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紛争と平和構築の社会心理学

集団間の葛藤とその解決

著:バル・タル・ダニエル
監・訳:熊谷 智博
監・訳:大渕 憲一

紙版

内容紹介

実験・実習・観察・その他実践的体験を盛り込んだ,いわば立体的な授業形態にすこしでも近い形で授業を行うために図と表をふんだんに使い,視覚的情報の質を高め,学生の知識と理解に親しみと確実さを加えることをねらう書。

目次

日本語版への序
原著編者まえがき
原著編者紹介
原著執筆者一覧


序 章 葛藤・紛争と社会心理学
 マクロ・レベルの紛争
 社会心理学的展望
 社会心理学における紛争研究
 破壊的紛争
 概念的枠組み
 平和構築への道
 本書では

第1章 豚,スリングショット,およびその他の集団間紛争の基盤
 個人という焦点
 集団ダイナミックスへの焦点
 集団間関係
 文化:紛争のるつぼ
 結論

第2章 紛争の知覚
 知覚の重要性
 敵イメージと自己イメージの形成
 矛盾情報に対するイメージの抵抗
 結論

第3章 集団間紛争における感情と感情制御
     ――評価基盤フレームワーク
 基本的概念とその定義
 集団間紛争における感情と感情制御:「評価基盤
 フレームワーク」
 紛争の異なる段階でのモデルの適用
 今後の研究の方向性

第4章 紛争の集合的記憶
 集合的記憶の定義
 集合的記憶の構築
 集合的記憶の維持と再活性化における要因
 戦争の集合的記憶とアイデンティティおよび紛争と
 の関係
 過去の紛争に関する表象と現在の集団間関係の改善
 結論

第5章 アイデンティティと紛争
 集団同一化の理論
 アイデンティティ脅威と集団間紛争
 解決困難な紛争における集合的アイデンティティの
 役割
 紛争鎮静化におけるアイデンティティの役割
 アイデンティティと紛争:要約

第6章 イデオロギー葛藤と極化
     ――社会心理学の視点から
 どんな意味で人は「イデオロギー的」か
 イデオロギーの極化:神話か現実か
 イデオロギーの極化の程度を調整する社会心理学的
 変数は何か
 結論:イデオロギー葛藤は望ましいのか,望ましく
 ないのか

第7章 政治的暴力,集団間紛争,民族カテゴリー
 政治的暴力と民族紛争:最新の知見と新たな疑問
 政治的暴力と「民族的内集団」の変質
 政治的暴力と集団的記憶の構築
 結論
 謝辞

第8章 テロリストの心理
     ――個人,集団,組織レベルの分析
 個人レベルの分析
 集団レベルの分析
 組織レベルの分析
 テロ対策
 結論

第9章 紛争解決における社会心理的障碍
 紛争解決における社会心理的障碍:従来のアプローチ
 統合的アプローチ
 内容に基づく障碍の帰結
 結論

第10章 紛争解決に対する社会心理学的アプローチ
 紛争解決:概念的意味
 紛争状況の認知的解釈
 感情と紛争状況の認知的解釈
 自己関与
 紛争解決とパーソナリティ
 集団プロセス
 集団間紛争の解決:主要因子の概観

第11章 集団間紛争における交渉と調停
 集団間交渉と個人間交渉
 仲介者
 なぜ集団は交渉を開始し継続するのか
 交渉の前段階と後段階
 裏ルート・コミュニケーション
 公式外交の代替手段:トラック2,トラック1.5,
 その他の革新的手法
 調停
 結論

第12章 和解をめぐる主要論点
     ――紛争解決とパワー力動に関する伝統的仮定への挑戦
 序
 紛争処理の3種のプロセス:鎮静化,解決,和解
 紛争の鎮静化
 紛争解決活動
 和解
 パワー非対称性と和解
 歴史的責任
 和解における他の重要事項
 要約

第13章 平和構築――社会心理学的アプローチ
 序
 エリート・レベルにおける積極的和平の触媒
 積極的和平のための草の根レベルの触媒
 考察

終 章 クローゼットを開けるために
 紛争の知識
 紛争研究と社会心理学
 紛争研究の限界


人名索引
事項索引
監訳者あとがき

ISBN:9784762827877
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:392ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2012年10月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB