心理学ジュニアライブラリ 2
読む心・書く心
文章の心理学入門
著:秋田 喜代美
内容紹介
読むとはこと。書くとはこと。
認知心理学の知見を解きほぐして、文章と心の関係に迫る。
題名をみて「国語の参考書か入試攻略本かな」と思う人がいるかもしれない。本書は,文章を読んだり書いたりする時に,頭の中で何がおこっているのか,読む・書く時の心のしくみについて知ってもらうための本である。この本を読むことで読む時書く時に,自分の心を見つめるまなざしが変わってくるはずだ。
目次
序章 読者のみなさんに伝えたいこと
「読むこと」「書くこと」のしくみを理解し読み書きの楽しさを知ろう
・今からでも遅くない読解力と作文力アップ
・しくみをわかる
・心の中に辞書がある
・読むことは対面交通
・この本の構成
1章 読むことはつなぐこと
1 文から文章へとつなぐ
・分けるとつなぐ
・読みは組み立て作業か?
2 文を読むためのルール
・知識が決め手
・読んだことを活用する
・推測のルールみつけ
・ルールで学ぶ単語と漢字
3 文をつなぐ推論をしよう
・さまざまな橋渡し
・つなぐことのむずかしさ
4 埋め込まれた手がかりに注意しよう
・シグナルとしての接続詞
・挿し絵や図のはたらき
5 文章構造の知識を使う
・予想を導く
・まとまりを与える
6 読むことのコツ
・読みの方略
・要約の作り方
2章 理解を確かめる
1 自分の理解を評価する
・理解をチェック
・評価の観点
・わかったつもりが邪魔をする
2 批判的読みをマスターする
・疑う者は救われる
・批判的読みを助けるモデル
・別の視点がないかを考えよう
・手がかりの言葉に目をつける
・多様な解釈にも正誤がある
3章 書くことは気づくこと
1 作文の過程とは
・書くという問題解決
・書く過程を解剖する
・行ったり来たりの過程
2 プラニングのコツ
・プラニングのスタイル
・書き出しで悩まない
・道具の活用
・具体的な表現選び
3 推敲は診断
・推敲の達人
・ズレを感じたら原因を診断しよう
・人にうまく頼る
終章 「読み方上手」「書き方上手」になろう
・この本を読み終えるにあたって
・「苦手よ,さらば」
・3つの「変える」