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Econofakes エコノフェイクス

著:フアン・トーレス=ロペス
訳:村松 花

紙版

内容紹介

経済学は、難解で抽象的な数式で提示されると、科学的で議論の余地のない真実のように見える。「科学」には普遍的な「法則」が必ず存在する。しかし、じつのところ、経済学の分野はそのような法則にもとづいたものではなく、ゆがんだイデオロギーによって導き出された「ウソ」で満ちあふれている。そして、これらの虚偽によって一部に権力や富が集中するシステムが正当化されているのに、私たちの多くはそのことに気づいていない。
応用経済学が専門の著者によって、本書では我々の生活と富の分配方法に大きな影響を及ぼしている経済に関する10のウソが解きあかされる。「資本主義とは自由市場と競争の経済」「社会の高齢化で年金制度は行きづまる」「雇用創出のために賃金を下げるのはやむをえない」など、社会システムの根本にまつわる「ウソ」について、経済の素人でもわかるように解説、最後には「ホント」が示される。世の中の常識と思われていることに疑問を持つことを教えてくれる一冊。

目次

はじめに
第 1 章 ヒト、食料、モノ……いっぱいあるのに足りない
第 2 章 経済学を「高尚な学問」にしたがる専門家たち
第 3 章 需要と供給の狂騒曲
第 4 章 世界のダイヤモンドの75%が一社に集中する不思議
第 5 章 生産性と報酬の不思議なワルツ
第 6 章 無から40ユーロを生み出す銀行
第 7 章 給与を下げれば企業の利益は増していくのか?
第 8 章 社会の高齢化と年金制度の関係
第 9 章 自由な貿易など存在しない。それは便利なフィクション
第 10 章 国は税金で無駄な公共支出を行うべきではない
結  論 経済学のウソにだまされつづけないために

著者略歴

著:フアン・トーレス=ロペス
1954年、スペインのグラナダ生まれ。セビリア大学応用経済学教授。数多くの科学書や実用書の著書があり、いくつかはベストセラーとなった。同大学ではさまざまな要職を歴任し、あらゆる種類の機関や社会的組織に協力している。「コミュニケーションの経済学」や「法の経済分析」などをテーマにした著作や現代の経済問題や近年の経済危機について扱った著作が注目されている。『Economíapara no dejarse engañar por los economistas(仮邦題:経済学者にだまされないための経済学)』(Deusto、2016年)など著書多数。
訳:村松 花
エウロペア・デ・マドリード大学大学院修士課程修了。駐日外国機関で貿易や文化関係の業務に数十年従事する傍ら、スペイン語圏諸国と日本の文化にかかわる記事を日本やスペイン語圏の書籍や雑誌に寄稿、およびスペイン語圏のスポーツや社会科学分野の書籍の翻訳を手がけている。

ISBN:9784763139962
出版社:サンマーク出版
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA