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多職種連携を支える「発達障害」理解

ASD・ADHDの今を知る旅

編著:土居 裕和
編著:金井 智恵子
他著:正高 信男

紙版

内容紹介

自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症を中心に,様々な分野での発達障害支援の現在を俯瞰して学べる書。臨床・支援・研究分野で活躍する執筆陣が,基礎から最新情報までをイラスト付で平易に解説する。各章に練習問題やグループワークを配し,コラムでは執筆者の体験談や当事者の声も紹介。初学者や分野間連携を志す人に。

目次

第1部 ASD・ADHD 臨床の基礎知識

第1章 発達障害とは                 
  
 1.はじめに
 (1)発達障害を学ぶ前に /(2)発達障害の子どもは普通になるのだろうか?
 2.おもな発達障害
 (1) 自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD) /(2) 注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:ADHD) /(3)その他の発達障害
 3.発達障害の特徴
 (1)発達障害の原因 /(2)発達障害は重なり合う /(3)発達障害児・者の認知特性
 まとめ
 グループワーク
 コラム1  保護者支援

第2章 ASD・ADHD の心理アセスメント: 行動と認知プロファイル
 1.はじめに
 2.ASD のアセスメント
 (1)ASD のスクリーニング検査 /(2)ASD の診断・評価のアセスメント
 3.ADHD のアセスメント
 (1)ADHD のスクリーニング検査 /(2)ADHD の診断・評価のアセスメント
 4.支援に役立つ他のアセスメント・ツール
 まとめ
 練習問題
 コラム2  発達障害の人を理解しよう その①


第2部 ASD・ADHD 支援の基礎知識

第3章 幼児期のASD・ADHD 児の保育支援        
 1.はじめに
 2.幼児期における特別支援教育とは
 3.幼児期における保育支援の形態の変遷
 (1)ノーマライゼーションと統合保育 /(2)統合保育の課題とむずかしさ /(3)インクルーシブ保育
 4.幼児期における保育支援の方法
 (1)支援方法の基本的な考え方 /(2)具体的な保育法の考え方 /(3)具体的エピソードを通した保育支援方法の考察
 5.幼児期における保育支援と関係機関との連携
 (1)関係機関との連携の基本的な考え方 /(2)園内での連携を生かした保育支援 / (3)個別の支援指導計画
 まとめ
 グループワーク
 コラム3  連携しているつもりの落とし穴

第4章 学齢期のASD・ADHD 児の教育支援        
 1.はじめに
 2.学齢期のASD・ADHD 児の教育支援に関連する法制度
 (1)障害者の権利に関する条約 /(2)発達障害者支援法(平成16年制定,平成28年最終改正) /(3)特別支援教育制度(平成19年~)
 3.教育課程の編成と個別の指導計画
 (1)通常学級+通級による指導の教育課程と個別の指導計画 /(2)特別支援学級に在籍するASD・ADHD 児の教育支援 /(3)知的障害特別支援学校に在籍するASD・ADHD 児の教育支援
 4.ASD・ADHD 児が在籍する学級経営,学級全体へのアプローチ 
 まとめ
 グループワーク
 コラム4  感覚過敏(偏食)への対応

第5章 ASD・ADHD 児の特別支援教育における“医教”連携
 1.はじめに
 2.多職種連携の必要性
 (1)発達障害児のライフステージにおけるさまざまな連携 /(2)教育側から見た連携/(3)医療の側から見た連携
 3.相互の知識・情報を修得する必要性
 4.学校への巡回相談を通した関わり
 (1)巡回相談とは /(2)筆者が行ってきた巡回相談 /(3)医療従事者が巡回相談を行うこと
 5.外部専門家活用事業
 6.長崎大学子どもの心の医療・教育センターについて
 (1)設置の目的と職員について /(2)子どもの心の医療・教育センターの取り組み/(3)これまでの取り組みから
 まとめ
 グループワーク
 コラム5  巡回相談における親御さんの受け入れがむずかしかった一事例

第6章 成人期ASD・ADHD 者の就労・職場適応支援    
 1.はじめに
 2.成人期のASD・ADHD の特徴
 (1)ASD /(2)ADHD /(3)ASDとADHDの併存
 3.成人期ASD・ADHD 者の就労・職場適応支援
 (1)概要 /(2)ASD /(3)ADHD /(4)発達障害の就労に関する公的支援
 4.成人期ASD・ADHD 者に対するデイケア・ショートケアプログラム
 まとめ
 グループワーク
 コラム6  成人期発達診療の現状と課題

第3部 ASD・ADHD 研究の拡がり

序説 脳科学の基礎                 
 1.はじめに
 2.神経系の構造
 3.神経系の機能
 4.脳の機能局在
 5.脳の解剖学的構造
 6.薬剤の作用

第7章 ASD・ADHD の脳科学:脳の特徴          
 1.はじめに
 2.ASD の脳の特徴
 (1)メタ解析の結果 /(2)ASD における脳形態の非定型性の発達過程 /(3)ASDにおける脳形態の非定型性の成因 /(4)ASDにおける対人相互反応の障害とオキシトシン /(5)脳画像解析のASD 臨床への応用
 3.ADHD の脳の特徴
 (1)ADHD の脳形態の特徴 /(2)ADHD の脳機能の特徴
 まとめ
 練習問題
 コラム7  発達障害の人を理解しよう その②

第8章 ASD・ADHD の薬物治療の現状           
 1.はじめに
 2.治療薬が承認されるまで
 3.ADHD の薬物治療
 (1)リタリン®︎,コンサータ®〔メチルフェニデート徐放剤〕 /(2)アトモキセチン,ストラテラ® /(3)インチュニブ® /(4)ビバンセ®
 4.ASD の薬物治療の現状と展望
 (1)社会的行動・認知とオキシトシンの効果検証 /(2)易刺激性への薬物治療の試み
 5.薬物治療の問題点,その他の療法
 (1)薬物治療の問題点 /(2)薬物療法を補完する療法
 まとめ
 練習問題
 コラム8  発達障害の人を理解しよう その③

第9章 ICTによるASD・ADHD支援
 1.はじめに
 2.ASD・ADHDリスク評価・予測のためのツール
 (1)バイオマーカー /(2)デジタル・フェノタイピング
 3.ICT を用いたASD・ADHD への療育的介入
 (1)ASD・ADHD 向けの教材・生活支援 /(2)ニューロフィードバック・トレーニング
 まとめ
 練習問題
 コラム9  発達障害のニセ科学

文献
練習問題の解答とグループワークの考えるヒント

著者略歴

編著:土居 裕和
2004年 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 博士前期課程修了
現 在 国士舘大学理工学部人間情報学系 准教授(学術博士)
【主著・論文】
“Social Scaffolding of Vocal and Language Development” The Origins of Language Revisited: Differentiation from Music and the Emergence of Neurodiversity and Autism(pp.115-137.) Springer 2020年
“Unconscious Presentation of Fearful Face Modulates Electrophysiological Responses to Emotional Prosody” Cerebral Cortex, 25(3), 817-832. 2015年
“Recognition of Facial Expressions and Prosodic Cues with Gra…
編著:金井 智恵子
2010年 東京医科歯科大学大学院医歯学研究科心身医療学専攻 博士課程修了
現 在 和洋女子大学人文学部 准教授(医学博士)
【主著・論文】
Handbook of Social Behavior and Skills in Children.(pp.217-248.)(共著)Springer 2017年
Handbook of Assessment and Diagnosis of ASD.(pp.379-402.)(共著)Springer 2016年
“Fourth finger dependence of high-functioning autism spectrum disorder in multi-digit force coordination”(共著)Scientific Reports, 11(9), 1737. 2019年
“Cognitive profiles of adults with high-functioning autism spectrum disorder and thos…

ISBN:9784762831508
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS