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叢の視点

植物の新しい価値観を問う

著:小田 康平

紙版

内容紹介

現在の一般的な植物に対する「美しい」という価値観とは一線を画す、植物屋「叢」を主宰する小田康平が持つ審美眼。
ふだんは見向きもされない「台木を取るためのサボテン」や「生産農家の片隅に忘れ去られていた多肉植物」などに、植物が持つ「ただただ懸命に生きている姿」に美を感じ、それをより生かす鉢との出会わせ、新しい美しさを生み出す。
そんな小田のサボテンと多肉植物に対する言葉と、惹きつける写真。

目次

植物の楽しみ方/鉢植えに風景を重ねる/歪を愛でる/親木の価値/植物には未来があるからワクワクするのだ/古道具のようなサボテン/接ぎ木の新しい魅力/大地ではない場所で生長を続ける/生と死を併せ持つ姿/接ぎ木の可能性/選ぶという行為/欠落の美/経年変化を味わう/接ぎ木で遊ぶ/必死さこそが心を揺さぶる/切断面から見えること/作り手とサボテンの攻防/懸命に生きる姿/個性が大事/鉢合わせを考える/突然変異の栄枯盛衰/物語の中の植物/骨董品の目線/植物の知恵/コントラスト/極まった個体/愛すべき提灯/サボテンの印象を覆すサボテン/台木だって生きている/刺と棘/植物の色/サボテンの中にある景色/無駄のない形/やっぱり刺が好き/サボテンの密度/日本のサボテン 異国のサボテン
植物がもつ「生命力の強さ」ーー小田康平に聞く。

著者略歴

著:小田 康平
1976年 広島生まれ。
世界中を旅する暮らしをしていた20代の頃、旅先で訪れたパリで、フラワーアーティストがセレクトショップの空間演出を手掛ける様子に感動。
帰国後、生花と観葉植物による空間デザインに取り組むようになる。
数年が経ち、画一的な花や植物での表現に限界を感じ始めていた頃、ある世界的アートコレクターと出会い、納品後に傷ついた植物を見て発した彼の一言、「闘う植物は美しい」に衝撃を受ける。
以来、植物選びの基準を、整った美しさから、『いい顔』をしているかどうかに変える。
独自の視点で植物を捉え、美しさを見出した一点物の植物を扱うことを決心し、2012年、独自の美しさを提案する植物屋「叢 - Qusamura」をオープン。

ISBN:9784766135831
出版社:グラフィック社
判型:B5
ページ数:128ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WMPC