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ファウストとホムンクルス

ゲーテと近代の悪魔的速度

著:マンフレート・オステン
訳:石原あえか

紙版

内容紹介

人造人間ホムンクルス、その誕生の秘密に迫る。
▼ゲーテ、不朽の名作『ファウスト』。その第2部に登場する人造人間ホムンクルスは、フラスコの中の人工生命体という「不完全」な形でこの世に産み落とされた。「完全」な人間になることを願って彷徨うホムンクルスの姿に、ゲーテは一体、どのような意味を込めたのか。
▼近代自然科学の発展にともない、神や神学支配からの解放が徐々に進んでいくなかで、ゲーテは自然科学の発展を評価し、自らも貢献したが、一方で、彼は自然の悪用に対して強い危惧を抱いてもいた。本書では、ゲーテ畢生の大作 『ファウスト』 等、後期3作品を解読し、近代の 「悪魔的速度」 や、人間の理性に潜む野蛮さ、暴力性に鋭い眼差しを向けたゲーテの思想の真髄をあきらかにする。

本書は、日本図書館協会選定図書です。

目次

ゲーテ、永遠の新しさ 訳者まえがきに代えて

序 章 もしくは ベルリン嫌いのゲーテ
第1章 「すべては悪魔的速度で」 ファウストと加速化の時代
第2章 ホムンクルス あるいはスピードダウンする時間
第3章 オッティーリエ 「悪魔的速度」の拒否
第4章 時間の停戦 ゲーテは預言者だったのか?
マックス・ベックマン画 『ホムンクルス』 ゲーテの超人類

  解題
  マックス・ベックマンと《ファウスト》素描   眞岩啓子
  訳者解説

  原註
  訳註

ISBN:9784766416695
出版社:慶應義塾大学出版会
ページ数:168ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2009年09月
発売日:2009年09月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB