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関係性の社会病理

監:日本社会病理学会
編:高原 正興
編:矢島 正見

紙版

内容紹介

日本社会病理学会が刊行した、社会病理学講座の第3巻、『病める関係性』(2004)を、改版したものである。

旧第3巻で取り上げたテーマに加え、この10年間に新たにマスメディアや世論の関心を高めたトピカルな現象を追加し、
社会病理現象(または問題行動)を10章にわけて展開。
不登校、少年非行、児童虐待、自殺、ストーカー、ドメスティックバイオレンス、過労などのテーマに、
新たな現象として、高齢者犯罪、非正規雇用、ホームレスを追加した。
さまざまな社会病理現象を考えるためにかかせない1冊。

【執筆者】
高原正興、樋口くみ子、竹川郁雄、岡邊健、三浦恵子、魁生由美子、中村正、梅田直美、田島博実、
妻木進吾、高梨薫、矢島正見

目次

序 章 現代の社会病理の見方
 はじめに / 1 「関係性の社会病理」とは何か / 2 何が「関係性の社会病理」をもたらすのか
 / 3 日常性の病理と私事化の問題 / 4 「関係性の社会病理」を解決する対策の始動

第1章 不登校
 はじめに / 1 不登校の定義 / 2 長期欠席・不登校率の推移と研究動向
 / 3 不登校をめぐる関係性とその変化 / 4 「不登校問題」の背景にある社会の変化
 / 5 不登校支援をめぐる諸課題を超えて

第2章 いじめ
 はじめに / 1 いじめの定義について / 2 いじめの統計と現実 / 3 いじめと集団形成
 / 4 子どもを取り巻く大人の意識や社会の状況 / 5 いじめの予防・解決に向けて

第3章 少年非行
 1 少年非行とは何か / 2 非行に関する主要な説明理論 / 3 偏在する少年非行
 / 4 少年非行への対応策

第4章 高齢者犯罪
 1 高齢者の定義と刑事政策の展開 / 2 高齢犯罪者~『平成20年版 犯罪白書』特集部分が示すもの
 / 3 高齢犯罪の現れ方と関係性 / 4 高齢者犯罪 社会的背景と要因
 / 5 高齢犯罪者の社会復帰に向けた方策について

第5章 ストーカー
 はじめに / 1 ストーカー行為の定義と罰則 / 2 ストーカー事犯に関する統計データ
 / 3 ストーカー行為についての社会学的分析視角 / 4 主要なストーカー殺人事件にみる抑止の困難
 / 5 ストーカー行為の処方箋

第6章 ドメスティック・バイオレンス
 はじめに / 1 親密な関係性における暴力のあらわれ方
 / 2 対人関係・相互作用・コミュニケーションに潜む暴力としてのDV / 3 社会問題としてのDV
 / 4 どうすればよいのか / 5 社会病理学とDV問題

第7章 児童虐待
 はじめに / 1 児童虐待の定義と理論 / 2 「母親による虐待」をめぐる言説
 / 3 政策的対応における課題

第8章 非正規雇用
 1 非正規雇用の概要と理論・考え方 / 2 非正規雇用の拡大・多様化と要因・背景
 / 3 非正規雇用をめぐる関係性と社会病理的現実 / 4 非正規雇用者の意向と展望、政策問題

第9章 ホームレス
 はじめに / 1 ホームレスと寄せ場 / 2 ホームレス人口と属性
 / 3 野宿状態への固定化と野宿生活 / 4 生育家族からホームレスへ至る析出過程
 / 5 「健全な社会通念」と寄せ場化する日本社会

第10章 自殺
 はじめに / 1 デュルケムとシュナイドマン / 2 わが国の自殺の現状と研究動向
 / 3 人が人生を終わらせようと思うとき
 / 4 ストレスとソーシャル・サポート、メンタルヘルスとソーシャル・キャピタル
 / 5 遺族の気持ちに寄り添うならば

終 章 時代の社会病理から関係の社会病理への基本認識
 1 社会化 / 2 孤立化社会 / 3 観の変容 / 4 処方

著者略歴

監:日本社会病理学会
(にほんしゃかいびょうりがっかい)
編:高原 正興
(たかはら まさおき)京都府立大学名誉教授/元京都橘大学現代ビジネス学部経営学科教授。
編:矢島 正見
(やじま まさみ)一般財団法人青少年問題研究会理事長/元中央大学文学部教授。

ISBN:9784762026331
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2016年03月
発売日:2016年03月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF