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障害から始まるイノベーション

ニーズをシーズにとらえ直す障害学入門

編著:田中 真理
編著:横田 晋務

紙版

内容紹介

障害を個人モデルではなく社会モデルから捉え直したとき,誰にとっても便利な技術を生み出すシーズになる。アクセシビリティを高める支援技術を解説し,福祉社会学や工学など様々な専門分野からみたユニバーサルデザインの研究知見を紹介。D&Iを社会的課題にとどめず,イノベーションにつなげる実践のヒントを提供する。

目次

まえがき

Ⅰ 障害の社会モデル

1 「障害」とは何か
(1)個人モデルと社会モデル
(2)「障害」と環境
(3)Nothing about us without us !
(4)インクルーシブキャンパス
(5)「障害」は多くの人のニーズを先取りする

Ⅱ 社会的バリア

2 視覚障害からみた社会的バリア
(1)障害の概要・機能障害
(2)視覚障害者の日常生活上のバリア
(3)視覚障害者の修学・就労上のバリア
(4)視覚障害特性の理解のために
▶Column 1:ICT は「I Cannot Touch」なり!?

3 肢体不自由からみた社会的バリア
(1)障害の概要・機能障害
(2)社会的バリアについて
▶Column 2:ひとつの壁を壊すには?

4 内部障害・病弱虚弱(難病,高次脳機能障害)からみた社会的バリア
(1)障害の概要・機能障害
(2)社会的バリアについて
▶Column 3:腎移植から得たさまざまな想い

5 聴覚障害からみた社会的バリア
(1)聴覚障害の概要
(2)聴覚障害当事者が直面する社会的バリアについて
(3)おわりに
▶Column 4:「聞きたい」「知りたい」のスタートは対話から

6 発達障害からみた社会的バリア
(1)障害の概要・機能障害
(2)社会的バリアについて
▶Column 5:わかろうとすること

7 精神障害からみた社会的バリア
(1)精神疾患(精神障害)の概要と機能障害
(2)社会的バリアについて
▶Column 6:うつ病を体験した精神科医が感じたこと

Ⅲ アクセシビリティ向上のための支援技術

8 遠隔情報保障と情報アクセシビリティ
(1)聴覚障害者と遠隔情報保障
(2)遠隔情報保障の実際
(3)遠隔情報保障の今後について
(4)おわりに

9 色彩変換技術と色覚多様性アクセシビリティ
(1)色とは何でしょうか
(2)色覚の多様性
(3)色覚多様性アクセシビリティ
(4)色覚多様性を包摂する社会へ

10 ICT とアクセシビリティ
(1)ICT の進化
(2)社会・身体性の変化とアクセシビリティ
(3)ICTの活動領域
(4)デジタルアクセシビリティの展開
(5)まとめ

11 AI・IoT 技術とアクセシビリティ
(1)対象となる障害種や困難さについて
(2)支援技術の概要
(3)当該支援技術の今後の発展について

12 グラフィックデザインとサインアクセシビリティ
(1)対象となる障害種や困難さ――知的障害および自閉スペクトラム症
(2)支援技術の概要
(3)今後の展開について

13 デジタル情報システムとアクセシビリティ
(1)視覚障害とディスレクシア
(2)対象となる人たちの人数
(3)視覚障害者を支援する技術
(4)発達障害による読字障害者(ディスレクシア)
(5)ディスレクシアのための支援機器

Ⅳ 専門分野からみたユニバーサルデザインと学際知

14 福祉社会学からみたユニバーサルデザイン
(1)福祉社会学の概要
(2)ユニバーサルデザインとの関連や取り組み
(3)今後の発展性について

15 工学からみたユニバーサルデザイン
(1)より良い公共空間の探求
(2)ユニバーサルデザインとの関連や取り組み
(3)今後の発展性

16 法学からみたユニバーサルデザイン
(1)法と法学について
(2)ユニバーサルデザインと法
(3)ユニバーサルデザインと自由

17 人類学からみたユニバーサルデザイン
(1)文化人類学の目標と方法
(2)参与観察とエスノグラフィー
(3)文化人類学とデザインの邂逅
(4)授業「ユニバーサルデザイン研究」
(5)「ユニバーサル」なものとのつきあい方
(6)おわりに

18 大学組織からみたユニバーサルデザイン
(1)大学組織を分析する試み
(2)大学とユニバーサル――万人って誰だ
(3)大学組織のバリア
(4)大学組織の癖と課題解決の処方箋
(5)どんなアプローチをとるか

19 アートからみたユニバーサルデザイン
(1)アートの場のユニバーサルデザイン
(2)障害のある人の表現活動の現在
(3)障害のある人の表現活動を考える多様な「ものさし」
(4)エンパワメントと意識の改革に向けて

20 インクルーシブな社会のデザイン
(1)心理的バリアの解消
(2)共感を生み出す方法
(3)ユニークな包摂的取り組み
(4)おわりに

21 情報科学からみたユニバーサルデザイン
(1)情報端末の教育・学習支援への活用
(2)ユニバーサルデザインとの関連や取り組み
(3)今後の発展性について

22 芸術工学からみたユニバーサルデザイン
(1)芸術工学について
(2)ユニバーサルデザインの位置づけおよびプロセス
(3)芸術工学からみたユニバーサルデザインの課題と今後の発展

あとがき
引用文献・参考文献
索 引

ISBN:9784762832239
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:4Z-JP-E