国語授業の改革
「対話的で深い学び」を生み出す国語科の教材研究力 21
教材研究の深さこそが「対話的な学び」「深い学び」を実現する
編:「読み」の授業研究会
内容紹介
国語でも「対話的で深い学び」が求められている。そのためには、
教師が質の高い国語科の教材研究力をもつことが必須である。
どういうことに気をつけると教材研究の質が高くなるのか、
教材の中のどこに着目すれば教材研究が鋭くなるのか、
着目した箇所をどう読み深め読み広げていけばよいのか。
今号では、この3つを中心に国語科の教材研究力を高める方法について考える。
【執筆者】
阿部 昇、加藤辰雄、渡邊絵里、竹田博雄、大庭珠枝、鈴野高志、土屋大輔、中沢照夫、町田雅弘、
臺野芳孝、杉山明信、岸あゆり、熊谷 尚、永橋和行、熊添由紀子、甲斐睦朗、大内善一、鶴田清司、
吉川芳則、石井英真、植山俊宏、中村哲也、成田雅樹、青山由紀、加藤郁夫、小林信次、岩崎成寿
目次
はじめに(阿部 昇)
Ⅰ 「対話的で深い学び」を生み出す国語科の教材研究力
【問題提起】
1 教材研究の深さ豊かさが国語科の「対話的な学び」「深い学び」の鍵となる
―教材研究力を高めるための10の方法 阿部 昇
【「対話的で深い学び」を生み出す物語・小説の教材研究力】
2 「対話的で深い学び」を生み出す物語・小説の教材研究力:小学校編
―教材「ごんぎつね」(新美南吉)〈小4〉を使って 加藤 辰雄
3 「対話的で深い学び」を生み出す物語・小説の教材研究力:中学校編
―教材「故郷」(魯迅作 竹内好訳)〈中3〉を使って 渡邊 絵里
4 「対話的で深い学び」を生み出す物語・小説の教材研究力:高校編
―教材「舞姫」(森鷗外)〈高3〉を使って 竹田 博雄
5 「対話的で深い学び」を生み出す古典作品の教材研究力
―教材『徒然草』「高名の木登り」「ある人、弓射ることを習ふに」を使って 大庭 珠枝
【「対話的で深い学び」を生み出す説明文・論説文の教材研究力】
6 「対話的で深い学び」を生み出す説明文・論説文の教材研究力:小学校編
―教材「こまを楽しむ」(安藤正樹)「すがたをかえる大豆」(国分牧衛)〈小3〉を使って
鈴野 高志
7 「対話的で深い学び」を生かすための説明文・論説文の教材研究力:中学校編
―教材「『言葉』をもつ鳥、シジュウカラ」(鈴木俊貴)〈中1〉を使って
土屋 大輔・中沢 照夫
8 「対話的で深い学び」を生み出す説明文・論説文の教材研究力:高校編
―教材「水の東西」(山崎正和)〈高1〉を使って 町田 雅弘
Ⅱ 講座:定番教材の研究をきわめる─物語・小説+説明文・論説文
1 「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ)〈小3〉の教材研究をきわめる 臺野 芳孝
2 「走れメロス」(太宰治)〈中2〉の教材研究をきわめる 杉山 明信
3 「羅生門」(芥川龍之介)〈高1〉の教材研究をきわめる 岸 あゆり
4 「じどう車くらべ」と「どうぶつの赤ちゃん」(ますいみつこ)〈小1〉の教材研究をきわめる
熊谷 尚
5 「ありの行列」(大滝哲也)〈小3〉の教材研究をきわめる 永橋 和行
6 「『鳥獣戯画』を読む」(高畑勲)〈小6〉の教材研究をきわめる 熊添 由紀子
Ⅲ 教材研究力を生かした『徒然草』「高名の木登り」と「ある人、弓射ることを習ふに」の授業
─大庭珠枝先生の授業の記録と指導案
1 『徒然草』「高名の木登り」と「ある人、弓射ることを習ふに」の1時間の授業記録 阿部 昇
2 『徒然草』「高名の木登り」と「ある人、弓射ることを習ふに」の単元計画と本時案
大庭 珠枝
3 『徒然草』「高名の木登り」と「ある人、弓射ることを習ふに」の教材研究 大庭 珠枝
4 『徒然草』「高名の木登り」と「ある人、弓射ることを習ふに」の授業の徹底研究
―「言葉による見方・考え方」を先取りする先進的授業 阿部 昇
Ⅳ 国語科の教材研究力を高めるための方略―現場への提言
1 教材研究上の八つの視点―宮沢賢治「やまなし」を中心に 甲斐 睦朗
2 文章の内容・形式面を一体的に読み取ることを心掛ける 大内 善一
3 異化された表現とその効果を明らかにする
―「文学的な見方・考え方」を育てるために 鶴田 清司
4 説明的文章の教材研究としての批判的読みの対象・観点の精選 吉川 芳則
5 教材研究の深め方―対話的で深い学びを生み出す「教科する」授業へ 石井 英真
Ⅴ 国語科の教材研究力を高めるための6冊―読書案内
『直観からの出発 ─ 読む力が育つ「丸ごと読み」の指導』
(田中智生・小川孝司 監修/岡山・小学校の国語を語る会 編) 植山 俊宏
『物語の構造─〈語り〉の理論とテクスト分析』(F・シュタンツェル 著/前田彰一 訳)
中村 哲也
『「物語の創作」学習指導の研究』(三藤恭弘 著) 成田 雅樹
『個別最適な学びに生きる フレームリーディングの国語授業』
(青木伸生 編著/「ことば」の教育研究会 著) 青山 由紀
『日本語の歴史 ─ 青信号はなぜアオなのか[新装版]』(小松英雄 著) 加藤 郁夫
『読解力を鍛える古典の「読み」の授業─徒然草・枕草子・平家物語・源氏物語を読み拓く』
(阿部昇 著) 小林 信次
Ⅵ 連載・教材研究のポイント
「少年の日の思い出」(H・ヘッセ)の教材研究―ここがポイント 岩崎 成寿