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「入門・社会学」シリーズ

入門・地域社会学 2

現代的課題との関わりで

編:山本 努

紙版

内容紹介

地域社会学の基礎、都市社会学、農村社会学の基礎理論や概念等を具体例から学ぶテキスト。
1・2章で、地域社会学の土台となる基礎を学び、
3章は都市社会学、4章では農村社会学の基礎論に触れ、5?9章は、地域社会学の各論を掲載。
地域モノグラフ(地域調査報告)を読みながら
地域社会学の基本的理論や概念(考え方、ものの見方)や問題意識を具体的に学ぶ構成。
各章の練習問題・自習のための参考文献も設け、より理解を深められるよう工夫。


【執筆者】
*山本 努、松川尚子、松本貴文、高野和良、伊藤亜都子、井上智史、福本純子、吉武由彩
(*は編著者)

目次

 はじめに

第1章 地域社会学入門
  ―未完のプロジェクト,マッキーヴァーのコミュニティ論を基軸に(山本 努)
 1 地域社会学は地域での生活を理解しようとする学問である
 2 コミュニティというアイデア:定義,原型
 3 コミュニティの用法
 4 マッキーヴァーのコミュニティとは
 5 マッキーヴァーのアソシエーションとコミュニティ
 6 マッキーヴァーのコミュニティ:国家との対比
 7 マッキーヴァーのコミュニティの定義(1):かつてのコミュニティ
 8 マッキーヴァーのコミュニティの定義(2):現代のコミュニティ
 9 マッキーヴァーのコミュニティの定義(3):現代のコミュニティ・続
 10 マッキーヴァーのコミュニティの定義(4):現代・未来のコミュニティ
 11 マッキーヴァーのコミュニティの定義(5):現代・未来のコミュニティという問題についての確認
 12 地域社会学の未完のプロジェクトとしてのマッキーヴァーのコミュニティ
 13 地域社会学の存立根拠:アイデンティティと帰属の感覚から(補遺1)
 14 地域社会学の研究対象:生活の本拠地としての聚落社会から(補遺2)

第2章 都市と農村の社会分析
  ―その現代的課題としての「都市的生活様式の限界」と「農村的生活様式の切り崩し」(山本 努)
 1 地域社会学の課題の広がりを示す
 2 ソローキンにみる都市と農村の違い
 3 奥井復太郎にみる都市と農村の違い
 4 都市的生活様式と農村的生活様式の違い:奥井復太郎と倉沢進の認識
 5 都市的生活様式の限界:倉沢進の問題提起の重要性
 6 都市的生活様式論の日本的展開
 7 農村における都市的生活様式の浸透,過疎や限界集落という言葉の登場
 8 限界集落論の現状分析
 9 限界集落論の概念と調査
 10 限界集落論の背後仮説
 11 限界梨落論への異論
 12 地域社会学の必要性

第3章 都市生活と社会的統一の探索――鈴木栄太郎, 奥井復太郎の都市把握と調査の試み
  (山本 努・松川尚子)
 1 地域杜会の定義
 2 都市の社会的統一を求めて:鈴木栄太郎の都市把握から(その1)
 3 都市の社会的統一を求めて:鈴木栄太郎の都市把握から(その2)
 4 都市の社会的統一を求めて:鈴木栄太郎の生活圏の把握から
 5 都市の社会的統一を求めて:奥井復太郎の都市把握から
 6 都市の社会的統一を求めて:奥井,鈴木,ウェーバーの都市把握から
 7 都市調査の試み:現代における大都市の生活圏(1)
 8 都市調査の試み:現代における大都市の生活圏(2)
 9 都市調査覚書:「都市は人口だけでない,機関だけでない」

第4章 現代農村の生活と「家と村」―近代化による変容の視点から(松本貴文)
 1 なぜ家と村を学ぶのか
 2 農村社会学の視点と家と村
 3 家と同族団:有賀喜左衛門の研究から
 4 自然村:鈴木栄太郎の研究から
 5 近代化と農村社会の変化
 6 新しい地域社会の形成
 7 現代にも残る家と村
 8 現代農村の生活と移動
 9 T型集落点検と修正拡大集落
 10 現代農村における家と村:岐阜県高山市丹生川地域の事例から
 11 村の領域論
 12 家・村論の可能性

第5章 過疎内包型地域圏という構想―過疎地域の地域構造と生活構造の視点から(高野和良)
 1 過疎高齢者と他出子との関係
 2 過疎とはどのような現象か
 3 過疎を通時的にとらえる必要性
 4 過疎対策への評価
 5 過疎地域住民の地域意識と地域集団参加の推移
 6 過疎農村地域に関わる人びとの広がり
 7 過疎農村地域の地域構造と生活構造
 8 過疎内包型地域圏
 9 他出子との関係
 10 過疎内包型地域圏という構想

第6章  都市災害とコミュニティ――阪神・淡路大震災の事例から(伊藤亜都子)
 1 コミュニティと災害
 2 1960年代のコミュニティ論
 3 1970年代のコミュニティ論
 4 1980年代から1990年代前半のコミュニティ論
 5 阪神・淡路大震災における地域社会の対応
 6 災害研究における地域コミュニティ論
 7 阪神・淡路大震災の事例から地域コミュニティを考える:復興住宅政策とコミュニティ
 8 災害からみえてくる地域社会

第7章 都市とマイノリティ―性的マイノリティの下位文化(井上智史)
 1 都市のダイバーシティと性的マイノリティ
 2 ジンメルの都市論
 3 パークの「都市」
 4 ワースのアーバニズム論
 5 フィッシャーの下位文化理論
 6 下位文化の一例としてのゲイコミュニティ
 7 日本におけるゲイコミュニティ
 8 福岡市における性的マイノリティの事例から
 9 下位文化としての市民活動
 10 補論:性的マイノリティと社会調査

第8章 小集落農村にみる地域生活の自律的再編
  ―広島県庄原市X 集落を事例として(福本純子)
 1 農村の枠組み
 2 農村の現在:限界集落と存続危惧集落
 3 モノグラフという手法
 4 全7戸の集落:広島県庄原市のX農業集落
 5 X集落の農業水利体系
 6 小水力発電所の受け入れ
 7 農業水利の一本化
 8 耕作地の集約化
 9 耕作面積における不公平と担い手問題
 10 耕作地組み直しの方法:公平性の論理
 11 X集落における地域生活の自律的再編
 12 小集落農村のゆくえ
 13 農村モノグラフの重要性

第9章 地域福祉活動と農村高齢者の暮らし
  ―地区社会福祉協議会の活動と福祉の担い手(吉武由彩)
 1 高齢者の暮らしと地域福祉活動
 2 地域共生社会の実現と地域福祉活動への期待
 3 農村高齢者の暮らしと地域意識:山口県下関市豊北町における調査より
 4 地区社会福祉協議会による地域福祉活動 ⑴:粟野地区社会福祉協議会の活動概要
 5 地区社会福祉協議会による地域福祉活動 ⑵:粟野地区社会福祉協議会の活動の特徴と工夫
 6 地域福祉活動の担い手(1):活動を支える前期高齢者
 7 地域福祉活動の担い手(2):活動をしていない理由
 8 専門機関や専門職と地域住民の連携

著者略歴

編:山本 努
(やまもと つとむ)神戸学院大学現代社会学部現代社会学科教授/元熊本大学大学院人文社会科学研究部教授/元県立広島大学経営情報学部経営学科教授。

ISBN:9784762032547
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB