理論経済学の復権
編:小澤太郎
編:グレーヴァ香子
編:中村慎助
内容紹介
理論経済学の基本概念から現実の経済問題を読み解く。
▼理論経済学をバックグラウンドにもった実務家による、現代の経済問題(起業、金融セキュリティ、政策金融、民間金融、年金資産運用)の分析と、実務を視野に入れた経済学者の提言(ゲーム理論の有効性)。
▼現在、理論を学んでいる学生から、昔学んだ実務家まで、誰でも読め、ミクロ経済学とゲーム理論の基本概念と経済問題への応用が学べる。
目次
第1章 ゲーム理論リテラシー
——社会問題を読み解き情報発信するための現代的素養—— 小澤太郎
1 はじめに
2 フォン・ノイマン、ナッシュ、ゼルテン、ハルサニー、そしてメイナード・スミス
3 「囚人のジレンマ」オリジナル
4 政府与党対日本銀行
5 ナポレオンのアルプス越え——混合戦略とミニマックス定理——
6 米国通商法スーパー301条
7 独占と寡占
8 カルテルの形成
9 アクセルロッドのコンピュータ競技会
10 進化ゲームと自己組織化
11 将来の展望——結語に代えて——
<コラム>1 不完全情報と不完備情報
第2章 起業活動とは何か 高橋徳行
1 はじめに
2 起業活動の構成要素
3 起業活動の特性
4 競争優位の進化
5 企業の消滅
6 おわりに
<コラム>2 リスクと不確実性
第3章 銀行の情報システムにおけるセキュリティ対策の分析 岩下直行
1 偽造キャッシュカード問題の衝撃
2 偽造被害の沈静化とその原因
3 キャッシュカードのセキュリティを考える視点
4 キャッシュカード犯罪の手口の変遷
5 具体的なセキュリティ対策とその有効性
6 キャッシュカードのセキュリティ対策は誰を守るものか
7 将来を見据えた検討が必要
<コラム>3 情報の非対称性
第4章 企業の成長をサポートする商業銀行機能 川端一
1 世界に誇る技術力が持つ強みと課題
2 親子上場をめぐる日本企業の迷走
3 小規模オーナー系上場会社の問題
<コラム>4 合理性
第5章 政策金融と理論経済
——政策金融評価の実務からみた経済理論のあり方の検証—— 上田隆司
1 はじめに
2 日本政策投資銀行の政策金融評価
3 政策金融評価と経済理論
4 理論経済の活用と課題
<コラム>5 効率性
第6章 年金資産の運用における意思決定について 眞門聡明
1 はじめに
2 近年の会計制度変更と退職給付会計
3 年金資産運用をとりまく各主体の現状と目標
4 各主体の期待とその整合性
<コラム>6 社会的選択
第7章 プロジェクトチーム内部の意思決定と報酬の決定 内海幸久
1 序
2 プロジェクトチームによる業務
3 チームの評価と報酬決定
4 帰結
<コラム>7 ナッシュ均衡
第8章 ワルラスを超えて——般均衡理論の歴史性について—— 塘茂樹
1 はじめに
2 ワルラスの予感
3 ザラバの市場取引ルール
4 ノン・ワルラシアン市場
5 板寄せの変種としてのザラバ把握
6 ザラバにおける価格変動
7 ザラバ仕法のコンピュータ化
8 結語
<コラム>8 メカニズムデザイン
ISBN:9784766415476
。出版社:慶應義塾大学出版会
。ページ数:248ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2008年08月
。発売日:2008年08月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA。