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途上国における基礎教育支援 上

国際的潮流と日本の援助

編:小川 啓一
編:西村 幹子

紙版

内容紹介

1990年代以降隆盛しつつある教育開発・教育支援分野において、
日本は途上国に対する基礎教育支援をどのように実践してきたのか。
国際的なイニシアティブであるEFA支援やKDGs、PRSに焦点を当て、その動向を整理するとともに、
急増するこの分野の学習者の理解を深めるためのテキストとなることを目指している。
これからの日本がどのように基礎教育を通して世界に貢献していくべきかを広く読者に問う。

目次

第1部 基礎教育支援をめぐる国際的な動きと日本の援助政策
 第1章 20世紀の基礎教育支援と国際的な動向
  はじめに
  1.「万人のための教育世界会議」の意義
  2.2000年までの国際的動向とEFA中間評価
  3.国際機関による2000年までの基礎教育支援の状況
  おわりに―ジョムティエン・ディケードの総括

 第2章 ダカール会合以降の国際的な基礎教育支援の動向
  はじめに
  1.世界教育フォーラム2000の意義
  2.モニタリング強化が中心的役割となったユネスコ
  3.ユニセフ推進する女子教育支援
  4.国連開発計画によるミレニアム開発目標と基礎教育支援
  5.世界銀行が推進するファスト・トラック・イニシアティブ
  6.DAC諸国の基礎教育援助コミットメント状況
  おわりに

 第3章 基礎教育に対する日本の援助政策の変遷
  はじめに
  1.1990年「万人のための教育世界会議」以前の日本の援助政策における教育の位置づけ
  2.基礎教育をめぐる日本の援助政策の変遷:1990年代
  3.教育支援をめぐる日本の援助政策の変遷:2000年から
  4.1990年を転機とした基礎教育拡充のための協力・実施体制の構築
  おわりに

第2部 基礎教育支援に対する日本の援助体制
 第4章 日本のEFA支援の制度改革の課題
  はじめに―課題の背景
  1.改革契機―日本の援助の課題
  2.貧困削減戦略(Poverty Reduction Strategy:PRS)世代下の教育開発
  3.政策,プログラムと援助モダリティ
  おわりに―日本のEFA支援の指針

 第5章 基礎教育支援に関する日本と国際機関との連携
  はじめに
  1.なぜ連携か:連携の重要性
  2.なぜ今,連携か:拡大の背景
  3.日本のODA政策・援助戦略における連携と実施体制
  4.特定の国際機関の活動に対する協力としての連携
  おわりに

 第6章 基礎教育支援をめぐるNGO・NPOとの協力
  はじめに―NGO,NPOの定義
  1.日本の教育分野NGOの現状
  2.実施レベルにおける政府とNGOの協力
  3.政策レベルにおける政府とNGOの協力
  おわりに―NGOの能力強化における政府との協力

 第7章 大学による国際協力の取り組みと基礎教育支援
  はじめに
  1.従来の大学における国際協力
  2.近年の大学の国際協力
  3.事例を通してみる大学の国際協力
  おわりに

第3部 基礎教育支援に向けた日本の取り組みの分析
 第8章 定量データからみる日本の取り組み
  はじめに
  1.ODAによる基礎教育支援
  2.JICAによる基礎教育支援
  おわりに

 第9章 報告書調査からみる日本の取り組み
  はじめに―既存評価/調査報告分析のアプローチ
  1.日本の基礎教育支援政策(成長のための基礎教育イニシアティヴ:BEGIN)に照らした取り組み
  2.ミレニアム開発目標を目指した取り組み
  3.被援助国側のニーズへの配慮
  4.国際的潮流,援助協調との整合性
  おわりに―結論と考察

 第10章 アンケート調査からみる日本の取り組み
  はじめに
  1.アンケート調査の結果?BEGINについて
  2.アンケート調査の結果?ジョムティエン会議以降のEFA支援に関して
  おわりに―アンケートをもとにした提言

 おわりに―日本の基礎教育支援の特徴と今後の課題

著者略歴

編:小川 啓一
(おがわ けいいち)神戸大学大学院国際協力研究科(地域協力政策専攻)教授。

編:西村 幹子
(にしむら みきこ)国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科教授。

ISBN:9784762018916
出版社:学文社 (GAKUBUNSHA)
判型:A5
ページ数:262ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2008年11月
発売日:2008年11月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNB