出版社を探す

ゼロカーボンシティ

脱炭素を地域発展につなげる

編著:諸富 徹
編著:藤野 純一
編著:稲垣 憲治

紙版

内容紹介

2050年カーボンニュートラル宣言を受け、自治体によるゼロカーボン政策が加速している。本書では、脱炭素先行地域における産業、交通、家庭、建築物など多分野にわたる具体的施策、自治体の役割を先進的な事例とともに紹介。シナリオのつくり方や、脱炭素を地域発展につなげるポイントを、政策と現場の両面から解説する。

目次

はじめに


第1章 日本の地域脱炭素政策



1・1 脱炭素における地域の取組の重要性

 1 国の脱炭素目標と地域脱炭素ロードマップ

 2 脱炭素社会に向けた地域の取組の重要性



1・2 脱炭素が引き起こす地方創生

 1 経済活性化・経済循環

 2 防災・減災

 3 住民の暮らしの質の向上

 4 その他の地域課題解決



1・3 環境省の地域脱炭素施策

 1 地域脱炭素に取り組む自治体の状況

 2 脱炭素の計画づくり ─まずは地域を見つめ直し、チームづくりを行う

 3 脱炭素先行地域 ─先進的な脱炭素型の地域をつくる

 4 重点対策─地域全体で脱炭素を進め、地方創生を実現する

 5 脱炭素の人材支援 ─脱炭素を進める体制をつくる

 6 公共部門の脱炭素化 ─まず公共施設の脱炭素化から始める

 7 金融支援 ─地域金融機関との連携、脱炭素化支援機構

 8 地域の中小企業支援



1・4 地域脱炭素の今後



第2章 なぜゼロカーボンシティか、どう進めるか



2・1 いま置かれている状況

 1 私たちのまちは、さながら穴のあいたバケツ

 2 気候正義とバケツ



2・2 ゼロカーボンに関する3つのポイント

 1 気候変動(Climate Change)の影響

 2 ゼロカーボンで地域経済活性化

 3 低い断熱性能を高くして、快適に命も守る



2・3 ゼロカーボンシティに向けて

 1 まずは現状を把握しよう!

 2 地域のお金の流れを知る

 3 具体的な対策を考える

 4 脱炭素先行地域を検討してみよう

 5 温暖化対策実行計画をつくろう!



2・4 ゼロカーボンシティの先進的取組と報徳仕法



第3章 脱炭素先行地域を徹底解剖



3・1 脱炭素先行地域の取組・実施体制の傾向

 1 再エネ種別

 2 エネルギーマネジメント手法など

pick up 広がりつつある「オンサイトPPA」

pick up 高くなる電気代



 3 地域課題解決や住民の暮らしの質向上

 4 実施体制

 5 自治体人口規模別の脱炭素事業内容の傾向 82

pick up 地域新電力の検討が相次ぐが、市場環境は厳しい



3・2 脱炭素先行地域に選定された自治体の特徴

 1 脱炭素は部署横断

 2 応募の目的は再エネ推進交付金や地域ブランディング

 3 どのような自治体が採択されているか

 4 どのような経緯で応募されたか、誰が担ったか

 5 採択を獲得できる職員の在籍年数は「長い」

 6 事業実施に向けた課題



第4章 地域の発展につなげるゼロカーボンシティ戦略─脱炭素先行地域から



4・1 川崎市:産業都市における脱炭素アクション

 1 川崎市の地球温暖化対策

 2 脱炭素の取組を見える化する

 3 脱炭素モデル地区「脱炭素アクションみぞのくち」

 4 脱炭素先行地域の取組と地域エネルギー会社の連携

 5 プロジェクトの活性化に向けて



4・2 さいたま市:公民学共創による地域エネルギーマネジメント

 1 公民学によるグリーン共創モデル

 2 最先端の住宅街区:美園地区

 3 次世代自動車とスマートエネルギー特区

 4 スマートホーム・コミュニティの特徴

 5 ローカルグリッドの構築

 6 今後の課題



4・3  米子市・境港市:非FIT再エネの地産地消と自治体連携CO2排出管理

 1 山陰の交通の要衝である2つのまち

 2 地域新電力「ローカルエナジー」の取組

 3 脱炭素先行地域でのエネルギーの取組

 4 ゼロカーボンから地域課題の解決に向けて

 5 地元企業の参画と自治体の連携



4・4 真庭市:森とくらしの循環で自立する地域づくり

 1 中国地方山間部の木材の産地

 2 バイオマスの取組

 3 脱炭素を起爆剤に

 4 バイオマス発電所増設と生ごみ等資源化施設の整備

 5 関係者との連携

 6 地域の力で推進



4・5 梼原町:雲の上の町の地域エネルギーを活かした挑戦

 1 風・光・水・森─恵まれた自然の力

 3 再エネ課題を克服する動き

 4 地域マイクログリッドの構築

 5 逆境を逆手に



4・6  佐渡市:EMSを活用した自立分散型の再エネ導入

 1 自然豊かな国内最大の離島

 2 島のエネルギー事情

 3 温室効果ガス排出の実態

 4 自立分散型の電源確保と電力の見える化

 5 これまでの取組と次のステップ

 6 3つの課題と事業展開の特徴

 7 脱炭素先行地域における取組

 8 生物多様性が育む離島の今後



第5章 地域におけるゼロカーボンシナリオのつくり方



5・1 ゼロカーボンシナリオの果たす役割

5・2 ゼロカーボンシナリオ策定の実践

 1 CO2排出量の推計の基本的な考え方

 2 温室効果ガスの排出構造を把握する(現況推計)

 3 地域の再生可能エネルギー資源の確認

 4 将来シナリオを作成する



5・3 ゼロカーボンシナリオ策定のための補助ツール



第6章 脱炭素に向けた自治体の役割と実務



 1 家庭部門─住民の理解と参加を促す

 2 運輸部門─公用車の電動化が初めの一歩

 3 業務部門─まずは省エネ診断

 4 産業部門─水素実証やRE100エリアの認定

 5 伝え方の工夫も重要

 6 地域にとって良いコンサル・要注意コンサル

 7 地域主体での事業組成と自治体の役割

 8 重要になる自治体公務員の役割



第7章 脱炭素を地域発展につなげる



 1 脱炭素化は地域の競争力強化につながる

 2 電力システムは「集中型」から「分散型」へ

 3 分散型電力システムへの移行を地域にとってのチャンスに

 4 「地域経済循環」と「エネルギー自治」

 5 人口減少時代の地域課題と「日本版シュタットベルケ」

 6 地域発展戦略の中核としての日本版シュタットベルケ

 7 「ゼロカーボンシティ」へのブリッジとしての脱炭素先行地域



座談会 ゼロカーボンシティの実現に向けて

著者略歴

編著:諸富 徹
京都大学大学院経済学研究科教授
1968年生まれ。2010年3月から現職。これまで、環境省「中央環境審議会」臨時委員などを歴任。主著に、『環境税の理論と実際』有斐閣(2000年:NIRA大来政策研究賞、日本地方財政学会佐藤賞、国際公共経済学会賞を受賞)、その他『環境〈思考のフロンティア〉』岩波書店(2003年)など多数。
編著:藤野 純一
(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)サステイナビリティ統合センタープログラムディレクター、大阪大学大学院国際公共政策研究科招へい教授。
1972年生、東京大学(工学博士)、国立環境研究所を経て現職。著書に『低炭素社会に向けた12の方策』『マンガでわかる脱炭素(カーボンニュートラル) 』『どれだけ出てるの?二酸化炭素ずかん』等。
編著:稲垣 憲治
一般社団法人ローカルグッド創成支援機構 事務局長
1981年愛知県生まれ。文部科学省、東京都庁を経て、地域活性化や地域脱炭素への思いが高じ、2020年から現職。これまで自治体の脱炭素施策企画・実行、地域新電力の設立・運営などに従事。著書に『地域新電力─脱炭素で稼ぐまちをつくる方法』(学芸出版社)など。

ISBN:9784761528591
出版社:学芸出版社
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年07月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ