労働手段・労働力編成の考察を踏まえて——
   4.「フォードシステム」の本質と歴史的意義 

第6章 トヨタシステムの構築とその意義
    ——プロトタイプ——
   1.問題の所在
   2.トヨタシステムの二大原理
   3.トヨタシステムにおける「標準作業」
   4.トヨタシステムのプロトタイプの成立根拠と成立時期
   5.野原光氏の「トヨタ生産システムの構造」の内容と特質
   6.野原説の批判的検討と「トヨタシステム」の特質
     ——労働力と生産手段のトヨタ的結合方式とその形態——
   7.「トヨタシステム」(プロトタイプ)の意義

ISBN:9784766417937
出版社:慶應義塾大学出版会
判型:A5
ページ数:306ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2010年12月
発売日:2010年12月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KC