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[続]少子化論

出生率回復と<自由な社会>

著:松田 茂樹

紙版

内容紹介

日本の少子化の特徴と背景要因について、全面的、総合的に分析を行い、
これからの少子化対策のあり方、および個々具体的な政策を提言する。
未婚化、夫婦の出生、少子化の国際比較などについても具体的に論じていく。
最新の知見をふまえ、多角的な視点から日本の少子化の全体像を明らかにする。
少子化について考えるのにかかせない1冊。

・日本の少子化の全体像を分析、背景要因を俯瞰的に論じる。
・分析結果をふまえて具体的な政策提言を行う。
 (今後の少子化対策に求められる9つの基本的な考え方、
  大きな1つのコンセプト、30以上の具体的な施策を提案。)
・結婚・出産についての<個人の選択の自由>と人口面での
 <社会の存続>が対立することの問題に対して正面から向き合い、
 その解決策を論じる。

目次

まえがき

序 章 少子化の状況と少子化対策の必要性
 1.少子化の進行 / 2.出生率、未婚化、夫婦の子ども数
 / 3.少子化が社会にもたらす負の影響 / 4.出生率を回復させるための少子化対策に求められる視点

第1章 未婚化はなぜすすむのか―雇用、出会い、価値観
 1.未婚化が出生率を下げる / 2.出会い・結婚意欲・配偶者選択
 / 3.未婚化の背景要因―検証する仮説 / 4.若年雇用の劣化
 / 5.職場における出会いと結婚 / 6.仕事や結婚の価値観と性別役割分業意識
 / 7.仕事と子育ての両立の影響は? / 8.未婚化にどう対応するか

第2章 夫婦の働き方と出生率の関係
  ―夫婦の就労はどう変わり、それは出生率上昇につながったのか
 1.近代家族 / 2.家族構造変動論vs家族構造安定論
 / 3.分業型夫婦、共働型夫婦、選好 / 4.共働きが増加しているのに、出生率が上昇しないのはなぜか?
 / 5.夫婦の出生意欲は低下したのか / 6.ひとり親家庭の子育て
 / 7.夫婦の働き方の変化にどう対応するか

第3章 父親の育児参加とハードワーク社会
 1.父親の育児参加を促す取り組み / 2.父親の育児参加はどの程度増えたのか
 / 3.父親の育児参加の規定要因 / 4.長時間労働の国 / 5.24/7Economyと非典型時間帯労働
 / 6.父親の育児参加と追加出生の関係 / 7.父親の育児参加をどうするか

第4章 少子化の国内地域差―地域に合った対策を
 1.都市と地方の両方に目を向ける / 2.各地域の出生率はどう変化したのか
 / 3.出生率の地域差を生む要因 / 4.地方から東京への若年人口移動
 / 5.地域により大きく異なる保育状況 / 6.自治体の少子化対策が出生率回復に与えた効果
 / 7.各地域の出生率の回復と若年人口の移動の問題に対処を

第5章 少子化の国際比較
 1.国際比較に必要な姿勢 / 2.出生率の国際比較 / 3.東アジア諸国の少子化を説明する既存理論
 / 4.東アジア諸国の少子化を捉える理論枠組み / 5.結婚・同棲・子ども数
 / 6.四大要因の分析結果 / 7.諸外国における少子化対策 / 8.国際比較から日本への示唆

第6章 日本の少子化対策―その特徴と問題点
 1.どのような少子化対策がなされてきたか / 2.少子化対策の経緯と特徴
 / 3.少子化対策の効果と従来の対策の問題点
 / 4.追加出生に効果がある施策―ヴィネット調査を用いた研究
 / 5.諸外国の少子化対策との比較 / 6.出生率回復のために必要な視点

終 章 総域的な少子化対策―出生率回復と<自由な社会>
 1.出生率を回復させるための少子化対策の基本的な考え方 / 2.具体的な施策の提案

あとがき
文献リスト

著者略歴

著:松田 茂樹
(まつだ しげき)中京大学現代社会学部(コミュニティ学専攻)教授。

ISBN:9784762030680
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:4-6
ページ数:300ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC