汲古選書 70
中国の「近代」を問う
歴史・記憶・アイデンティティ
著:孫 江
紙版
内容紹介
◎「満漢」「東西」「日中」をキーワードに、独自の視点から中国の「近代」を問い直す
目次
はじめに
第一章 太陽の記憶―――太陽三月一九日生誕説に関する知の考古学
甲申三月一九日/太陽生誕日をめぐる記憶の創出/太陽生誕説のテクスト化/記憶・忘却の再生産
第二章 連続と断絶―――二〇世紀初期中国の歴史教科書における黄帝叙述
問題の所在/歴史教科書における黄帝叙述/歴史教科書の中の黄帝の図像
第三章 肌色の差異化――ブルメンバッハの「五人種説」とその東アジアへの伝播
問題の所在/ブルメンバッハの「五人種説」と来華宣教師/明治日本における「五人種説」の伝播/
清末民国初期における「五人種説」の伝播
第四章 黄帝はバビロンより来たり――ラクーペリ「中国文明西来説」および東アジアへの伝播
「言語科学」から「歴史科学」へ――「中国文明西来説」について
オリエンタリズムと東洋学の間――明治日本における「西来説」の受容
アイデンティティと外来性の齟齬――清末中国における「西来説」の受容
第五章 中国という尺度――橘樸と魯迅の対話をめぐって
あの人は誰か/魯迅曰く/新思想と旧思想/橘樸の沈黙/その後
第六章 記憶の耐えられない重さ――陶保晋と彼の子孫にとっての南京
想起の空間/罪と罰/名と節/善と悪
あとがき/索引(人名・書名)