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コミュニティビジネス入門

地域市民の社会的事業

編著:風見 正三
編著:山口 浩平

紙版

内容紹介

近年、地域のスモールビジネスや社会的貢献を目指すビジネスが注目されている。コミュニティビジネスとは何か、これまでの発展過程を俯瞰しながら、非営利活動主体や社会起業家の活動、経営課題、協同組合や中間支援組織の役割などを解説。さらに、多様な連携によるまちづくりへの新たな展開を探る。事例・用語集も掲載した。

目次

第1講 持続可能な社会を築くコミュニティビジネスの可能性
風見正三
1・1 地域社会の変貌とコミュニティの再構築
 1 地域問題の複雑化とコミュニティの衰退
 2 コミュニティの概念定義と多様な展開
 3 コミュニティの連鎖による新たなまちづくり
1・2 持続可能な社会を築くコミュニティビジネス
 1 コミュニティビジネスの社会的背景
 2 コミュニティビジネスの概念定義
 3 日本におけるコミュニティビジネスの展開
1・3 コミュニティビジネスによる地域再生
 1 コミュニティビジネスの社会的意義
 2 持続可能な地域づくりとコミュニティビジネス
 3 コミュニティビジネスによる地域経営の展開
第2講 コミュニティビジネスの機能と基盤整備─協働型社会形成のパートナーとして
山口浩平
2・1 協働型社会への助走 なぜコミュニティビジネスが今必要なのか?
 1 コミュニティビジネスを位置づける前提となる「協働型社会」
 2 協働型社会とコミュニティビジネス
2・2 欧州における社会的企業論と「協働型社会」
 1 社会的企業とは何か
 2 協働型社会の担い手としての政策化
2・3 「協働型社会」における課題
 1 概念の多様化
 2 支援を行う根拠
2・4 「協働型社会」を支えるコミュニティビジネスの基盤整備
 1 人の流れ─人材の流動化を進めるしくみづくり
 2 お金の流れ
 3 ネットワーク形成─生協など既存の非営利組織との協働、社会的経済
 4 法・政策・制度
2・5 「協働型社会」におけるコミュニティビジネスの発展のために
第3講 コミュニティビジネスセクターの特徴と社会起業家の役割
木下 斉
3・1 事業による社会問題解決
 1 コミュニティビジネスに期待される役割
 2 民間企業セクターの特徴と制約
 3 社会的要請を経営的に解決する
 4 コミュニティビジネスセクターの経営規模
3・2 社会起業家の役割
 1 コミュニティビジネスにおける社会起業家の役割
 2 社会起業家に求められる成果
 3 社会起業家を支えるプラットフォーム
 4 自らコミュニティビジネスに取り組む
第4講 コミュニティビジネスのガバナンス
松本典子
4・1 コミュニティビジネスとガバナンス
 1 コミュニティビジネスの定義と課題
 2 コミュニティビジネスにおけるガバナンス
4・2 コミュニティビジネスの経営課題
 1 コミュニティビジネスの分類
 2 福祉分野におけるコミュニティビジネスの事例と特徴
 3 コミュニティビジネスの経営課題とガバナンス
4・3 コミュニティビジネス・ガバナンスのあり方
 1 コミュニティビジネス・ガバナンスの課題
 2 コミュニティビジネスの発展に向けて
第5講 コミュニティビジネスにおける協同組合の可能性
志波早苗
5・1 協同組合とは何か? 歴史と今日的価値
 1 協同組合が現代的に求められている
 2 協同組合の歴史
 3 協同組合の特徴
5・2 運動を事業に、事業を運動に
 1 地域生協づくりと消費者運動
 2 オルタナティブな働き方
5・3 コミュニティビジネスと協同組合
 1 生協の規模とインフラ
 2 生協のインフラ・システムをコミュニティビジネスにどう活かすのか
第6講 コミュニティビジネスに対する支援機能の必要性と課題
藤木千草
6・1 コミュニティビジネスに対する支援とは何か?
 1 支援組織の形成過程と現状
 2 日本における支援組織の運営と事業展開
6・2 支援組織の事例紹介
 1 地域のニーズ・諸活動から発足
 2 専門家による設立
 3 当事者が自分たちで組織したもの
6・3 今後構築すべき支援機能
 1 課題の整理
 2 暮らしに役立つコミュニティビジネスの案内人─「地域コーディネーター」養成
 3 社会的な基盤整備に向けて
第7講 コミュニティビジネスとまちづくりの新たなる展開
木下 斉
7・1 従来型まちづくりの終焉と新たな胎動
 1 補助金依存のまちづくり
 2 新たなまちづくりの胎動
7・2 まちを変えるコミュニティビジネス
 1 コミュニティビジネスによる、経営からのまちづくり
 2 成長が期待される事業型まちづくり会社
 3 コミュニティビジネスとの戦略的提携
 4 まちづくりにおけるコミュニティビジネスの展望

著者略歴

編著:風見 正三
1960年茨城県生まれ。日本大学大学院、ロンドン大学政治経済大学院、東京工業大学大学院修了。博士(工学)。大成建設㈱などを経て、2008年より宮城大学事業構想学部教授。持続可能な地域づくりやコミュニティビジネスの研究と実践に携わる。専門は都市計画、地域計画、コミュニティビジネス。主著に『「明日の田園都市」への誘い』彰国社、『テーマコミュニティの森』ぎょうせい、『緑地・公共空間と都市建築』日本建築学会など。受賞歴に『第7回まちの活性化・都市デザイン競技国土交通大臣賞』など。
編著:山口 浩平
1977年生まれ。立命館大学大学院政策科学研究科修士課程修了。2000年より公益財団法人生協総合研究所。東洋大学・駒澤大学・明治学院大学非常勤講師を兼務するほか、日本協同組合学会常任理事、パルシステム東京市民活動助成基金運営委員長を務める。専門は社会政策・サード・セクター論。主著に「イギリスにおける社会的包摂政策とボランタリー組織の役割」福原宏幸編著(2007)『社会的排除/包摂と社会政策』法律文化社、「社会的企業での働き方-ワーカーズ・コレクティブの「新しい働き方」をふまえて」馬頭忠治・藤原隆信編著(2009)『NPOと社会的企業の経営学』ミネルヴァ書房など。

ISBN:9784761524739
出版社:学芸出版社
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2009年10月
発売日:2009年10月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ