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中世主義を超えて

イギリス中世の発明と受容

編著:松田隆美
編著:原田範行
編著:髙橋勇

紙版

内容紹介

中世とは何であったか?
▼芸術からサブカルチャーまで、英米文化の底流には中世主義が脈々と流れている。中世主義を考えるということは、「中世」概念の再検討を通じて、アカデミックな中世研究のありようをも根本的に問い直し、中世研究の未来を切り拓くことにつながる——中世とは何かを問うアカデミックな論考集。

目次

中世主義は超えられるか まえがきにかえて   髙橋 勇

第1章 ブロセリアンド巡礼
    ——「魔法の森」とケルティシズム   辺見葉子

第2章 ヴィジョンからアレゴリーへ
    ——死後世界の断片化と中世の終わり   松田隆美

第3章 運命の車輪は止まれるか
    ——ソーントン写本における中英語作品『アーサーのワズリン湖奇譚』再考   不破有理

第4章 トリストラムの「十字架」と写字生の「無駄線」
    ——マロリーの『アーサー王の死』の本文批評再考   加藤誉子

第5章 印刷本を綴じる
    ——イギリス初期印刷文化と合冊本としての『農業の書』   徳永聡子

第6章 ゴシック・リヴァイヴァルとゴシック・サヴァイヴァル
    ——ジャコビアン・ゴシック様式の大学建築をめぐって   岩井茂昭

第7章 アイルランド併合とゲールの伝統
    ——スウィフトからエッジワースへ   中村哲子

第8章 ブラックフライアーズ・ブリッジにかけた夢
    —— 一八世紀イギリスにおける歴史認識と生活感覚、そして文書文化の諸ジャンル
    原田範行

第9章 中世イタリア共和主義
   ——メアリー・シェリーの『ヴァルパーガ』とブラウニングの『ソルデロ』を巡って
    鈴木理恵子

第10章 アメリカのシャロット姫たち
    ——一九世紀半ばから二〇世紀半ばの米国女性作家とアーサー王物語   松川祐子

第11章 ベアトリーチェの造型
    ——D・G・ロセッティのダンテ『新生』翻訳再考   加藤千晶

第12章 武勲詩の伝統から『カスピアン王子のつのぶえ』へ
    ——シンボリカル・ナラティヴと年代記   高木眞佐子

第13章 シェルターへの夢
    ——ポストモダン社会における中世主義の末裔たち   鈴木 透

第14章 「キャラ」の研究序説
    ——『しゅごキャラ!』にみるプレモダンへの回帰   髙橋 勇

あとがき   高橋宣也・横山千晶

ISBN:9784766415957
出版社:慶應義塾大学出版会
ページ数:452ページ
定価:5800円(本体)
発行年月日:2009年03月
発売日:2009年03月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB