現代アメリカのテレコミュニケーション政策過程
ユニバーサル・サービス基金の改革
著:清原聖子
内容紹介
情報通信技術の発展とテレコム政策の変化。
情報通信技術の発展とそれによる巨大な社会変化のなかで、アメリカにおけるテレコム政策をめぐる政治過程がどのように変化しているのかを分析し、その変化が政策の内容そのものにいかなる影響を及ぼすかを検証する。
事例研究として、1996年電気通信法成立過程とE-rate(公私立学校ネット接続促進)プログラムの規制作成・政策実施過程から、政策ネットワーク内のアクターの増加要因とその影響を考察する。
目次
序 章
本書の問題関心
情報通信政策とテレコム政策
本書の主旨
第一章 本書のねらい・理論的背景・構成
一 本書のねらい
二 理論的背景と課題
三 本書の構成
第二章 アメリカのテレコム政策をめぐるアクター
一 はじめに
二 連邦通信委員会と議会
三 大統領・ホワイトハウスとの関係
四 テレコム政策ネットワークにおけるその他のアクター
五 結論——テレコム政策ネットワークにおけるアクターの機能
第三章 一九九六年電気通信法の成立——ユニバーサル・サービスの観点から——
一 はじめに
二 通信法改正議論の起源
三 立法過程における新たなアクターの登場
四 一九九六年電気通信法の成立
五 結論——新たなアクターの政治的資源
第四章 連邦通信委員会におけるEレート(E-rate)プログラムの規制作成過程
一 はじめに
二 Eレートプログラムの政策概要
三 連邦通信委員会における規制作成過程
四 新たな連合のEレートプログラム成立に関する政治的影響力
五 結論——テレコム政策ネットワークにおける教育・図書館団体の台頭
第五章 Eレート(E-rate)プログラムの政策実施過程
一 はじめに
二 政策実施過程における教育・図書館団体の果す役割
三 Eレートプログラムの実施と存続をめぐる戦い
四 共和党ブッシュ政権の誕生とその後の政策展開
五 結論——教育・図書館団体のテレコム政策ネットワークにおける政治化
第六章 結論
一 はじめに
二 事例研究の総括
三 政策ネットワーク間関係の変容
四 本書の射程と今後の研究に関する展望
あとがき