京都議定書をめぐる国際交渉
COP3以降の交渉経緯
編:浜中裕徳
内容紹介
「京都議定書」が締結されるまでの外交交渉に直接携わった当時の環境省担当官による交渉経緯レビュー。
京都議定書から離脱したアメリカや、排出抑制の自主的約束すら拒否し先進国による途上国支援義務の履行を強く求める途上国、先進国の国内排出削減を重視し吸収源や京都メカニズムには抜け穴になるとして厳しい姿勢を示したEUなどが主導権争いを行うなかで、COP3議長国として京都議定書の早期発効をめざして、実施・運用ルールの合意形成を主導した日本の外交交渉を描く。「京都議定書」全文、交渉経緯年表、京都議定書関連用語集、その他合意文書など、関連資料も充実。
目次
はしがき
第1章 京都議定書以後——「ブエノスアイレス行動計画」の合意
1 概観
2 主要交渉プレーヤー
3 前期(1998年7月まで)における国際検討
4 後期(1998年10月まで)における国際検討
5 COP4における交渉
6 まとめ
第2章 解けなかった多次元方程式——運用ルール交渉の難航
1 概観
2 主要交渉プレーヤー
3 主要国の基本スタンス
4 議定書運用ルールづくり序盤戦
5 COP5——京都議定書の2002年発効を目標に
6 COP6に向けた交渉の加速
7 COP6——解けなかった多次元方程式
第3章 米国の離脱と歴史的合意——「ボン合意」に向けた国際交渉
1 概観
2 主要交渉プレーヤー
3 ブッシュ政権の発足と京都議定書離脱
4 COP再開会合に向けて——京都議定書の危機
5 COP6再開会合——歴史的合意
第4章 政治的合意の法文化に向けて——「マラケシュ合意」への最終交渉
1 概観
2 主要交渉プレーヤー
3 ボン合意後の課題
4 COP7——「マラケシュ合意」に向けて
5 京都議定書の締結
第5章 吸収源に関する交渉経緯
1 COP3における吸収源に関する交渉(1997年12月)
2 地球温暖化対策推進大綱の決定(1998年10月)
3 ブエノスアイレス行動計画(1998年11月)
4 IPCC吸収源特別報告書(2000年5月)
5 各国からの吸収源データと意見の提出(2000年8月)
6 吸収源交渉における主な論点
7 SBSTA13(2000年9月)と会期間会合(2000年10月)
8 COP6(2000年11月)
9 オタワ会合(2000年12月)
10 COP6再開会合の準備
11 COP6再開会合(2001年7月)
12 COP7(2001年10月〜11月)
13 COP7後の国内対応
14 吸収源交渉を振り返って
関連資料
ⅰ ブエノスアイレス行動計画の要旨
ⅱ プロンク・ペーパーの内容と我が国提出意見(2001年1月)の概要
ⅲ プロンク議長調停案の概要
ⅳ ボン合意の概要
ⅴ マラケシュ合意の概要
ⅵ COP11・COP/MOP1の主要な成果
ⅶ 京都議定書実施ルール交渉過程年表
ⅷ 用語集
ⅸ 京都議定書(和文)
ⅹ クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ第1回閣僚会議
ISBN:9784766412857
。出版社:慶應義塾大学出版会
。ページ数:278ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2006年05月
。発売日:2006年05月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ。