壊れゆく景観
消えてゆく日本の名所
著:川村晃生
著:浅見和彦
紙版
内容紹介
「歴史的景観の破壊は、人々の心を荒廃させる!
日本の美しい自然は、古来から歌人や思想家に感動を与え、多くの作品を生み出してきた。
そしてそれらは人々に喜びと発見を与え、日本人ならではの豊かな精神を育んできた。
本書は、文学と自然の深い結びつきを例証し、「開発」の名のもとに進む歴史的景観の破壊に対し、厳しい警鐘を鳴らしている。」 中村敦夫(俳優・作家)
自然景観や歴史的景観を壊すか残すかという問題は、単に環境問題の領域にとどまるものではない。私たちがどのような風景や景観の中で暮らすかという問いは、私たちの生活の質そのものにまで及んでいるのである。本書では、山野河海の、在りし日の名勝の美しさを、古典に謳われた多数の歌や写真、図版とともに紹介しつつ、現在の惨憺たる乱開発の状況を重ね合わせ、理念なき環境行政のあり方に警鐘を鳴らす。
目次
第一章 美しかった日本、壊れゆく日本
1 風景はいかにしてつくられたか
2 歴史的景観の成立
3 歴史的景観の破壊
第二章 破壊された景観
1 海浜
三保の松原 / 松島 / 天の橋立 / 佐野の浜 / 鞆の浦 / 千本松原 / 沖縄の海 / 新潟砂丘
2 山野
姥捨山 / 碓氷峠 / 大原野 / 吉野山 / 武蔵野 / 富士山
3 湖水と川
琵琶湖 / 諏訪湖 / 川辺川 / 吾妻渓谷 / 春の小川
4 都市と生活
日本橋 / 京都駅 / 平城宮跡 / 明かり / 消えゆく地名
景観問題のいま—あとがきにかえて