懐かしさは未来とともにやってくる
地域映像アーカイブの理論と実際
編:原田 健一
編:石井 仁志
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内容紹介
地域に残された映像資料は、地域社会の過去の姿を伝える貴重な文化財であり、
地域に対する我々の認識を捉え直し、未来の地域の進むべき方向を指し示す重要な材料である。
「地域映像アーカイブ」は、2008年度より活動をはじめた、
地域の映像資料の収集や保存、整理、公開、活用についての実践を進めている、
新潟大学人文社会・教育科学系地域映像アーカイブセンターを中心としたプロジェクト。
その活動をまとめ、さまざまな角度から地域の映像アーカイブについての実践、研究を論じる。
今後の映像アーカイブの振興や発展を考えるための1冊。
【執筆者】
原田健一、石井仁志、石田美紀、高橋由美子、中村隆志、古賀 豊、松本一正、渡辺一史、榎本千賀子、
金子隆一、佐藤守弘、北村順生、水島久光
目次
第1章 地域・映像・アーカイブをつなげるための試論
第1節 映像を日常生活の場から考える / 第2節 社会のなかの映像
/ 第3節 残されるものと残されないもの
第1部 「にいがた」という地域の映像を分析する
第2章 事例としての「にいがた」―地域の映像をめぐる4つのフェーズ―
第1節 新潟という地域 / 第2節 「私」と階級 / 第3節 「家」とジェンダー
/ 第4節 社会関係資本と政治 / 第5節 地方自治体と広報 / おわりに
第3章 小さなメディア?,絵葉書
第1節 郵便と絵葉書 / 第2節 絵葉書とコレクター
/ 第3節 北方文化博物館の絵葉書コレクション
第4章 地域の肖像 ―新潟県観光映画と中俣正義
はじめに / 第1節 観光のための映画
/ 第2節 観光映画の広がり ―『秘境 奥只見』(1961)― / おわりに
第Ⅱ部 映像をデジタル化し共有化する
第5章 地域の映像をどのように整理し使うか
第1節 新潟県中越地震を機にスタートした写真整理事業 / 第2節 写真郡の保存整理の考え方
/ 第3節 市民ボランティアによる写真整理と写真データベースの構築―個人の記憶から,
地域の記録へ― / 第4節 写真整理の意義と活用―写真の公開が何をもたらすか―
/ おわりに―過去・現在・未来をつなぐ写真整理に向けて―
第6章 映像のインデキシングの実際
第1節 データベース作り / 第2節 データ整理 / 第3節 インデキシング作業
/ 第4節 カテゴリ構成 / 第5節 多義性・多層性・多解性 / 第6節 インデキシングの時間
/ 第7節 対話
第7章 デジタル映像アーカイブをめぐる知的財産としての権利
第1節 デジタル映像アーカイブには,どのような権利が関係しているか?
/ 第2節 「著作者等の権利」とは? / 第3節 デジタル映像アーカイブと「著者者等の権利」
/ 第4節 著作権の利用許諾をめぐる問題 / 第5節 デジタル映像アーカイブと著作権
第Ⅲ部 映像をデジタル化し創造する
第8章 動画,音声のデジタル化の実際
第1節 映像メディア・音声メディアのデジタル復元について / 第2節 フィルム劣化の実際
/ 第3節 映像保存の媒体 / おわりに
第9章 デジタル映像の展示の可能性
―「今成家写真」展における映像アーカイブ資料の活用を事例として―
第1節 ブロイラースペースにおける「今成家写真」展 / 第2節 「今成家写真」展の展示構成
/ 第3節 「今成家写真」展におけるデジタルデータの利用の背景
/ 第4節 デジタル映像が展示にもたらす可能性
第10章 共有化される映像展示の場所
第1節 展覧会の現今と問題性 / 第2節 新潟における実践,地方からの発信
/ 第3節 共有化される映像展示の場所,その実体化
/ 第4節 映像展示の場の共有化がもたらす効果など
第11章 美術館において写真のアーカイブは成立するのか?
はじめに / 第1節 美術館における写真 / 第2節 作家性について
/ 第3節 美術館における写真原板 / 第4節 美術館における写真のアーカイブ
第Ⅳ部 アーカイブでつなげる
第12章 写真とアーカイブ―キャビネットのなかの世界―
はじめに / 第1節 美術館とキャビネット ―クラウス「写真のディスクール空間」
/ 第2節 アーカイブとしての横浜写真アルバム
/ 第3節 キャビネットのなかのポートレート―セクーラ「身体とアーカイブ―
/ 第4節 鉄道写真 ―コレクションからアーカイブへ―
/ おわりに ―にいがた地域映像アーカイブ―
第13章 地域メディアと映像アーカイブをつなげる
はじめに / 第1節 コミュナルな映像空間と地域映像アーカイブ
/ 第2節 地域メディアの諸相と映像アーカイブ
/ 第3節 地域メディアによる映像アーカイブの可能性と課題 / おわりに
第14章 アーカイブとアーカイブをつなげる―連携の諸相・その必然性―
第1節 「小さなアーカイブ」と「大きなアーカイブ」
/ 第2節 そもそもアーカイブは分断されていた
/ 第3節 アーカイブ体験とは何か―コンテンツの「集積」,「郡」との出会い
/ 第4節 アーカイブはいかにして生まれるか―本質的な課題としての「連携」
/ 第5節 さまざまな連携の可能性―アーカイブを結ぶ「縦糸/横糸」―
ISBN:9784762024016
。出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
。判型:A5
。ページ数:344ページ
。定価:3500円(本体)
。発行年月日:2013年09月
。発売日:2013年09月20日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLH。