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ユニバーサル サイン

デザインの手法と実践

著:田中 直人

紙版

内容紹介

分かりやすい誘導のためには、一つのサインだけが問題なのではなく、人間を取り巻く環境をどのように構成し、そこにどのようなサービスシステムを連動させるのかが重要だ。それこそがユニバーサルサインの基本である。その考え方と、実践のためのガイドライン、病院などの個別施設からニュータウンや市街地まで12事例を示す。

目次

グラビア
1 イメージするサイン
2 記憶に残るサイン
3 建築と一体化したサイン
4 色で伝えるサイン
5 五感を活用するサイン
第1章 ユニバーサルサインの視点
1・1 これまでのサイン計画
サインとは/サインの種類/多様な利用者のサイン環境
1・2 ユニバーサルデザインとユニバーサルサイン
ユニバーサルデザインとは/ユニバーサルサインとは
1・3 ユニバーサルサイン実現の課題
付け足しのサイン計画/複雑な動線に対する限界/サインの氾濫と埋没/視覚に偏ったサイン
1・4 ユニバーサルサインのプロセスと管理
1・5 多様な利用者への配慮
利用者の実際のサインとの関わり/デザインフォーオール /高齢者/視覚障害者/聴覚障害者/肢体不自由者/知的障害者/子ども/外国人
1・6 多様な場面への配慮
夜間のサイン/仮設サイン/安全サイン/緊急時サイン
第2章 ユニバーサルサインガイドライン
2・1 ユニバーサルサインの計画プロセス
環境・空間を知るプロセス/人を知るプロセス
2・2 サイン計画の基礎的技術
サインの「あるべきところ」/目的地を明確化する/主要通路を明確化する/多言語表記のあり方/わかりやすくする表記/言葉を超えるピクトグラムを活用する/矢印で方向性を明快に示す/わかりやすくする色の組み合わせ/わかりやすくするレイアウト/表示内容や伝達をわかりやすくする工夫
2・3 イメージを喚起するサイン
イメージから連想される「直感」を生かす/場所特性を考えたネーミング/全体を考えたネーミング/個性を考えたネーミング/表現のしやすさを考えたネーミング/覚えやすさ、親しみやすさを考えたネーミング/将来の変化も考えたネーミング
2・4 記憶に残るサイン
記憶を活用する/長期記憶を喚起する環境デザイン/短期記憶を喚起するサインシステム/記憶に残りやすい“差異”/空間と連動した数字によるコーディング/空間と連動した色彩システム/ランドマーク
2・5 建築化サイン
環境や建築と一体的にサインを計画する/サインレス空間の試み/床・壁・天井・柱等を活用したサイン
2・6 五感を活用するサイン
2・7 視覚を活用するサイン
見やすさを高める工夫/色や光を活用する色彩・光環境/色の意味をルールとして生かす/安全を確保する色/らしさを演出する色/親しみやすくする色/「直感」で知らせる工夫/心地よい色の使い方/光環境の中で考える
2・8 聴覚・嗅覚を活用するサイン
聴覚を活用するサイン/装置による音サイン/音の質と量を考慮した音声案内/音を信号として活用する/場に合った環境音楽で親しみのある区別/反響音を活用したサイン/嗅覚を活用したサイン
2・9 触覚を活用するサイン
触覚を活用するサイン/指の触覚でわかる点字表記/壁面を活用した触覚サイン/床面を活用した触覚サイン
2・10ソフトとハードの連携サイン
ハードとソフトの連携を図る情報提供/現場のサインと手元のサインの連携/種々のマップを効果的に活用
2・11新技術・材料を活用する
新技術・材料の開発とサイン計画/技術や材料の試行例から見るポイント/新技術・材料を活用するポイント
2・12情報メンテナンス
変化に対応するメンテナンス/耐久性と維持管理費を考慮したメンテナンス/サインに注ぐ見守りの心
第3章 ユニバーサルサインの取組み事例
3・1 神戸博ポートピア ’81 - 基準とテーマによる会場サイン
プロジェクトの概要/全体と個の一体的計画調整/基準によるガイドライン/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・2 西神ニュータウン - 色彩とシンボルによる景観サイン
プロジェクトの概要/全体と個の一体的計画調整/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・3 東京都江東区南砂 - 色彩と音による地域サイン
プロジェクトの概要/サイン機能の範囲の明確化/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・4 静岡県熱海市 - 光と色彩を用いた参加の観光サイン
プロジェクトの概要/らしさを演出するサイン/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・5 熊本県山鹿市平小城地区 - 住民参加の地場産素材を生かした地域サイン
プロジェクトの概要/サイン整備プロジェクトへの経緯/ユニバーサルデザインの視点による地域サインの検討/サイン整備のプロセス/成果と今後の展望
3・6 神戸しあわせの村 - 音と触覚、数字と色彩を用いた公園サイン
プロジェクトの概要/多様な利用者に対応した計画/デザインのポイント/スリム型誘導ブロックの導入
3・7 静岡県立総合病院 - 緊急時につながる五感を用いた分岐点サイン
プロジェクトの概要/サイン計画の導入プロセス/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・8 神戸空港 - 視認性と空間イメージを考慮した誘導サイン
プロジェクトの概要/ユニバーサルサイン改修整備の取組み/ユニバーサルサイン計画の考え方/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・9 倉敷駅前 - 視認性と景観イメージを重視した観光サイン
プロジェクトの概要/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・10国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)- グラフィックデザインと五感を活用した建築化サイン
プロジェクトの概要/設計計画の視点/モックアップによる検証プロセス/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・11ダイヤモンドシティ - モックアップによる色彩と形態を活用したサイン
プロジェクトの概要/既存店での施設利用満足度調査/ダイヤモンドシティ・リーファでのユニバーサルデザイン化の取り組み概要/デザインのポイント/成果と今後の展望
3・12イオンレイクタウン - 空間構成と五感を活用した建築化サイン
プロジェクトの概要/ユニバーサルデザイン化への取組み概要/デザインのポイント
 
  
索引 
参考文献

著者略歴

著:田中 直人
1948年神戸生まれ。
東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程修了。
神戸市、神戸芸術工科大学環境デザイン学科教授を経て、1997年より摂南大学工学部建築学科教授。博士(工学)、一級建築士。
各地でユニバーサルデザイン推進やデザインプロジェクトに携わり、施設における環境デザイン監修や設計に取り組んでいる。

ISBN:9784761531751
出版社:学芸出版社
判型:B5変
ページ数:144ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2009年05月
発売日:2009年05月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQS