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地域コミュニティ支援が拓く協働型社会

地方から発信する中間支援の新展開

編著:櫻井 常矢

紙版

内容紹介

東日本大震災、コロナ禍を経て、地域活性化や地域課題の解決を担う地域コミュニティ組織への期待が高まっている。従来の個別テーマ型のNPOだけでなく、地域コミュニティ組織を中間支援組織がエンパワメントする取り組みを紹介し、新しい時代の地域協働政策の在り方を提言する。

目次

はじめに

Ⅰ 中間支援組織の課題と変わる地域ニーズ
1章 なぜ今、中間支援を議論するのか (櫻井 常矢)
1 中間支援機能とは何か
2 “中間支援” 概念のジレンマ
3 ニーズとのギャップ
4 形骸化する「プロセスとしての協働」

2章 日本の中間支援機能とその課題(田尻 佳史)
1 日本の中間支援機能の誕生の経緯
2 中間支援の概念と機能
3 協働型社会がもたらした中間支援機能の課題

3章 地方における中間支援機能の形成と展開(櫻井 常矢)
1 日本NPOセンターの誕生
2 地方都市の中間支援組織とその多様性
3 中間支援施設の誕生と民間運営
4 硬直化する中間支援機能

4章 NPO・市民活動支援から地域コミュニティ支援へ(櫻井 常矢)
1 高齢化・人口減少に直面する地域社会
2 RMO等による地域コミュニティの再構築
3 個別団体支援と地域自治支援

Ⅱ 東日本大震災復興支援と中間支援組織の新しい役割
5章 浪江町県外避難者支援で直面した新しい中間支援(櫻井 常矢)
1 広域県外避難者支援への挑戦―協働型復興の必要性―
2 町民の思いをつなぐ「浪江のこころ通信」
3 拠点組織とコーディネート組織の連携
4 中間支援組織の重層化の意義

6章 浪江町県外被災者支援事業と中間支援組織(鍋嶋 洋子)
1 浪江町復興支援員事業―学び合う関係のなかで―
2 浪江町復興支援員推進会議―気づきを事業に反映―
3 浪江町復興支援員事業の成果と課題
4 中間支援組織として―支援の輪を広げる―
5 中間支援組織としてのこれからの役割―事業の視点は当事者のなかに―

7章 避難者支援の経験から学んだ「中間支援」の立ち位置(畠山 順子)
1 市民活動支援の仕組みを基に始まった広域避難者支援
2 中間支援組織が主体となった支援事業の展開
3 避難者支援の経験から中間支援組織の役割を問い直す
4 避難者支援からの学びとこれからの中間支援機能

8章 東北支援での学びを九州に活かす(彌永 恵理)
1 支援を受ける側の立場に立った支援の開始
2 浪江町復興支援員事業との出会い
3 東北での学びを地元に活かす

9章 広域型中間支援機能の展開とその可能性(髙田 篤)
1 浪江町復興支援員推進会議を軸とした事業展開
2 中間支援組織をコーディネートする機能

Ⅲ 地域コミュニティ支援の新しい展開
【地域円卓会議】
10章 手法としての円卓会議(横田 能洋)
1 円卓会議の目的と手法
2 地域円卓会議と運営母体の組織化
3 運営スタイルをめぐる試行錯誤
4 会議の議論を具体的取り組みに繋げる
5 地域円卓会議の裏方はプロデュースに似ている
6 地域円卓会議の効果と課題

11章 沖縄式地域円卓会議の運営と展開(宮道 喜一)
1 NPO法人まちなか研究所わくわくの事業展開
2 沖縄式地域円卓会議の概略と実践
3 那覇市協働のまちづくりの検証と「参加」

【NPO支援からまちの支援へ】
12章 地域人材育成と中間支援ネットワーク(手塚 明美)
1 市民参加を基盤とした中間支援の仕組みづくり
2 市民活動への参加の入り口-サポートクラブ-
3 若年層の地域参加のきっかけづくり-学生インターンプログラム-
4 県内支援組織間のネットワークづくり-つながりのフックを作り出す-

13章 まちの中間支援(石原 達也)
1 中間支援はどこから生まれてきたのか
2 自然治癒力の高いまちを目指す中間支援
3 当事者による行動を支援する① ~地縁組織のエンパワメント支援
4 当事者による行動を支援する② ~アドボカシー支援
5 中間支援に求められる資質と技能
6 「日本が、地域が、これからどうなるか」の問いから逃げない

【中間支援施設による地域自治支援】
14章 アウトリーチ型中間支援の実践とその意味(小野寺 浩樹)
1 中間支援は、組織なのか?施設なのか?機能なのか?
2 地域コミュニティ支援の考え方
3 地域コミュニティ支援の具体的な取り組み
4 地域支援に向けた行政の役割と中間支援との連携のあり方。

Ⅳ 地域コミュニティ支援が協働型社会を拓く
15章 中間支援機能のネットワーク化と展開可能性(櫻井 常矢)
1 ナショナルセンターの役割
2 英国の地域自治支援と中間支援組織ネットワーク

16章 地域自治支援が拓く協働のプロセス―ともに学び合う社会へ―(櫻井 常矢)
1 地域自治支援の広がり
2 地域自治支援機能のポイント
3 巧みな組織運営支援の展開
4 地域自治支援がひらく協働のプロセス
5 残された課題と今後への展望

著者略歴

編著:櫻井 常矢
高崎経済大学地域政策学部地域づくり学科教授。

2001年東北大学大学院教育学研究科後期博士課程修了。専門は社会教育学・生涯学習論・地域づくり教育。高崎経済大学地域政策学部講師、准教授を経て現職。総務省地域力創造アドバイザー。日本地域政策学会、地域活性学会、日本社会教育学会理事。共著に『公民館のしあさって』(ボーダーインク、2022)、『地域コミュニティの再生と協働のまちづくり』(河北新報出版センター、2011)、『地域コミュニティの支援戦略』(ぎょうせい、2007)、『大学と連携した地域再生戦略』(ぎょうせい、2007)、『コミュニティの自立と経営』(ぎょうせい、2006)、『地域政策と市民参加』(ぎょうせい、2006)、『コミュニティ再生と地方自治体再編』(ぎょうせい、2005)他多数。

ISBN:9784761528836
出版社:学芸出版社
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ