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幼児教育方法論

監:戸江 茂博
他編:田中 卓也
他編:松村 齋

紙版

内容紹介

幼児教育・保育の実践のための有意な指針となるよう、幼児教育・保育の進め方について、
さまざまな視点から説き起こす。
幼児教育・保育の内容、方法、計画など、実践に近接する分野について、できるだけ実践的に解明する。

【執筆者】
戸江茂博、田中卓也、松村 齋、小島千恵子、川村高弘、五十嵐淳子、橋爪けい子、中澤幸子、山西加織、
鈴木和正、伊藤恵里子、和田真由美、谷原 舞、井上裕美子、加藤 緑(コラム)

目次

 はじめに

第1章 保育の基本と保育内容・保育方法を理解する
 1.保育の基本
  (1)保育とは何か / (2)養護(ケア)と教育の一体性 / (3)生活の教育
  / (4)遊びの教育 / (5)環境を通して行う教育
 2.保育の内容
  (1)生活と遊び / (2)養護の内容と教育の内容
 3.保育の方法
  (1)子どもと共に歩む保育 / (2)遊びを通して行う総合的な保育
   / (3)環境を通して行う保育

第2章 西洋における教育思想と教育方法の歴史を学ぶ
 1.近代教育思想の成立と幼児教育
  (1)ペスタロッチの教育思想と教育実践 / (2)フレーベルの教育思想と教育実践
   / (3)恩物の考案
 2.子ども中心主義の思想と教育
  (1)新教育運動の成立と展開 / (2)ケイと『児童の世紀』
   / (3)モンテッソーリと「子どもの家」
 3.進歩主義教育とジョン・デューイ
  (1)ジョン・デューイの教育思想 / (2)進歩主義教育における代表的実践
  カフェタイム(コラム)1. 「他人のルール」から「自分のルール」へ

第3章 日本における保育内容と保育方法の歴史を学ぶ(戦前)
 1.近代における学校教育のはじまり
  (1)前近代の教育方法 / (2)近代学校の成立と制度化
   / (3)幼稚園の誕生と東京女子師範学校附属幼稚園の教育方法
 2.明治期における教育方法の発展
  (1)教育勅語と明治20 年代の教育方法 / (2)「幼稚園保育及設備規程」の公布
   / (3)遊びを中心に据えた幼児教育
 3.新教育運動と保育思想の発展
  (1)新教育運動と「幼稚園令」 / (2)倉橋惣三の誘導保育論
   / (3)城戸幡太郎と保育問題研究 / (4)戦時下における幼児教育
 4.戦後の幼児教育のはじまり
  (1)戦後の幼児教育制度の改革 / (2)現代の幼児教育に向けて

第4章 日本における保育内容と保育方法の歴史を学ぶ(戦後)
 1.経験主義の教育方法と「保育要領」(1948年)
 2.総合的な指導と「幼稚園教育要領」(1956年、1964年)・「保育所保育指針」(1965年)
 3.環境による保育と「幼稚園教育要領」(1989年)・「保育所保育指針」(1990年)
 4.生きる力の基礎を育む保育と「幼稚園教育要領」(1998年)・「保育所保育指針」(1999年)
  (1)幼稚園教育要領(1998年) / (2)保育所保育指針(1999年)
 5.「子育て支援」と幼稚園教育要領(2008年)・保育所保育指針(2008年)
  (1)幼稚園教育要領(2008 年)・保育所保育指針(2008年)
   / (2)幼保連携型認定こども園教育・保育要領(2014年)
 6.アクティブ・ラーニングと幼稚園教育要領(2017年),保育所保育指針(2017年),
  及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領(2017年)

第5章  「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」における
  教育・保育方法について学ぶ
 1.「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」
  の改訂(改定)とそのポイント
  (1)「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」
  の改訂(改定) / (2)3要領・指針改訂(改定)のポイント
 2.「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」
  と教育・保育の方法
  (1)教育・保育の基本とは / (2)教育・保育の方法とは
  カフェタイム(コラム)2. 「遊び」の大切さを理解できる保育者に

第6章 子どもの発達と特性を知る
 1.発達とは何か
  (1)発達の概念 / (2)発達の量的変化と質的変化 / (3)発達の順序性と方向性
   / (4)遺伝的要因と環境的要因
 2.子どもの標準の発達
  (1)発達の段階 / (2)子どもの標準の発達の特徴 / (3)子どもの発達を理解するための理論
 3.特別な支援を必要とする子どもの発達
  (1)特別な支援を必要とする子どもの発達の特徴
   / (2)特別な支援を必要とする子どもの障害の特性

第7章 幼児理解とその方法について学ぶ
 1.一人ひとりの子どもを理解する(幼児理解)
 2.子どもの発達の時期をとらえる
 3.幼児保育に基づく保育の方法
  (1)体を育てる / (2)心を育てる
 4.これからにつながる保育
  カフェタイム(コラム)3. 「子どもが模倣する対象」としての役割

第8章 環境を通して行う保育を学ぶ
 1.環境を通して行う保育
 2.保育の環境
 3.子どもにふさわしい保育環境の構成
 4.身近な自然環境との関わり
 5.環境を生かした保育方法

第9章 遊びと保育の関係を学ぶ
 1.幼児期にふさわしい遊びとは
 2.遊びを支える保育者の役割
  (1)信頼関係を築く / (2)子どもを理解する
   / (3)保育を実践する(環境構成と遊びの援助) / (4)遊びを指導する,伝承する
  カフェタイム(コラム)4. 「不思議だな」と思う気持ちを大切にする保育

第10章 幼児とのコミュニケーションを実践する
 1.幼児とのコミュニケーション
  (1)予測不可能な時代に生きる子どもたちに必要な力 / (2)コミュニケーションの始まり 
   / (3)年齢に応じたコミュニケーション
   / (4)幼児の“ いま” を支えるコミュニケーション
 2.「言葉による伝え合い」の姿を育むために
 3.保護者と子どものコミュニケーションの架け橋に
 4.外国のルーツをもつ幼児とのコミュニケーション

第11章 幼児教育とメディアについて学ぶ
 1.幼児向け教育番組の変遷
  (1)ラジオ放送の開始と幼児教育番組の登場 / (2)ラジオ放送からテレビ放送へ
   / (3)NHK人気番組「おかあさんといっしょ」「セサミストリート」の登場
   / (4)低年齢幼児対象番組の登場―「できるかな」,「ばくさんのかばん」,
  「おーい! はに丸」― / (5)時代の変化に対応した幼児向け番組
   / (6)幼稚園・保育所とテレビ・ラジオ幼児向け番組の普及
 2.メディアとしての児童文化財
  (1)電子メディアからアナログのメディアまで幅広い教材
   / (2)児童文化財とはどのようなものか / (3)児童文化財の特徴 / (4)劇遊びと言葉遊び
 3.メディアへの依存の危険性と注意の喚起
 4.子どもの遊びとメディアーメディアの正しい活用―
 5.今後のメディアと保育の課題―メディアリテラシーの獲得と保育者の専門性向上のために―
  カフェタイム(コラム)5. 子どもと保育者との関係構築~目と目を合わせて語りかけること~

第12章 保育計画とは何か,考え方を学ぶ
 1.保育の計画の必要性
  (1)子どもの「今」と,保育者の「思い」のバランスを見直し整理できる
   / (2)計画を立てた保育者自身が見通しをもつことができる
   / (3)他の保育者からみて,何をするか理解できる
 2.保育の計画の種類
  (1)全体的な計画 / (2)指導計画 / (3)その他の計画
 3.保育の計画の基本となるポイント
  (1)子どもの発達を理解する / (2)子どもの実態を把握する
   / (3)地域や家庭のニーズを把握する
 4.保育の計画の考え方
  (1)幼稚園における保育の計画の考え方 / (2)保育所における保育の計画の考え方
   / (3)幼保連携型認定こども園における保育の計画の考え方
 5.カリキュラム・マネジメントとの関連

第13章 保育計画とは何か,指導案を立ててみよう
 1.保育計画とは
 2.指導計画案作成の基本
 3.指導計画と保育実践における留意点
 4.指導案作成でのポイント
 5.指導案作成の具体的な書き方
  (1)子どもの現状を理解 / (2)保育のねらいの立て方 / (3)内容の立て方
   / (4)子どもの動きを予測します / (5)活動時間 / (6)環境の構成
   / (7)保育者の援助・配慮点 / (8)反省・評価 / (9)その他
 6.指導案例の提示と解説
  (1)運動遊びの指導案 / (2)反省・評価の書き方

第14章 発達障害のある子どもへの保育のあり方を学ぶ
 1.園におけるさまざまな子どもたち
 2.発達障害のある子どもたちを支援する保育者として
 3.発達障害のある子どもたちを子育てする保護者への支援
  (1)子どもの成長を先生から聞けることは何よりも嬉しいこと
   / (2)発達障害のある子どもの保護者の思い
   / (3)「できない」よりは「できた」といわれたい
 4.発達障害のある子どもたちの内面を理解する
 5.保幼小中高の連続性での「今」を大切にする保育実践

第15章 保幼小連携をふまえた保育のあり方を学ぶ
 1.小学校との接続における幼児教育
  (1)2017年の改訂が意味すること / (2)「遊びが学び」乳幼児期の発達や学びの特性
   / (3)「遊びが学び」の基
 2.環境を通して行う保育 アクティブ・ラーニング
  (1)幼児期のもののとらえ方 / (2)主体的・対話的で深い学び
 3.幼児期に育みたい資質・能力
  (1)小学校課程における資質・能力 / (2)幼児期における資質・能力
   / (3)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」
   / (4)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を理解して実践することの意味
 4.保幼小連携協働を目指すための保育者の専門性
  (1)子どものありのままを受けとめ,「遊びが学び」を実践できる
   / (2)環境を創りだす力・具体的に保育をデザインして実践する力
   / (3)特別な配慮を要する子どもへの対応力
   / (4)保護者と連携協働する力,子育てを支援する力 / (5)小学校と連携する力
 5.幼児教育と小学校教育のつながりを大切にするために
  カフェタイム(コラム)6. 幼児期からの外国語教育について考えよう!

 おわりに

著者略歴

監:戸江 茂博
(どえ しげひろ)神戸親和大学大学院文学研究科(教育学専攻)・教育学部教授/元近大姫路大学教育学部こども未来学科教授/元頌栄短期大学保育科教授。

他編:田中 卓也
(たなか たくや)育英大学教育学部(児童教育専攻)教授/元静岡産業大学経営学部教授。

他編:松村 齋
(まつむら ひとし)椙山女学園大学教育学部子ども発達学科准教授。

ISBN:9784762028762
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:B5
ページ数:176ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JNG