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ドイツ農民戦争と宗教改革

近世スイス史の一断面

著:野々瀬浩司

紙版

内容紹介

ドイツ農民戦争と呼ばれる農民蜂起と宗教改革が、スイスの農民社会に及ぼした影響を、一次史料を使って綿密に分析。特に農奴制の多様性やその歴史的変遷の研究は、我が国スイス史研究最先端の業績である。

目次

口絵
地図・図表一覧

はじめに
第一編 ドイツ農民戦争の思想的背景
第一章 「神の法」思想についての学説史の整理
  序論
  第一節 ブリックレにおける「神の法」の理解
  第二節 「神の法」の革命的性格と超領法的な運動との関係
  第三節 「神の法」と自然法との問題
  第四節 「神の法」と「古き法」との関係
  第五節 「神の法」思想における宗教改革の影響
  第六節 「神の法」と平民概念との関連

第二章 「神の法」思想と「十二箇条」について
  序論
  第一節 「十二箇条」の要求内容
  第二節 「十二箇条」の成立事情
  第三節 「十二箇条」の性格
  第四節 「バルトリンゲンの諸抗議書」における「神の法」の形成過程
  結語

第三章 ゼバスティアン・ロッツァーの神学と「十二箇条」について
  序論
  第一節 ロッツァーの研究史
  第二節 ロッツァーの生涯
  第三節 ロッツァーの神学
  結語

第四章 ツヴィングリの神学思想における“Gemeinde”概念
  序論
  第一節 世俗的な概念としての“Gemeinde”
  第二節 信仰に関する概念としての“Gemeinde”

第二編 農奴制問題に関するスイス盟約者団の政策について
——農民戦争の重要課題を巡って



第一章 農奴制問題の意味とそれを巡る研究史
〔補論1〕農民戦争期におけるスイスの国制的状況の概観

第二章 バーゼル
  第一節 バーゼルにおけるドイツ農民戦争の前史と農奴制の特徴
  第二節 農奴制問題に関する農民たちの抗議内容
  第三節 農奴制問題に関するスイス盟約者団会議での裁定
  第四節 農奴制問題に関するバーゼル市の対応とその後
〔補論2〕バーゼル司教領における農奴制問題に関するスイス盟約者団の対応

第三章 ズントガウとオーバーエルザス
  第一節 ズントガウとオーバーエルザスにおけるドイツ農民戦争の前史と農奴制の特徴
  第二節 農奴制問題に関する農民たちの抗議内容
  第三節 農奴制問題に関する領主からの反論とスイス盟約者団会議での裁定

第四章 トゥールガウ
  第一節 トゥールガウにおけるドイツ農民戦争の前史と農奴制の特徴
  第二節 農奴制問題に関する農民たちの抗議内容
  第三節 農奴制問題に関するスイス盟約者団会議での裁定

第五章 ザンクト・ガレン
  第一節 ザンクト・ガレンにおけるドイツ農民戦争の前史と農奴制の特徴
  第二節 農奴制問題に関する農民たちの抗議内容
  第三節 農奴制問題に関する修道院側からの反論とスイス盟約者団会議での裁定

終章

あとがき

ISBN:9784766408133
出版社:慶應義塾大学出版会
ページ数:388ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2000年01月
発売日:2000年01月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DFG