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学びを育む 教育の方法・技術とICT活用

教育工学と教育心理学のコラボレーション

編著:岩﨑 千晶
編著:田中 俊也
他著:山田 嘉徳

紙版

内容紹介

対話によって人は学び,知識が構成される。学びのメカニズムをふまえながら,いかに適切な教育方法を採用して授業設計するかについて解説。ICTを活用した個別最適な学び・協働的な学びへの道筋を探求する。教職課程コアカリキュラム「教育の方法及び技術」と「情報通信技術を活用した教育の理論及び方法」に対応。

【主な目次】
●第Ⅰ部  「学び」の諸原理
第1章 教育方法・技術論を学ぶ意義を考える [岩﨑千晶]
第2章 学びの形成における経験と知識の問題を考える [田中俊也]
第3章 学びの諸形態と学びの目標について考える [山田嘉徳]
第4章 動機づけと自己調整学習について考える [中谷素之]
第5章 批判的思考と学びの態度について考える [平山るみ]
●第Ⅱ部 さまざまな教育方法と技術
第6章 授業設計を考える [岩﨑千晶]
第7章 学習指導案の作成と学習指導の技術を考える [木村明憲]
第8章 インストラクショナルデザインを活用した指導案を作成する [根本淳子]
第9章 協働的な学びを考える [渡辺雄貴]
第10章 教育番組,映像コンテンツの活用を考える [宇治橋祐之]
第11章 タブレット端末の活用方法を考える [黒上晴夫]
第12章 デジタル教科書の活用を考える [中川一史]
第13章 遠隔・オンライン授業,教材作成を考える [今野貴之]
第14章 プログラミングを視座とする思考力の育成を考える [林 向達]
第15章 特別な支援を必要とする学習者へのICT活用を考える [植田詩織・岸磨貴子]
第16章 学習評価の原理・方法と技術を考える [山田剛史]
第17章 学習環境を考える [遠海友紀・久保田賢一]
第18章 授業研究を考える [小柳和喜雄]

目次

はじめに

第Ⅰ部  「学び」の諸原理

第1章 教育方法・技術論を学ぶ意義を考える [岩﨑千晶]
1 なぜ教育方法を学ぶ必要があるのか
2 社会の変容と求められる能力
3 学習指導要領とその改訂
4 個別最適な学び・協働的な学びの場づくり

第2章 学びの形成における経験と知識の問題を考える [田中俊也]
1 さまざまな経験と学び
2 経験の内的な変化:知の構成過程
3 知識の形成と学び
4 ICT活用と深い知識の獲得

第3章 学びの諸形態と学びの目標について考える [山田嘉徳]
1 学びの基本的構造
2 学びをとらえる社会・文化的視点
3 教育目標に向かう学びとその実現

第4章 動機づけと自己調整学習について考える [中谷素之]
1 学びと動機づけ
2 自分の学びを振り返る:メタ認知
3 自己調整学習:主体的学びの基本的原理
4 学習の共調整・社会的に共有された調整:学びの主体性を育む他者の役割

第5章 批判的思考と学びの態度について考える [平山るみ]
1 批判的思考
2 さまざまな思考のなかでの批判的思考
3 批判的思考と教育
4 メディアリテラシー
5 情報活用と情報モラル


第Ⅱ部 さまざまな教育方法と技術

第6章 授業設計を考える [岩﨑千晶]
1 授業設計
2 授業目標の設定
3 教育内容・方法のデザイン
4 評価方法のデザイン

第7章 学習指導案の作成と学習指導の技術を考える [木村明憲]
1 学習指導案とは
2 学校現場における学習指導の技術を高めるには
3 学習指導案と学習指導の技術
4 まとめ

第8章 インストラクショナルデザインを活用した指導案を作成する [根本淳子]
1 目標に向かった授業づくり
2 9教授事象を使ってデザインする
3 学習活動への動機づけ
4 よりよい授業をつくるための視点づくり

第9章 協働的な学びを考える [渡辺雄貴]
1 時代背景と学習指導要領での位置づけ
2 個別最適な学びと協働的な学び
3 協働学習の学術的・心理学的な位置づけと意味合い
4 協働学習の技法
5 協働学習の授業方略
6 ICTを活用した協働学習

第10章 教育番組,映像コンテンツの活用を考える [宇治橋祐之]
1 教育番組,映像コンテンツ活用の背景
2 教育番組,映像コンテンツの特性
3 教育番組,映像コンテンツを活用した授業設計
4 教育番組,映像コンテンツを活用した授業実践例や配慮すべき点

第11章 タブレット端末の活用方法を考える [黒上晴夫]
1 コンピュータ導入に関する小史
2 コンピュータの整備
3 1人1台端末の活用
4 まとめ

第12章 デジタル教科書の活用を考える [中川一史]
1 児童生徒1人1台端末時代への突入
2 デジタル教科書の学習効果
3 デジタル教科書の7つのアクセスのしやすさ
4 子ども主体の学びとデジタル教科書
5 デジタル教科書の課題

第13章 遠隔・オンライン授業,教材作成を考える [今野貴之]
1 遠隔・オンライン授業の形式と特徴
2 教材作成と留意点
3 個別最適な学びと協働的な学びとの関連

第14章 プログラミングを視座とする思考力の育成を考える [林 向達]
1 コンピュータとプログラミング
2 プログラミングを視座とする思考の育成
3 プログラミングの学習
4 学習指導要領とプログラミング

第15章 特別な支援を必要とする学習者へのICT活用を考える [植田詩織・岸磨貴子]
1 特別支援学校(肢体不自由)の実態とICT活用
2 特別支援学校(肢体不自由)におけるICT活用の事例
3 学習者に応じた道具の選択,活用,工夫
4 特別支援学校における個別最適化した学びの事例
5 特別支援教育における表現活動の広がりとICT
6 特別支援学校におけるICT活用を考える理論的枠組み
7 特別支援学校におけるICT活用と展望

第16章 学習評価の原理・方法と技術を考える [山田剛史]
1 学習評価の基本
2 学習評価の構成要素
3 学習評価の方法
4 ICTを活用した教学マネジメント

第17章 学習環境を考える [遠海友紀・久保田賢一]
1 学習環境とは
2 教室における学習環境
3 教室におけるICT整備
4 図書館,ラーニング・コモンズにおける学習環境
5 外部人材活用の背景
6 外部人材とは
7 ICT支援員との協働
8 大学や専門家との連携
9 チームとしての学校

第18章 授業研究を考える [小柳和喜雄]
1 授業研究とは
2 授業研究におけるICTの活用の意義
3 ICTを効果的に活用した学習指導に向けた授業研究
4 ICTを効果的に活用した公務の推進に向けての授業研究

あとがき
参考文献

著者略歴

編著:岩﨑 千晶
岩﨑 千晶(いわさき・ちあき)
関西大学教育推進部教授,博士(情報学)。
専門は教育工学,大学教育。高等教育をフィールドとした「学び」を育む学習環境のデザインを専門に研究している。ICTを活用した授業設計からライティングセンターやティーチングアシスタントやラーニングアシスタントといった学生スタッフによる学習支援まで関心をもって研究に取り組んでいる。
[略歴]
関西大学大学院総合情報学研究科博士課程後期課程修了,京都外国語大学研究員を経て,2010年より関西大学。助教・准教授を経て2022年教授。日本教育工学会,教育メディア学会,大学教育学会理事。
[代表的な論文・著書]
・『大学生の学びを育む学習環境のデザイン:新しいパラダイムが拓くアクティブ・ラーニングへの挑戦』(編著)(関西大学出版部,2014年)
・『大学におけるライティング支援:どのように〈書く力〉を伸ばすか』(共著)(東信堂,2019年)
・『教育工学選書Ⅱ 教育工学における大学教育研究』(共著)(ミネルヴァ書房,2020年)…
編著:田中 俊也
田中 俊也(たなか・としや)
関西大学名誉教授,博士(心理学)。
専門は教育心理学・認知(思考)心理学。子どもから大人・科学者の思考過程に関心をもち,「学び」の過程を心理学・科学哲学の観点から研究している。問題解決過程の微視的な構造(思考過程と情報探索活動についての眼球運動や頭部運動を指標とした発達的研究)から,科学的思考についての社会・文化的研究にまで幅広く関心をもっている。その必然として教えること・学ぶことについての関連,特に大学でのその関連についてみずからのゼミ活動での実践を通じて明らかにしてきた。
[略歴]
名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程修了,名古屋市立保育短期大学(現・名古屋市立大学)勤務後1989年より関西大学。講師・助教授・教授を経て2020年名誉教授。その間,アメリカ・ピッツバーグのカーネギーメロン大学で1年間の客員研究員。関西大学では大学院心理学研究科初代研究科長,教育開発支援センター長などを務めた。
[代表的な論文・著書]
・『思考の発達についての総合的研究』(単著)(関西大学出…
他著:山田 嘉徳
山田 嘉徳(やまだ・よしのり)
関西大学教育推進部准教授,博士(心理学)。専門は教育心理学で,協同的な学びのプロセスやその仕組み(メカニズム)に関心をもち,主に大学教育を対象とする学習研究に取り組んでいる。『大学卒業研究ゼミの質的研究:先輩・後輩関係がつくる学びの文化への状況的学習論からのアプローチ』(単著)(ナカニシヤ出版,2019年)

ISBN:9784762832420
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2024年01月
発売日:2023年12月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN