ホルバインの生涯
著:海津忠雄
紙版
内容紹介
珠玉の作品で辿る生涯
▼名作《死の舞踏》を育んだ第2の故郷バーゼルをあとに、イギリスに渡ったハンス・ホルバイン。宮廷で美を競う人々の肖像画を描き、大きな賞賛を受けるに至りながらも、病により忽然と世を去ったこの天才画家の決定版評伝。45年の短い生涯に受けたデューラーの精神的影響をも探る、老練な美術史家の新しい取り組み。理解を助ける図版を多数収載。
▼ホルバインを扱った書籍がほとんど入手できない現在、待望久しい出版である。
目次
序章 ホルバイン登場
1 エラスムスの『痴愚礼讃』の挿絵
2 アンブロージウス・ホルバイン
3 ルツェルン時代のホルバイン
4 ホルバイン父子のガラス絵
Ⅰ ホルバインの父
1 旅をする画家
2 フランクフルト時代
3 肖像画の問題
4 最後の大作《生命の泉》
5 晩年の父ホルバイン
Ⅱ ホルバインの技法
1 マイヤー夫妻の肖像
2 ホルバインの聖母祭壇画
3 聖母祭壇画の模作
4 「ホルバイン論争」
Ⅲ 死せるキリスト
1 キリストの受難
2 死せるキリスト
Ⅳ ホルバインと宗教改革
1 エラスムスとルター
2 ホルバインの《主の祈り》
3 仲保者キリストのいる構図
4 論争のための木版画
5 図像闘争
Ⅴ 死の舞踏
1 聖書が語る人間の死
2 ホルバインの《死の舞踏》前史
3 ホルバインの《死の舞踏》
Ⅵ イギリス時代のホルバイン
1 最初のイギリス滞在
2 サー・トマス・モア家族図
3 バーゼル帰郷
4 再度のイギリス滞在
5 イングランドの宗教改革
6 ヘンリ八世の宮廷画家として
終章 ホルバイン退場
1 晩年のホルバイン
2 ホルバインとイタリア
索引