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誰も教えてくれなかった因子分析

数式が絶対に出てこない因子分析入門

著:松尾 太加志
著:中村 知靖

紙版

内容紹介

心理学の研究でもよく使われている因子分析に関する初心者向けの入門書。ただし,数式を用いての説明は一切せずに因子分析の結果の見方や統計パッケージを利用した因子分析のやり方を説明する。これまでの類書で満たされなかった不完全な知識の補填を図り,「わかった!」という感覚を読者にもっていただくことを目指す。

目次

0章 はじめに
  みんな因子分析をわかりたい
  専門家だけで書いたのではわからない
  身近に尋ねる人がいますか?
  わかりやすさを優先させた本を書きたい
  本書の構成

1章 因子分析の結果を見る
 1.1 わからなくてもよいもの
  因子分析の手法はわからなくてよい
  なぜわからなくてよいのか
  因子分析の手法は適当に決めている
 1.2 わからないといけないもの
  因子の名称は独断で
  因子と質問項目との関係(因子負荷)
  質問項目の取捨選択
  因子分析のモデル
  因子負荷のプロット
 1.3 わかったほうがよいもの
  うまく共通因子が見つかったか(因子寄与と共通性)
  因子寄与,因子寄与率,累積寄与率
  共通性
  因子寄与,共通性,独自性
  各因子の尺度ごとの点数
  単純な合計
  因子得点
  クローンバックのα係数
 1.4 因子分析の結果を疑ってみよう
  因子の名称はそれでいいのか?
  質問項目に偏りがないか?
  質問項目が妥当なのか?
  分析手法が正しいのか?

2章 因子分析を自分でする
 2.1 どのような調査データが因子分析できるのか?
  数量的に表現されていること
  相関があるなら,直線的であること
  どの項目もある共通のテーマについて観測されたデータであること
  質問項目はどの程度ないといけないのか?
  質問紙の作成は,データ解釈,データ入力をしやすいように
  回答者の人数は
  データ入力
 2.2 因子分析の手順
  因子分析の計算の流れ
  作業手順の流れ
 2.3 まず,計算(初期解の計算)
  どの質問項目を分析するか-手順①
  初期解の計算方法(因子抽出法)を指定する-手順②
  とりあえず,計算を
  計算がうまくいかないとは?
  繰り返し回数(収束反復回数)の設定
  因子の数を決定しよう
  固有値で決める
  スクリープロット基準
  因子数を強制的に決める
 2.4 解釈に合わせる(因子軸の回転)
  初期解では解釈のしようがない
  初期解のプロット図を回転させてみる
  因子軸は勝手に引けばよい
  コンピュータに回転させる(バリマックス回転の例)-手順③
  因子名を決める(因子の解釈)-手順④
  解釈可能性の検討
 2.5 軸を別々に回転させる(斜交回転)
  プロマックス回転~斜交回転の例~-手順③’
  因子の解釈-手順④'
  因子パターンと因子構造
  因子負荷と相関係数の違い
  因子間の相関
  回転の2つの種類(直交回転と斜交回転)
  項目の取捨選択
  敬遠されてきた斜交回転
  斜交回転は怖くない
  やるんだったら,斜交回転
 2.6 因子寄与,因子寄与率,共通性,独自性
  因子寄与と因子寄与率
  直交回転の場合
  斜交回転の場合
  もう1つの因子寄与
  他の因子の影響を無視した因子寄与と他の因子の影響を除去した因子寄与
  共通性は1つだけ
  共通性推定の問題と因子分析の計算
 2.7 ここまでくると因子分析が見えてくる~因子得点,尺度の信頼性,論文の書き方まで
  因子ごとの点数
  因子分析とは?
  因子得点とは?
  因子分析のモデルとその計算
  因子得点の推定
  コンピュータで因子得点を計算させる~手順⑤
  因子分析では標準化
  因子得点の重み付け係数を推定
  回答値の単純合計をとることの問題
  単純構造でないといけないのか
  尺度の信頼性
  クローンバックのα係数を算出することの意味
  論文での書き方
 2.8 統計パッケージ出力例
 2.8.1 SPSS出力例
 2.8.2 SAS出力例

3章 因子分析の正しい使い方
 3.1 どんなときに因子分析をしたらよいのか
 3.1.1 主成分分析との違い
  なぜ,因子分析と主成分分析を間違うのか
  間違ったままでよいのか
  主成分分析を正しく行なうには
 3.1.2 重回帰分析や判別分析との違い
  重回帰分析
  判別分析
  予測のために行なう分析
 3.1.3 クラスター分析との違い
 3.1.4 どの多変量解析を使うべきか
 3.1.5 共分散構造分析との違い
  検証的因子分析は共分散構造分析
  主成分分析も共分散構造分析の仲間
  重回帰分析や判別分析も共分散構造分析の仲間
  共分散構造分析は薔薇色か?
  ここで因子分析が必要に
  因子分析のアイデンティティ
  因子分析だけが生き残る?
 3.2 因子分析はうさんくさい
  観測変数(項目)ですべてが決まる
  結果オーライ
  因子分析は解釈しだい
  統計だけ厳密にやっても意味がない
  データをいかにとるかが問題
  因子分析リタラシー

4章 Q&Aと文献
 4.1 Q&A
 4.2 文献

5章 用語集&索引

あとがき

ISBN:9784762822513
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2002年05月
発売日:2002年05月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JM