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認知心理学から理科学習への提言

開かれた学びをめざして

編著:湯澤 正通

紙版

内容紹介

本書では,「理科学習は,認知的にも,物理的・空間的にも,社会的にも,従来の学校を越えていくべきだ」という問題意識をベースに,理念を理念として語るだけではなく,理念を踏まえたうえで,理科学習に対して,認知心理学,理科教育学,社会教育・学校教育現場それぞれの立場からより具体的な提言を行なう。

目次

はしがき

第1部 プロローグ:子どもは理科の授業で何を学んでいるか

1・1 学校の授業は子どもの生きる力を育てているか?
 1 理科学習をめぐる諸問題
 2 理科学習と認知心理学のかかわり:学習理論と心理学メタファー
 3 理科学習を生活に活かすために
1・2 学校知と日常知の隔たり
 1 学校知と日常知の隔たりの問題をどうとらえるか
 2 理科授業で教え・学ばれる知とは何か
 3 子どもには子どもの考え方がある:素朴概念
 4 教師は子どもの素朴概念を知っているのか
 5 学校で子どもが学んでいるのは何か
 6 学校での学びの特徴は何か
 7 「学校知」が「学校知」である原因
 8 「学校知」を変革するために

第2部 変革のシナリオ:理科学習が教室を越えるために

2・1 状況依存性からの脱皮
 1 「科学的思考」再考
 2 生活に活きる科学知の構築
 3 他者やモデルから学ぶ
2・2 授業変革のためのシナリオ
 1 教師の意識変革は教室を変える力になるか
 2 実験室から教室へ
 3 授業変革へのシナリオ:第一頁
 4 授業変革へのシナリオ:第二頁
 5 授業変革へのシナリオ:第三頁
 6 未完のシナリオ:絶えざる省察に向けて
2・3 テクノロジーの可能性
 1 インタラクティブな学習環境─知識のカプセル化
 2 インターネット─何が問題なのか?
 3 CSCL─学校知
2・4 学社融合から見た理科教育
 1 What I do understand──直接体験の重要性──
 2 学社融合とは
 3 学社融合として博物館・青少年教育施設の取り組み
 4 学社融合としての公民館・地域社会での取り組み
 5 学社融合から見た理科教育を進めるために

第3部 学校でのドラマ

3・1 子どもの意欲を支える
 1 はじめに
 2 子どもは理科が大好きだ:アンケート調査から
 3 なぜ思考力が伸びないの
 4 子どもから学ぶ
 5 子どもの体験を重視した活動例
 6 興味や関心をもつ感覚を大切に
3・2 受験体制を越えて
 1 受験体制の中の理科
 2 生徒の実態から見えるもの
 3 学校から地域へ
 4 選択理科授業の実践1(農薬と食品添加物)
 5 選択理科授業の実践2(ゴミ問題とリサイクル)
 6 まとめにかえて
3・3 高校生たちのチャレンジ
 1 プロローグ:ある高校で起きたこと
 2 高校の現実
 3 新しい学びを求めて:「自由選択実験」の試み
 4 その後のドラマ:「科学の祭典」と「出前授業」
 5 「自由選択実験」が物語ること

第4部 エピローグ:理科学習の変革は可能か?

4・1 学校理科は何をめざすべきか?
 1 理科教育研究の動向
 2 構成主義に基づく理科学習論
 3 生きる力と理科学習
4・2 「日常の現象と結びつける」こと自体を教授学習目標に
 1 意識的に日常生活事例を学習場面に導入しよう
 2 “日常”は児童・生徒の身の回りだけに限定して考えなくてよい
 3 「日常との結びつけ」という側面から見た3実践
4・3 体験・活動型授業として見た3つの実践
 1 体験・活動型学習の特性
 2 原田(3・1)の小学校での実践
 3 山本(3・2)の中学校での実践
 4 内村(3・3)の高校での実践
 5 まとめ
4・4 結論:地域・文化に開かれた理科学習をめざして
 1 自由な探究活動の意義
 2 科学者集団の文化への参加
 3 まとめ:総合的な学習としての理科学習

引用・参考文献
人名索引
事項索引
読者のための参考図書

ISBN:9784762821240
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:250ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:1998年10月
発売日:1998年10月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNT
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JNU
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:JNW