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現代の認知心理学 2

記憶と日常

監:日本認知心理学会
編:太田 信夫
編:厳島 行雄

紙版

内容紹介

認知心理学の核をなすような形で発展してきた記憶研究の到達点を概観し,今後の方向性を展望する。ワーキングメモリ,長期記憶,意識,記憶の脳内メカニズム,記憶の生涯発達などの重要テーマを網羅する一方で,今後さらなる解明が期待される日常場面や臨床場面における記憶のはたらきについて詳細に論じる。

目次

『現代の認知心理学』刊行にあたって
まえがき

第1部 基礎と理論

第1章 記憶研究の歴史と現状
 1節 はじめに
 2節 科学的研究のはじまり
 3節 認知心理学の誕生と発展
 4節 今日の研究状況
 文献

第2章 ワーキングメモリ
 1節 はじめに
 2節 ワーキングメモリの成立
 3節 ワーキングメモリの個人差
 4節 ワーキングメモリの脳内機構
 5節 ワーキングメモリの個人差とその脳内機構
 文献

第3章 長期記憶Ⅰ―エピソード記憶と展望記憶―
 1節 はじめに
 2節 エピソード記憶
 3節 展望記憶
 文献

第4章 長期記憶Ⅱ―知識としての記憶―
 1節 はじめに
 2節 知識の記憶研究の概観
 3節 知識の記憶に関する最近の研究動向
 4節 おわりに
 文献

第5章 記憶と意識
 1節 はじめに
 2節 潜在記憶
 3節 想起意識と処理の二重性
 4節 記憶の再体験と想起意識
 5節 まとめ
 文献

第6章 記憶の脳内メカニズム
 1節 はじめに
 2節 シナプス可塑性
 3節 記憶に関わる脳領域
 4節 まとめ
 文献

第7章 記憶の数理モデル
 1節 はじめに
 2節 時系列規則の記憶――潜在学習
 3節 エピソード記憶
 4節 意味的知識の記憶
 5節 記憶の再生と再認のモデル
 参考 ニューロン特性と学習アルゴリズム
 文献


第2部 展開と実践

第8章 自己と記憶
 1節 はじめに
 2節 実験室的な記憶・学習課題と自己
 3節 自伝的記憶
 4節 自己・他者・私たちと記憶
 5節 研究を展開するうえでの留意点
 文献

第9章 日常記憶
 1節 はじめに
 2節 実験室的研究と日常記憶研究
 3節 日常記憶研究をめぐるトピックス
 4節 日常記憶研究の課題と今後の方向性
 文献

第10章 記憶の変容
 1節 はじめに
 2節 出来事の記憶は言葉で変わる
 3節 記憶は他者からの情報で変わる――記憶への社会的影響
 4節 まとめ
 文献

第11章 記憶の生涯発達
 1節 はじめに
 2節 記憶の生涯発達に関する研究動向と視点
 3節 年齢区分別に見た記憶機能の特徴
 4節 今後の研究課題
 文献

第12章 臨床と記憶
 1節 はじめに
 2節 臨床的問題における記憶を論じる前提
 3節 トラウマの記憶
 4節 強迫性障害(確認症状)と記憶
 5節 統合失調症と記憶
 6節 解離性同一性障害と記憶
 7節 うつ病と自伝的記憶の抽象性
 8節 記憶の制御と臨床的問題
 9節 治療過程における記憶の問題
 10節 まとめ――各障害の特徴が記憶にも現れる
 文献

ISBN:9784762827570
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:352ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2011年06月
発売日:2011年06月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JMA