家族心理学年報 30
災害支援と家族再生
編：家族心理学会
内容紹介
読者対象>家族心理学の研究者、災害に遭った人たちの支援にあたる方々。東北大学、石巻の支援学校、白河・郡山のメンタルサポートなど、災害に多大な影響を受けた地域で活動される先生方の論稿も収録。今なお大きな打撃を残す昨年の東日本大震災を念頭におき、災害で大きな痛手を負った家族が再生していくために重要な支援とは何か、家族心理学の知見を活かした支援と再生の方法を探る。
目次
Ⅰ 家族再生の心理的援助
総論
家族再生の心理学 ／亀口憲治
喪失と家族の再生に向けて～システム論の有効性と震災支援／長谷川啓三・若島孔文
各論
発達障害がある人とその家族への支援～東日本大震災から見えたこと／櫻井育子
避難生活と家族への心理的援助～震災と放射線不安の福島の支援報告／成井香苗
東日本大震災の行方不明者家族への支援
～「曖昧な喪失（ambiguous loss）」理論を踏まえて／池埜 聡
別れと出会いの家族支援～「現代的悲嘆」を中心に／平木典子
家族喪失の心理的援助
～親を亡くした子どもと遺された家族への援助から考える／石井千賀子・辻井弘美
子育て支援ネットワークと家族のつながり合う力／福丸由佳
高齢者の家族介護者への支援
～介護者カウンセリングと地域による支援システム／無藤清子
ひきこもり支援と家族の再生／齋藤暢一朗
Ⅱ 家族療法の技法・家族臨床心理学研究法の展開
境界性パーソナリティ障害などの感情調節困難な患者とその家族への支援
～弁証法的行動療法と弁証法的行動療法家族スキル訓練の日本での可能性／遊佐安一郎
家族心理学におけるTEM（複線径路・等至性モデル）の活用可能性／曽山いづみ・中釜洋子
Ⅲ 日本家族心理学会第28回年次大会より
家族療法は日本の家族に何を学んだか／十島雍三・片平眞理
災害支援における支援組織について～ロジスティクスとインテリジェンス／大熊保彦
