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感覚統合とその実践

第2版

他編著:Anita C. Bundy
監訳:土田 玲子
監訳:小西 紀一

紙版

内容紹介

感覚統合に関する学術的な情報を集大成した本邦唯一の書。

感覚統合障害に関する理論研究や治療的介入の方法、評価と臨床的理由づけまでもが網羅。各章ともこの分野における著名な学者や実践家によって執筆されており、感覚統合障害の概念の創始者であるエアーズ博士亡き後の感覚統合理論の展開を踏まえ、その神経生理学的基礎から臨床的な応用まで、丁寧な解説が加えられている。
さらに、学校での治療的介入の生かし方や作業理論との関係、他の実践的理論や技法との関係など、米国における臨床実践が具体的に紹介。
子どもの臨床に携わるセラピストのみならず、子どもの発達に興味をもつすべての人に、感覚統合に関するバイブルとして手元に置いてもらいたい一冊。

目次

第1部 理論構成
 第1章 感覚統合:Ayresの理論の再考
  一人の事例
  感覚統合理論の紹介
  感覚統合理論
  感覚統合理論と実践の境界
  自己実現のらせん的過程
  心-脳-身体の過程
  感覚統合理論の発展:歴史と研究
  感覚統合理論の最新の見方
  感覚統合理論に基づいた治療的介入の効果
  治療に関する新しい見解
  すべてをまとめて:感覚統合理論の原理を取り込んだ治療モデルの提案
  まとめと結論
 第2章 感覚系の構造と機能
  目的と範囲
  参考資料について
  基礎的な構造と機能の概説
  体性感覚系
  前庭覚系
  聴覚系
  視覚系
  まとめと結論
  付録:感覚系の概略
 第3章 行為機能の障害
  目的と領域
  ケーススタディ
  関連する診断名と用語
  行為機能の障害がある子どもたちの発達とその特性
  感覚統合障害と行為機能検査
  行為機能と行為機能障害の神経解剖学的基盤
  運動と行為機能における感覚の役割
  介入プロセス
  まとめと結論
 第4章 感覚調整
  Michael
  用語
  調整
  感覚調整障害
  まとめと結論
 第5章 視空間能力
  目的と範囲
  視覚の二重神経処理過程
  空間における運動の視覚コントロール
  視空間能力と認知
  まとめと結論
 第6章 中枢性聴覚処理障害
  目的と範囲
  定義
  行動徴候
  発生率と成熟
  聴覚システム
  中枢性聴覚処理検査
  治療的介入
  まとめと結論
  付録:行動測定

第2部 評価と介入
 第7章 感覚統合障害の評価
  感覚統合と機能的評価
  感覚統合と行為機能検査
  評価の完了:SIPTの補足
  SIPTを用いない感覚統合障害の評価
  まとめと結論
  付録:神経運動技能の臨床観察,感覚処理評価,小学生のための触覚調査
 第8章 テストスコアと臨床観察の解釈:事例を通して
  目的と展望
  紹介と発達歴
  評価
  教室での観察
  結果の解釈
  結果の報告
  まとめと結論
 第9章 治療的介入の計画と実施のプロセス
  目的と範囲
  Kyle再考
  ゴールと行動目標の設定
  サービス提供タイプの決定
  治療的介入に用いるアイディアの準備について
  治療的介入の実施
  まとめと結論
 第10章 遊びの理論と感覚統合
  遊びの賛美
  目的と範囲
  遊び心を備えた介入としての遊びを定義する
  遊びを支援するための環境設定
  セラピーにおける遊びの潜在的可能性
  遊びに対する感覚統合の貢献
  感覚統合障害をもつ児の遊びの評価と遊びの障害に関する原理
  まとめと結論
 第11章 介入の編成:実践のアート
  目的と範囲
  最初のねらいの決定
  セラピストとクライエントの関係
  安全な環境を確立すること
  競争の導入
  役割を装うこと
  賞賛やフィードバック,指示の声かけ
  ほどよい挑戦を作り出すこと
  自由と構造のバランス
  内的欲求を見つけることに努めること
  変更もしくは中止すること:実践者が変化を望むとき
  クライエントが感覚統合障害を理解するための援助
  日常生活をより容易にすること
  介入の終了
  アーティストになること
  まとめと結論
 第12章 理論から作り出す直接的介入
  目的と範囲
  豊かな感覚を提供する活動
  感覚調整障害
  重力不安に対する治療的介入
  動きに対する回避反応への介入
  感覚識別の問題に対する介入
  姿勢を改善するための介入
  行為機能障害に対する介入
  自閉症児に対する介入
  安全で効果的な治療的介入を提供するための実践的考察
  感覚統合理論に基づいたプログラムの確立
  保険会社によるサービスの支払い
  生涯教育
  まとめと結論
  付録
 第13章 学校における感覚統合理論の使用:感覚統合とコンサルテーション
  目的と範囲
  教育との関連性の定義
  適切なサービス提供の決定
  学校におけるコンサルテーション
  コンサルテーションの段階
  コンサルテーションに必要な資質
  まとめと結論
  付録
 第14章 代替・補完的介入プログラム
  感覚防衛反応の治療に対するWilbargerのアプローチ
  センソリーダイエットの臨床的適用
  「あなたのエンジンの調子はどうですか?」:自己調整のための覚醒プログラム
  プール活動を基盤とした介入
  乗馬療法
  眼球運動コントロール:感覚統合の中核要素
  治療的リスニング:概観
  頭蓋仙骨セラピーおよび筋膜リリース
  治療的環境としての農場
  まとめと結論
 第15章 介入に向けた感覚統合とその他のアプローチの統合
  目的と範囲
  他の介入アプローチ
  包括的プラン:介入アプローチの統合
  まとめと結論

第3部 研究と作業
 第16章 感覚統合研究の進歩
  目的と範囲
  感覚統合の妥当性を検討する研究
  感覚統合障害を検討した研究
  感覚統合理論に基づく介入の評価に関する研究
  今後の研究の方向
  まとめと結論
 第17章 感覚統合と作業
  目的と範囲
  作業科学の概要
  作業の定義
  作業の多元性
  感覚統合と作業をつなぐ
  作業に携わることで,感覚統合に影響を及ぼすことができるのか?
  臨床実践との関連
  まとめと結論

 付録A 作業療法における臨床的理由づけ:感覚調整障害に対する介入のSTEP-SIモデル
 付録B 感覚統合と行為機能検査
 用語集

ISBN:9784763921147
出版社:協同医書出版社
判型:B5
ページ数:550ページ
定価:8500円(本体)
発行年月日:2006年06月
発売日:2006年06月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ