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現場写真×矩計図でわかる! 建築断熱リノベーション

編著:柿沼 整三
他著:杉本 龍彦
他著:植本 俊介

紙版

内容紹介

教科書どおり・図面どおりにはいかない建築の断熱改修を、RC造集合住宅・木造戸建・RC造戸建と3つの実例に即して、豊富な現場写真や矩計図で詳解。断熱を理解するための基礎知識から、改修設計に必須な部分断熱の考え方、現場調査・設計・施工の流れ、改修後の効果測定まで、設計者こそ知っておきたい改修実務の勘所が満載!

目次

1部“断熱改修”ってどれくらい効果があるの?

基礎
1 断熱から考える効果
2 断熱の費用対効果
3 ゼロエネルギー住宅への可能性
4断熱性能について
5 UA値の求め方
6断熱の進め方

2部 断熱リノベーションの実践

■■■CASE1
[RC造マンションの内断熱]
最上階住戸の大きなワンルーム
“新しいライフスタイル”を提案するための断熱改修

1 調査
1 周辺のロケーションを把握する
2 空間の改修イメージと断熱計画の全体像

2 計画
1 配管や断熱の状況確認:改修前平面図
2 断熱に有効な住戸配置:改修前断面図
3 大空間でも暖かい平面計画
4 最上階の屋根断熱と断面計画

3 検証
1 全体像を把握する
2 屋根・床・南側外壁の性能比較
3 西側界壁・北側外壁・東側外壁の性能比較

4 施工
1 【躯体工事】改修はメンテナンス必須
2 【下地組工事】断熱ラインの決定
3 【断熱材施工】セルロースファイバーの吹き込み
4 【設備工事】換気計画と断熱ライン
5 【設備工事】配管計画と断熱ライン
6 【内装工事】床仕上げと壁・天井下地
◆COLUMN 桐材の特徴
7 【内装工事】天井・壁の漆喰仕上げ
8 【建具工事】既存開口部の追加断熱

5 効果
1 断熱リノベーション後の暮らし
2 改修前後のエネルギー消費を比較する

■■■CASE2 
[木造戸建のゾーニング断熱]
増築を繰り返した木造在来工法の住宅
機能性・耐震性・断熱性を高めてつなぐ「時代を重ねたデザイン」
1 調査
1 建物と周辺のロケーションを把握する
2 検討と選択のプロセス
3 敷地の環境と建物形状の温熱特性
4 母屋の増築プロセスと傷み具合
5 改修か建替えか
6 リノベーションの全体計画に断熱改修を位置づける
7 増築時期で異なる状態の把握:改修前平面図
8 暮らしの重点をつくるゾーニング断熱:改修後平面図

2計画
1 残す・残さないを線引きするコンセプト
2 断熱改修の方針を立てる
3 断熱境界の設定
4 断熱材の選定
5 気密性の向上と換気
6 断熱改修を考慮した耐震改修

3検証
1 既存仕様と増築履歴:改修前平面図
2 動線と断熱ゾーニング:改修後平面図

4施工
1 【解体・躯体補強】現場変更は柔軟に
2 【下地組・耐力壁・設備工事】既存活用の現場判断
3 【躯体工事】ポリエステル断熱材の敷き込み
4 【枠・建具工事】造作建具の施工手順
5 【仕上工事】外壁修繕の施工手順
◆COLUMN 職人さんがやる気になる“時代を超えて残る”仕事

5効果
1 断熱リノベーション後の暮らし
2 改修による温熱環境の改善
3 改修後の暮らしとエネルギー消費
4 ゾーニング断熱の有効性と課題

■TOPICS [パーシャル断熱]築90年の木造店舗兼用住宅の段階的リノベーション

■■■CASE3
[RC造戸建の外断熱]
無断熱30年目のコンクリート打放し空間
愛着ある住まいの原風景をどう残すのか

1 調査
1 目指すべき断熱性能をイメージする
2 図面と現場で現況を確認する

2 計画
1 既存の空間特性を尊重する:改修前平面図
2 断熱とデザインの接点:改修前平面図
3 既存に調和する屋根形状とは:改修前屋根伏図
4 光と断熱の関係を考える:改修後屋根伏図
5 断面方向の断熱デザイン:改修前後矩計図

3 検証
6 断熱材の性能を数値で評価する
7 外断熱・内断熱・中断熱+自然エネルギーの掛け合わせ

4 部位1 【折半屋根】
1 既存を活かしつつ断熱効果を高める
2 板金の納まり形状は現場で決める
3 既存屋根を活かす重ね葺きの施工手順
4 既存トップライトから採光しながら断熱する
5 重ね葺き内部の追加施工
6 トップライト断熱の施工手順

部位2【サッシ】
1 断熱性能・耐久性・意匠のバランス
2 改修現場での機転:外部額縁の素材変更
3 枠を再利用する(カバー工法)場合の施工手順
4 撤去して新設する場合の施工手順

部位3【陸屋根】
1 シート防水からウレタン防水へ
2 改修現場での機転:防水施工のクリアランス不足
3 断熱+防水改修の施工手順

部位4【外壁】
1 内断熱か外断熱か:判断と仕上材
2 改修現場での機転:階段・窓・外壁をくるんでつなぐ
3 下地組が肝心な施工手順

部位5【建具】
1 既存を活かし断熱性能を高めるガラス入替
2 施工後の“見え”も意識した選択
3 シングルガラスからペアガラスへの入替施工手順
◆COLUMN【別棟トップライト】雨仕舞と“見え”の落としどころ

部位6【屋根裏】
1 形状に追従できるロックウール留め付け断熱
2 改修現場での機転:施工性が悪い時
3 断熱材の留め付け施工手順

5 効果
1 快適性で向上する暮らしの動線とコミュニケーション
2 断熱改修後の温熱環境

■断熱リノベーション向け用語説明

著者略歴

編著:柿沼 整三
㈲ZO設計室代表取締役。1975年工学院大学工学部建築学科設備工学コース卒業、1977年同大学工学専攻科建築学専攻終了。1979年専門学校建築学科講師(建築設備学、建築環境工学)などを経て、1987年より現職、東京理科大学建築学科非常勤講師も兼任。設備設計一級建築士、技術士(建築環境)。共著書に『建築設備の極意を伝授! 設備設計スタンダード図集』(オーム社、2017)、『わかる!わかる! 建築設備』(オーム社、2015)、『しくみ図解 断熱・防湿・防音が一番わかる』(技術評論社、2013)ほか。
他著:杉本 龍彦
杉本龍彦建築設計主宰。工学院大学大学院修士課程修了。一級建築士、東京都建築士会環境委員。共著書に『建築用語図鑑 日本篇』(オーム社、2019)、『窓がわかる本 設計のアイデア32』(学芸出版社、2016)、『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計』(オーム社、2015)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[RC編]』(オーム社、2016)『苦手克服!これで完璧! 矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計[S編]』(オーム社、2017)ほか。
他著:植本 俊介
植本計画デザイン主宰。東京大学建築学科卒業、同大学院都市工学修士課程修了。㈱曽根幸一・環境設計研究所勤務を経て、1998年植本計画デザイン一級建築士事務所を設立、現在に至る。一級建築士、東京建築士会環境委員、NPO木の建築フォーラム会員。2003年グッドデザイン賞、第58回神奈川県建築コンクール住宅部門優秀賞受賞。http://www.uemot.com

ISBN:9784761532482
出版社:学芸出版社
判型:B5変
ページ数:224ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2019年08月
発売日:2019年07月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AMK