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授業が変わる

認知心理学と教育実践が手を結ぶとき

著:ブルーアー,J.T.
監訳:松田 文子
監訳:森 敏昭

紙版

内容紹介

現代の学校教育の問題(特に思考力,創造力の欠如)を示し,今,社会から強く要求されている学力を身につけるにはどうすればよいのかを問い,その答えとして,認知心理学の成果を生かして新しい教育的手法を設計することを提案。論理の明快さ,理論と実践の結合の筋道の明確さは見事である。認知心理学の専門用語の解説付。

目次

日本の読者のみなさまへ
謝辞
第1章 学習の科学:認知科学を教育実践に応用する
 もはや大部分の生徒ができることでは十分ではない
 新しい期待
 心の科学:MIT大会
 認知革命が一つの学問分野になる
 認知的停滞と高次の技能
 なぜかを知ること
第2章 認知科学:課題と行動と表象を分析する
 天秤問題
 人間コンピュータとその働き
 シンボルの処理と貯蔵:人間の記憶構造
 問題と表象
 課題分析
 天秤問題の分析
 子どもの知識状態を探る
 熟達者と反応時間研究
 天秤問題と学習
 プロトコル分析,符号化,表象
 ルールⅢからルールⅣへ
 認知研究と効果的教授法
第3章 学習の転移とメタ認知:「知的な初心者」を育てる
 転移
 形式陶冶と強靱な知性
 要素,プロダクション,転移
 一般的な方法と知的な行動
 熟達者の領域固有の知識
 学校での弱い方法
 メタ認知
 メタ認知と知的な初心者
 最後の要素:一般的な技能の再考
 新統合理論と高次な技能の教授
第4章 算数・数学教育:意味を理解させる
 就学前児と数
 心的数直線:算数のレディネスの本質
 レディネス教具
 何ができるのかを知る:2桁以上の計算の学習
 バグのある計算
 概念を手続きに結合させる
 バグの状況
 文章題:ミドルスクールの数学におけるブラックホール
 ジャスパー・ウッドベリの冒険:思考への招待
 ジャスパーの理論的基礎:表象と不活性な知識
 理論からジャスパーのプロトタイプへ
 ジャスパーのデビュー
 ジャスパー実行ネットワーク
 GPチュータ:世に知られていない傑作
 幾何学の悲しむべき現状
 熟達者モデル
 チュータ
 インターフェース
 教室でのGPチュータ
 実践のための理論から理論へ
第5章 理科教育:ブラックボックスの内部を探る
 ブラックボックスの内部
 誤概念と認知発達
 理科教育の出発点
 物理学における熟達者と初心者
 シンカー・ツール:ミドルスクールでの物理
 シンカー・ツールの設計
 教授の理論:小世界の使用
 学校におけるシンカー・ツール
 認知の観点から見た高校の物理
 ファセット
 基準授業:今のあなたの考えは?
 馬鹿だと思わないで!
 それはうまくいくのだろうか? なぜ?
 理解のための授業
第6章 読みの指導:大きな構図を見る
 熟練した読解の認知モデル
 読みの循環過程
 認知モデルと読み指導
 理由を説明する
 単語の再認:正確さと速さ
 自動化と大論争
 言語的知識の向上:豊かな語彙教授法
 読みを学ぶことにおける背景知識
 学ぶための読みにおける背景知識
 大きな構図:相互教授法,メタ認知,読み
 実践へ
第7章 作文教育:知識の陳述から知識の変換へ
 文章を書く:不良構造化問題を解く
 情報処理過程の研究:書くことの認知モデル
 プランニングとその下位過程
 書くことの熟達者,初心者,そして生徒
 認知過程から認知修辞学へ
 構成的プランニング:修辞学的表象を築く
 知識の陳述と知識の変換
 再びターニャ
 学校文化における作文
 協力的プランニング:思考を目に見えるようにする
 ヒューロンストリート校でのCSILE
第8章 教育評価:指導と評価を一体化する
 認知とテスト:相関から原因へ
 テストに関する伝統的理論
 学習評価についての認知理論
 知能と評価:IQを越えて
 動的な評価:出来の悪い生徒を援助する
 動機づけ:伸びる生徒と伸びない生徒
 動機づけと教室活動
 教師の認知:ナンシーは何を知っているのか?
 あるべきものが欠けている研究
 教えることと知識の変換
第9章 教育改革:教育問題についての表象を考える
 教室の中での学習の科学
 研究についての表象
 不良構造化問題の解決
 なぜかを知ること
注釈
引用文献
事項索引
人名索引
監訳者あとがき

ISBN:9784762820885
出版社:北大路書房
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:1997年
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA