バイオスタートアップ研究開発投資
著:藤原 孝男
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内容紹介
1980年代にJapan as number one といわれた日本企業の競争力を復活させるにはどうすべきか。
高齢化・再生エネルギーの課題もあるが、
日本経済の持続可能性を確保するには企業競争力の強化が不可欠であるため、
バイオスタートアップの可能性に注目し、課題や展望を検討していく。
本書のバイオスタートアップは、
生命科学のアイデアの事業化という原資産に関する投資機会としての
リアルオプションのポートフォリオとして定義する。
有望ではあるが高リスクの創薬を少しでも社会実装に向け推進する方法論として
第1に不確実性下での「死の谷」を克服するリアルオプション分析、
第2に製薬大企業との提携のタイミングを決めるゲーム理論、
そして、第3として情報非対称の下での不信感・不確実性を少しでも排除し
分離均衡や技術レベルの推定に導くシグナルを発見するための
ベイジアンMCMC法(ベイジアンマルコフ連鎖モンテカルロ法)について各応用可能性を検討する。
目次
序 章 日本の産業構造の高リスク状態
1.問題提起:日本企業の競争力の回復可能性
2.日本の産業構造の高リスク状態
3.アメリカの産業を牽引するスタートアップ
4.バイオスタートアップの可能性
5.バイオスタートアップの研究ギャップ
6.方法論の枠組み
第1部 リスクヘッジへのリアルオプション分析
第1章 R&D継続へのスイッチングオプション分析
1.はじめに
2.状況分析
3.リアルオプションの現状維持決定機能
4.結 び
第2章 提携戦略の直列型複合オプション分析
1.はじめに
2.バイオスタートアップ存続と戦略的提携
3.モデルの定式化・モンテカルロシミュレーション
4.ROA・確率最適化
5.結 び
第2部 戦略的提携へのオプションゲーム分析
第3章 戦略的提携におけるトレードオフ
1.はじめに
2.戦略的提携へのオプションゲームの応用
3.オプションゲーム
4.量的競争
5.価格競争
6.結 び
第4章 バーチャルスタートアップによる戦略的提携
1.はじめに
2.バイオスタートアップの投資タイミング
3.成長オプションと競争:独占から完全競争へ
4.提携型仮想バイオスタートアップ:寡占市場
5.結 び
第5章 戦略的提携の3次元タイミングモデル
1.はじめに
2.複占の連続時間での投資タイミングの一般モデル
3.リーダー・フォロワーのプロジェクト価値評価モデル
4.感度分析
5.結 び
第3部 金融危機へのベイジアンMcMC分析
第6章 R&D投資の多変量解析
1.はじめに
2.基礎理論及び研究方法
3.「死の谷」に関する予備的分析
4.HMC線形回帰分析によるリアルオプション機能の確認
5.結 び
第7章 純損益別企業のR&D投資特性
1.はじめに
2.基礎理論
3.赤字スターバイオ企業のR&D投資
4.ベイジアンマルコフ連鎖モンテカルロ分析
5.研究結果:わかったこと,分析,議論
6.結 び
結 章 「運」を管理する経営学について
1.結論:新型コロナワクチン開発でのバイオスタートアップの貢献
2.展望:次のフロンティア
ISBN:9784762032387
。出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
。判型:A5
。ページ数:196ページ
。定価:4100円(本体)
。発行年月日:2023年03月
。発売日:2023年04月07日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDC。