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実践から学ぶ地方創生と地域金融

著:山口 省蔵
著:江口 晋太朗

紙版

内容紹介

まちの持続可能な経済循環は、地域資源を活かした課題解決に取り組む事業者や行政と、受け身の体制を脱し創造的な支援や連携を目指す地域金融機関の協働から生まれる。本書では各地の意欲的なプロジェクト11事例を取り上げ、背景にあるキーパーソンやステークホルダーの関係性を紐解き、事業スキームのポイントを解説する。

目次

Scene 1:地域資源を発掘・活用する
Case 1 :田舎ベンチャービジネスクラブ
―行き詰まる事業者の連携と6次産業化を主導。信用組合のリーダーシップ
(秋田県信用組合)
Case 2:秋田風作戦
―厄介な気候条件を資源に転換。地銀が主導した冒険的な発電事業
(北都銀行)
Case 3:谷根千まちづくりファンド
―地元金融機関による古民家再生への投融資。MINTO機構と連携して支える民間のまちづくり
(朝日信用金庫)
Scene 2:地場産業の新展開に伴走する
Case 4:豊岡カバンストリート
―融資からプロデュースへ。ネットワークを活かした地場産業ブランディング
(但馬信用金庫)
Case 5:庄内インキュベーションパーク
―まちぐるみの出資を促進。知的産業を軸にした民間主導の地域振興
(山形銀行)
Scene 3:次世代の担い手に投資する
Case 6:ぶり奨学プログラム
―帰郷して就職・起業すれば返済不要。地域の思いを原資とした教育融資制度
(鹿児島相互信用金庫)
Case7:家庭円満51
―若年層の支えとなる金融商品を。地元事業者を巻き込んだ住宅ローンの提供
(塩沢信用組合)
Scene4:域内の経済循環を促進する
Case8:さるぼぼコイン
―つながりが地域経済のインフラに。まちと事業者を育てる電子通貨開発
(飛騨信用組合)
Case9:リレーションシップキャピタル
―コミュニティにアプローチする原点回帰の事業支援
(第一勧業信用組合)
Scene5:持続的な観光基盤をつくる
Case10:WAKUWAKUやまのうち
―創業リスクを負担し地域の面的活性化を担う観光まちづくり会社の設立
(八十二銀行)
Case11:せとうちDMO
―競合関係を超えた産官金協働による広域連携DMOの設立と展開
(瀬戸内海7県の地域金融機関)

〈金融トピックス解説編〉
Topic1:金融機関とプロジェクトファイナンス
・プロジェクトファイナンス
・特別目的会社(SPC:Special Purpose Company.)
・シンジケートローン
・再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)
・PFI/PPP
・ファンド
・ベンチャーキャピタル(VC)
・GP(ゼネラル・パートナー)/LP(リミテッド・パートナー)
・官民ファンド
・地域経済活性化支援機構
・民間都市開発推進機構
Topic2:金融機関の経営
・信用創造と信用不安
・自己資本比率
・公的資金
・コア収益力(コア業務純益)
・預貸率
・経営統合
・金融機関の業務規制
Topic3:金融機関による融資
・事業性評価
・金融検査マニュアル
・政府系金融機関
・保証
・信用保証協会
・保証会社
・不良債権
・貸出条件緩和債権
・デフォルトと貸倒れ
・貸出
Topic4:金融機関とフィンテック
・キャッシュレス決済
・電子地域通貨
・暗号資産(仮想通貨)
・クラウドファンディング
Topic5:金融機関による事業者支援
・創業支援
・事業承継支援
・事業再生支援
・ビジネスマッチング

著者略歴

著:山口 省蔵
株式会社金融経営研究所 所長。2018年に金融機関向けのコンサルティング会社として同社を設立。元・日本銀行 金融高度化センター 副センター長。日本銀行在職中は、金融機関職員向けに新たな事業金融手法に関するセミナー等の企画を担当した。共著書に『営業店マネジメントの実務』(経済法令研究会)、『信用保証制度を活用した創業支援』(中央経済社)。
著:江口 晋太朗
株式会社トーキョーベータ代表取締役。編集者、ジャーナリスト、デザインコンサルタント。各地の地域プロジェクトの取材・執筆経験多数。金融庁や信用組合関係者で構成する「シビックエコノミーと信用組合の新しい関係に関する研究会」メンバー。
著書に『孤立する都市、つながる街』(日本経済新聞社)、『日本のシビックエコノミー』(フィルムアート社)ほか。

ISBN:9784761527488
出版社:学芸出版社
判型:A5
ページ数:220ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN