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都市の〈隙間〉からまちをつくろう

ドイツ・ライプツィヒに学ぶ空き家と空き地のつかいかた

著:大谷 悠

紙版

内容紹介

日本に先駆けて急激な人口減少を経験した都市、ライプツィヒ。空き家と空き地の大量出現に大混乱する行政と市場をしり目に、〈隙間〉で生き生きと活動を始めたのは、資金もスキルもない「素人」たちだった!自分たちの手でまちをつくりつづける6事例の試行錯誤から、不安定な時でもシステムに頼らず生き抜くヒントを探る。

目次

巻頭写真[日本の家]

序章|都市の〈隙間〉とはなにか
都市の〈隙間〉からまちをつくるということ
空き家・空き地を「問題の解決」で語る限界
アリになって都市の〈隙間〉に潜り込んでみよう

1章|都市の〈隙間〉を巡るライプツィヒの30年史
ライプツィヒにようこそ!
30年間外れ続けた人口予測
前史:革命世代と英雄都市ライプツィヒ
1990年代:縮小都市、ライプツィヒはまだ救えるか?
2000年代前半:都市に穴をあける「穿穴都市」政策
2000年代後半:空き家・空き地で盛り上がる住民の活動
2010年代:「ドイツで一番住みたいまち」のあらたな課題
4度変化したライプツィヒにおける〈隙間〉の意味
[コラム]都市の〈隙間〉に芽生えた4つの仕組み

 

2章|都市の〈隙間〉におこった5つの実践
都市の〈隙間〉は住民の活動に大きな役割を果たした
No.1 本の子ども ― 空き家と失業者がつくるクリエイティブな絵本工房
No.2 ロースマルクト通りの中庭 ― プライベート空間を地域に開く
No.3 みんなの庭 ― ゴミだらけの空き地に生まれた都市農園
No.4 ギーサー16 ― 廃工場を占拠したスクォッターによる文化施設
No.5 クンツシュトッフェとハウスプロジェクトLSW33 ―不動産市場から引っこ抜かれたものづくりのコロニー
〈隙間〉に生まれた「素人」たちの活動

3章 |日本の家:まちを「つくりつづける」素人の暇人たち
言葉や文化の壁をこえて集えるまちのリビング
I. 黎明期:暇だから始めた「家」づくり
II. 転換期:ごはんの会の始まり
III. 発展期:さまざまな人びとがあつまる地域のリビングへ
IV. 再転換期:メンバーの交代とあたらしい体制
「いいとこ取り」できない体験から得られる気づき
「スカスカ」と「ギチギチ」を繰り返す空間

終章|〈隙間〉から見えてくる都市の未来
〈隙間〉を読み解く3つのポイント
(1)制御できないからこそ住民と行政が顔つき合わせる契機となる
(2)「素人」がまちをつくることを後押しする
(3)多様性と偶然性に満ちた生々しいかかわり合いの舞台
都市の〈隙間〉でモヤモヤした未来を引き受ける訓練をしよう

あとがき

著者略歴

著:大谷 悠
まちづくり活動家・研究者。1984年東京生まれ。2010年単身渡独、2011年ライプツィヒの空き家にて仲間とともにNPO「日本の家」を立ち上げ、以来日独で数々のまちづくり・アートプロジェクトに携わる。2019年東京大学新領域創成科学研究科博士後期課程修了、博士(環境学)。同年秋から尾道に在住、「迷宮堂」共同代表として空き家に住みながら改修し、国籍も文化も世代も超えた人々の関わり合いの場にしようと活動中。2020 年4 月より尾道 市立大学非常勤講師。ポスト高度成長とグローバリゼーションの時代に、人々が都市で楽しく豊かに暮らす方法を、欧州と日本で研究・実践している。 主な著書・論文・作品: 『CREATIVE LOCAL-エリアリノベーション海外編』(共著、学芸出版社、2017)「都市の〈間〉論-1990年以降のライプツィヒ東西インナーシティを事例に」(博士論文、東京大学、2019)、映像作品『40㎡のフリースペース-ライプツィヒ「日本の家」2015-2017』(2018)

ISBN:9784761527471
出版社:学芸出版社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年10月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQS