医療関係者のための脳機能研究入門
神経心理学と脳賦活化実験
編著:佐藤 正之
編著:田部井 賢一
内容紹介
脳科学の実験において脳賦活化を扱う場合,それは症例の特徴的な症状を知り,
脳内機序を明らかにするために行われるべきである。任意課題の施行時に活動す
る脳部位を同定し,得られた結果と臨床症候をどのように統合して解釈すればよ
いのか。実験の概略と計画のノウハウを初学者に向けて解説。症例報告の仕方に
ついても整理。
【主な目次】
第1章 研究のバックグラウンド
第2章 認知機能の基本的な枠組み
第3章 症例研究
第4章 症例研究が示すもの
第5章 症例報告の仕方
第6章 群研究
第7章 脳賦活化実験
第8章 症例研究に脳賦活化実験を活かす
第9章 実際例
第10章 症例研究と脳賦活化実験のあるべき姿とは?
目次
はじめに
第1章 研究のバックグラウンド
第1節 エビデンスとは?
第2節 仮説の立て方
第3節 EBMの4段階
1.Step 1:疑問点の抽出
2.Step 2:信頼性の高い結果を示す文献の検索
3.Step 3:検索して得られた情報の批判的吟味
4.Step 4:患者への適用
5.Step 5:事後評価
第4節 実験パラダイムの組み立て方
■第1章のまとめ
第2章 認知機能の基本的な枠組み
第1節 デカルトの分割の規則
第2節 認知ピラミッド
第3節 現時点での知覚から概念形成に至るモデル
第4節 ゲシュタルト
■第2章のまとめ
第3章 症例研究
第1節 失語症
1.全体論から局在論へ:ガルによる骨相学
2.ブローカによる失語症の報告
3.ウェルニッケによる感覚性失語の報告
4.失語症の古典図式
5.読み書きの脳内機構
6.漢字・仮名問題
第2節 失行
1.定義
2.失行の脳内機構と分類
3.失行症における問題点
第3節 失認
1.定義
2.歴史
3.呼称の脳内過程と失認の分類
4.視覚と聴覚認知における2つの経路
5.視覚失認
6.純粋失読
第4節 健忘症
1.HM
2.NA
3.記憶の脳内メカニズム
4.記憶の分類
第5節 前頭葉機能障害
1.フィネアス・ゲージの物語
2.前頭葉の機能解剖
第6節 構成障害
第7節 半側空間無視
1.半側空間無視の定義と症状
2.半側空間無視の検査
■第3章のまとめ
第4章 症例研究が示すもの
第1節 局在
第2節 箱と矢印のモデルと二重解離の法則
第3節 純粋例の重要性
第4節 見えない病巣を同定する
第5節 症例研究の重要性と限界
■第4章のまとめ
第5章 症例報告の仕方
第1節 症例報告の基本
第2節 症例報告の実際
■第5章のまとめ
第6章 群研究
第1節 群研究とは
第2節 群研究を行う上で留意すべき点
■第6章のまとめ
第7章 脳賦活化実験
第1節 初心者が陥りがちな失敗
第2節 原理と方法論
第3節 各画像解析の方法と結果の解釈,特徴と限界
1.VBM
2.DTI
3.fMRI
4.fMRIの実験デザインと解析法
5.fMRIの解析での留意点
6.rs-fMRI
第4節 解析ソフトの種類と特徴
第5節 脳画像研究の結果が示すもの
■第7章のまとめ
第8章 症例研究に脳賦活化実験を活かす
第1節 症例の観察
第2節 覚醒と注意
第3節 認知機能の枠組み
第4節 脳賦活化実験で何を明らかにしようとするのか?
第5節 脳賦活化実験の実験計画
1.脳賦活化実験の対象とする症候の選択
2.課題と対照の選択
3.被検者の設定
4.実験パラダイムの設定
5.解析条件の設定
第6節 脳賦活化実験の結果を確からしくするもの
■第8章のまとめ
第9章 実際例
実例1
実例2
実例3
実例4
■第9章のまとめ
第10章 症例研究と脳賦活化実験のあるべき姿とは?
第1節 症例研究
1.観察の重要性
2.症状を要素に分解し,システムで捉える
3.画像解析ソフトの開発
第2節 脳賦活化実験
1.機器の特徴と限界を知る
2.パフォーマンスがあっての脳画像
■第10章のまとめ
文献
索引
あとがき
ISBN:9784762831218
。出版社:北大路書房
。判型:A5
。ページ数:168ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2020年09月
。発売日:2020年09月09日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ。