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アスレチックスキルモデル

才能を適切に発揮させる運動教育

他原案:レネ・ウォンホート
他原案:キーツ・JP・サフェルスバーグ
他原案:ヤン・ウィレム・テウニッセン

紙版

内容紹介

「アスレチックスキルモデル」は,これまで主流をなしてきた才能開発理論に替わり,健康で幸せな生活を送ることに着目した統合的で幅広い基盤をもつ運動教育を提唱する。それは,敏捷性,柔軟性,安定性などの要素からなる「身体的な知性」に主眼を置き,取り入れやすく変化に富む練習プログラムを通して,競技を専攻するより前に運動技術を備えたアスリートを育成するものである。
本書では,まずASMの科学的な論拠を示し,そして練習プログラムの適用や応用,様々な年齢や競技での導入方法などの実践的な内容が説明されている。また,オランダのサッカークラブ,AFCアヤックスの青少年育成プログラムにおけるASMの適用例が詳しく解説されるとともに,競技に特化することなく競技者であることを重視した才能開発の未来への展望が述べられている。
ASMは,従来の才能開発で当然と見なされてきた通念への重要かつ時宜を得た挑戦である。本書は,上級競技者レベルのすべての学生,若者の発達・技能習得・運動学習やスポーツのコーチングに関心のあるすべての研究者,そして才能の育成について自分の指導法を活性化させたいと熱望しているすべてのコーチにとって,魅力的な1冊となっている。

目次より

第1部 基本原理

第1章 アスレチックスキルモデルの基礎
さまざまな側面の発達:真実かどうか/基本原理:統合的な指導法/かつての東欧世界:広範な運動の基礎力を通しての成功/まとめ
第2章 才能の発達
脳の発達/子どもの運動(才能)発達のモデル/なぜASMに基づく練習が求められるのか/まとめ
第3章 若者の練習
生物学的年齢/生物学的な発達年齢の測定/発達段階:早熟,標準,晩生/青少年の練習/若者の睡眠不足/まとめ
第4章 目標に向けた運動の学習――理論から実践へ
運動学習理論の重要な概念:歴史のまとめ/学習の方法:意識か暗黙か/注意を集中させること:外在的か内在的か/制約を設定することで制約を崩す/理論から実践への移行/まとめ

第2部 アスレチックスキルモデル

第5章 アスレチックスキルモデルの構成要素1――基礎運動スキル
専門のスポーツを決定する時期/子ども時代の運動学習/集約的な指導法/競技に特有の基礎運動スキルの分析/ドナースポーツとマルチスポーツという考え/まとめ
第6章 アスレチックスキルモデルの構成要素2――協同的能力
適応能力/バランス維持能力/カップリング能力(運動動作を同期させる能力)/運動弁別能力/空間定位能力/反応能力/リズム能力/不安定な時期:潜在能力の最適な活用/まとめ
第7章 アスレチックスキルモデルの構成要素3――運動動作条件
敏捷性/柔軟性/安定性/競技の構え/力/持久力/まとめ
第8章 アスレチックスキルモデルの実際

第3部 事例研究の紹介

第9章 事例研究:AFCアヤックス青少年育成プログラムへの適用
第10章 事例研究:運動を導くアフォーダンスの展開を設計すること――AFCアヤックスのアスレチックスキル・トラック

目次

『アスレチックスキルモデル』邦訳にあたって
――未来のアスリートをめざす子どもを指導する人々のためのガイド

推薦のことば ジャン・コーテ
 エドウィン・ゴードハート

まえがき
謝辞
おことわり


第1部
基本原理

第1章
アスレチックスキルモデルの基礎
さまざまな側面の発達:真実かどうか/基本原理:統合的な指導法/かつての東欧世界:広範な運動の基礎力を通しての成功/まとめ

第2章
才能の発達
脳の発達/子どもの運動(才能)発達のモデル/なぜASMに基づく練習が求められるのか/まとめ

第3章
若者の練習
生物学的年齢/生物学的な発達年齢の測定/発達段階:早熟,標準,晩生/青少年の練習/若者の睡眠不足/まとめ

第4章
目標に向けた運動の学習――理論から実践へ
運動学習理論の重要な概念:歴史のまとめ/学習の方法:意識か暗黙か/注意を集中させること:外在的か内在的か/制約を設定することで制約を崩す/理論から実践への移行/まとめ

第2部
アスレチックスキルモデル
学習転移/技術集約的なプログラム:構成している要素とは何か

第5章
アスレチックスキルモデルの構成要素1――基礎運動スキル
専門のスポーツを決定する時期/子ども時代の運動学習/集約的な指導法/競技に特有の基礎運動スキルの分析/ドナースポーツとマルチスポーツという考え/まとめ

第6章
アスレチックスキルモデルの構成要素2――協同的能力
適応能力/バランス維持能力/カップリング能力(運動動作を同期させる能力)/運動弁別能力/空間定位能力/反応能力/リズム能力/不安定な時期:潜在能力の最適な活用/まとめ

第7章
アスレチックスキルモデルの構成要素3――運動動作条件
敏捷性/柔軟性/安定性/競技の構え/力/持久力/まとめ

第8章
アスレチックスキルモデルの実際
ASMの分類/基礎的な運動技術:男子5~9歳,女子5~7歳/さらに上級の運動技術:男子10~12歳,女子8~10歳/移行期の運動技術:男子13~14歳,女子11~12歳/一般競技の運動技術:男子15~18歳,女子13~18歳/卓越した競技者の運動技術/まとめ

第3部
事例研究の紹介

第9章
事例研究:AFCアヤックス青少年育成プログラムへの適用
ASMがAFCアヤックスの若手選手の育成に使われた理由/サッカーへの適用としてASMが着目する領域/運動測定の技術を備えたトラック/まとめ

第10章
事例研究:運動を導くアフォーダンスの展開を設計すること――AFCアヤックスのアスレチックスキル・トラック
アスレチックスキル・トラックの構成項目/公共向けの空間:スキルガーデン/まとめ

エピローグ
才能開発の未来:専門家ではなく,専門性をもった競技者であるとは

文献
索引

コラム
1-1 子どもの体力低下
1-2 若者たちの早期の専門化
1-3 オリンピック選手に関する研究報告
1-4 トゥドールO ボムパの唱える多面的な発達
1-5 東側諸国における専門化の先送り
2-1 才能にあふれた練習の鬼,タイガー・ウッズ
2-2 柔道家からサッカー選手になったボウデヴィン・ゼンデン
2-3 認知機能における運動の効果
2-4 様々な練習時間の区切り方
2-5 同一の動きは正確には決して存在しない
2-6 独創的プレイの秘訣
2-7 水泳コーチ,ヤッコ・ヴェルヘレンの視点
3-1 若者の行動
3-2 マテウス効果,または相対年齢効果
3-3 女性選手の三大課題
3-4 最大発育年齢の正確さ
3-5 運動をする若者への栄養面での助言
4-1 ホッケーコーチ,マックス・コープスの見解
4-2 ミラーニューロン
4-3 フィールドホッケー監督,ポール・ヴァン・アスの考え
5-1 10項目の基礎運動スキル
5-2 野球監督,ロバート・エンホーンの考察
5-3 運動発達の道筋
5-4 ノバク・ジョコビッチの成功の秘密はスキー
5-5 多種多様な競技経験のある優秀な選手例
5-6 ドナースポーツとマルチスポーツの利点を回想的に明言する一流選手
7-1 競技の構え
7-2 筋収縮
7-3 対抗する刺激
8-1 バランスを保つ練習に使う用具
8-2 水平に置いた梯子を使うトレーニング――一般的な運動の助言
8-3 スコット・ディキンソンの考察
8-4 さらに進んだ様々な関節運動の実践例
8-5 酸素摂取容量を向上させるための,楽しめるスポーツゲーム
8-6 七種競技/短距離走者ダフネ・シパーズについて
8-7 卓越したサイクリスト,マリアンヌ・ヴォスとテオ・ボスについて
9-1 AFCアヤックスで着目した各分野で使われる基礎運動スキル
9-2 元ハンドボール代表監督,バート・ボウアーの考察
11-1 スケートコーチ,ヘンク・ゲムサーのことば
11-2 マイケル・ジョーダン:パワーと勝利へのこだわり

ISBN:9784760821877
出版社:金子書房
判型:A5
ページ数:344ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC