無限をつかむ
イアン・スチュアートの数学物語
著:イアン・スチュアート
訳:沼田 寛
紙版
内容紹介
いわゆる数学史の本ではない!!
本書の主題は、数学者たちが「無限」という暴れ馬を、どのようにして馴致してきたか、というものである。
この主題に沿って、数学の歴史を虚数とかトポロジーとか対称性とか、数学的アイデアごとに切り口を決めて、考え方の発展の歴史を章ごとにたどるという趣向の本である。数学の歴史を読む視点・切り口を示してみせる、というのが狙いと言っていいだろう。著者のように、博覧強記で、かつ遊び心のある人にしか書けない読み物である。
目次
1.数の誕生―通貨・線刻・書字板
2.形のロジック―初期の幾何学
3.算術と記数法の歴史―十進記数法による筆算という大発明
4.未知数への目印―Xを追って代数学へ
5.不滅の三角形―三角法と対数の発明
6.解析幾何学の誕生―座標が幾何学と代数学をつないだ
7.数論のはじまり―整数の中に隠れたパターンを探れ!
8.微積分法―物理世界が従う文法の発見
9.微分方程式と自然法則―数理物理学の形成
10.虚の数―負の数は平方根をもつか?
11.解析学の土台―連続・極限・関数の明確な定義
12.不可能な三角形―ユークリッド幾何学を超えて
13.対称性の数理―解けない方程式の形は?
14.抽象代数学の発展―数の世界から代数構造へ
15.ゴムシートの幾何学―「かたち」の定性的理解へ
16.4次元の空間―幾何学と現実世界
17.論理のかたち―数学の基礎を求めて
18.どのくらい確かなの?―偶然性の合理的な扱い方
19.高速計算の時代―計算機の発展と計算数学
20.カオスと複雑系 ―不規則な現象にもパターンがある